感染症の世界史 (角川ソフィア文庫)

著者 :
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044003678

作品紹介・あらすじ

地上最強の地位に上り詰めた人類にとって、感染症の原因である微生物は、ほぼ唯一の天敵だ。
医学や公衆衛生の発達した現代においても、日本では毎冬インフルエンザが大流行し、
世界ではエボラ出血熱やデング熱が人間の生命を脅かしている。

人が病気と必死に闘うように、彼らもまた薬剤に対する耐性を獲得し、
強い毒性を持つなど進化を遂げてきたのだ。
40億年の地球環境史の視点から、人類と対峙し続ける感染症の正体を探る。

【目次】
 まえがき――「幸運な先祖」の子孫たち

序 章 エボラ出血熱とデング熱――突発的流行の衝撃
1.最強の感染症=エボラ出血熱との新たな戦い
2.都心から流行がはじまったデング熱

第一部 二〇万年の地球環境史と感染症
第一章 人類と病気の果てしない軍拡競争史
第二章 環境変化が招いた感染症
第三章 人類の移動と病気の拡散

第二部 人類と共存するウイルスと細菌

第四章 ピロリ菌は敵か味方か――胃ガンの原因をめぐって
第五章 寄生虫が人を操る?――猫とトキソプラズマ原虫
第六章 性交渉とウイルスの関係――セックスがガンの原因になる?
第七章 八種類あるヘルペスウイルス――感染者は世界で一億人
第八章 世界で増殖するインフルエンザ――過密社会に適応したウイルス
第九章 エイズ感染は一〇〇年前から――増えつづける日本での患者数

第三部 日本列島史と感染症の現状

第十章 ハシカを侮る後進国・日本
第十一章 風疹の流行を止められない日本
第十二章 縄文人が持ち込んだ成人T細胞白血病
第十三章 弥生人が持ち込んだ結核
終 章 今後、感染症との激戦が予想される地域は?

あとがき――病気の環境史への挑戦

感想・レビュー・書評

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  •  感染症と人類がどのように関わってきたのかを紐解いている。人類の敵としての感染症がほとんどであるが、奇妙な共存関係にある感染症も少なからず存在するところが興味深い。ウイルスの種類によっては人類という種が耐性を持ってしまったり、凶悪なウイルスであっても型によっては、人類との共生を選んだかのようにほぼ無害なものさえ存在しているなど、人類と感染症が深く関わっている様子が読み取れる。
     衝撃的だったのは日本が感染症後進国という事実である。ハシカ、風疹は度々大流行を起こし、洞爺湖サミットでは注意喚起までなされてしまった。他の先進国においては、ハシカ、風疹はまずかからない感染症であるが、日本ではそうではなかったのである。原因は予防接種をやめてしまった。ただそれだけである。現在では再開しているが、空白期間の世代において流行し、またキャリアとして世界中に感染症をばらまいているのである。もうすぐ2020年の東京オリンピックであるが、ハシカ、風疹の大流行により中止などということは避けたいものである。

  • 単行本で既読。

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著者プロフィール

1940年東京都生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞入社。ニューヨーク特派員、編集委員などを経て退社。国連環境計画上級顧問。96年より東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使、北海道大学大学院教授、東京農業大学教授を歴任。この間、国際協力事業団参与、東中欧環境センター理事などを兼務。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。主な著書に『地球環境報告』(岩波新書)、『森林破壊を追う』(朝日新聞出版)、『歴史を変えた火山噴火』(刀水書房)など多数。

「2018年 『感染症の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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