明治日本写生帖 (角川ソフィア文庫)

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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044004293

作品紹介・あらすじ

開国直後の日本を2度訪れたレガメ。紙とペン、そして旺盛な好奇心を携えたフランスの画家は、憧れの異郷で目にするすべてを描きとめた。誕生したばかりの帝国議会の様子は? 富裕層と庶民の学校はどう違う? 市川團十郎の歌舞伎の舞台裏とは? 天皇、軍人、僧侶から、名もなき人や子どもまで、明治の人と風景を克明に描く図版245点。ジャポニスムに火を付けた画家の知られざる全貌、日仏交流史における意義に迫る解説を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:210.6A/R24m//K

  • 1854年の鎖国政策終焉後、多くの外国人が日本を訪れ、西洋とも東洋とも違うその風俗や特質を紀行文や回想録のなかに書き残した。

    フェリックス・レガメとその著書も、そのなかのひとり、そのなかの一冊である。

    明治9年・32年、二度の来日時の記録をまとめ、「国土と国民」から「芸術と芸術家」まで、9つの章に分けて日本を紹介している。
    文化人類学や民族学の専門家ではなく、職業的な旅行家でも軍人でもない、しかも滞在期間は短期間でしかなかったレガメの日本についての情報の正確性は甚だあやしいものだが、彼の本領は画家であり、各種芸術学校の教師である。
    彼の手による数々のスケッチ、挿画が上手い。高い観察力と洞察力、完璧なパースやデッサン力!

    対象物や風景、人物を短い時間で素早く観察し写し取るデッサン、スケッチ、クロッキーは、だからこそ混じりけのない最初の鮮烈な印象を紙の上に再現する。
    妹や弟を背負って往来で遊ぶ子供たち。人力車を牽く車夫。小鳥のように笑いさざめく女学生。洋装の政治家、軍人、楽屋でくつろぐ往年の歌舞伎役者……。
    明治時代の人々の暮らしや彼らを取り巻く服飾や小道具までを、詳細かつ正確に今に伝える。

    ぶっちゃけ参考資料や実物をふんだんに見て描いているはずの現代の日本人アニメーターや漫画家などよりも「よく描けている」という点、それだけで私としては見ていてとても楽しい!

    KADOKAWAさんの文芸情報サイト『カドブン(https://kadobun.jp/)』にて、書評を書かせていただきました。
    https://kadobun.jp/reviews/722/e89be618

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著者プロフィール

1844年、フランス生まれ。パリの芸術家の家庭に育ち、挿絵や戯画を新聞、雑誌に寄稿。パリ・コミューン後は英米に渡り、デッサン教育にも携わった。76年と99年に訪日した経験から『お駒』『実用の日本』『お菊さんの薔薇色手帖』などの著作を残した。1907年没。

「2019年 『明治日本写生帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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