至高の十大指揮者 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA (2020年1月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784044004750

作品紹介・あらすじ

【追悼 小澤征爾さん】
本書では小澤征爾さんが世界へ飛び立つ理由にもなったN響事件を含め、「冒険者」としての評伝を第9章として収録しています。小澤征爾さんのご冥福をお祈りいたします。


 本書は「同じ曲でも指揮者によってどう違うのか」といった演奏比較を目的とした本ではない。もちろん、演奏を聴いていただきたいので、それぞれのCDを何点か紹介していくが、名盤ガイドではない。ネット時代のいまは、検索すればたいがいの演奏家の曲がすぐに見つかり、タダで聴くことができる。それがいいのか悪いのかは別として、かつてのような、「この曲はこの人の演奏」「この指揮者ならこの曲」という名曲名盤選びは必要なくなった。
 したがって、演奏比較、その特色の解説といった観点ではなく、その指揮者がどのようにキャリアを積み上げ、何を成し遂げたかという人生の物語を提示する。
 指揮者ごとの列伝なので、それぞれの章は独立しており、興味のある人物から読んでいただいてかまわないが、それぞれの物語にほかの指揮者が脇役として登場することも多いので、第一章から順に読んでいただいたほうが、通史としてわかりやすいかもしれない。

<目次>
第1章 「自由の闘士」アルトゥーロ・トスカニーニ
第2章 「故国喪失者」ブルーノ・ワルター
第3章 「第三帝国の指揮者」ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
第4章 「パリのドイツ人、ボストンのフランス人」シャルル・ミュンシュ
第5章 「孤高の人」エフゲニー・ムラヴィンスキー
第6章 「帝王」ヘルベルト・フォン・カラヤン
第7章 「スーパースター」レナード・バーンスタイン
第8章 「無欲にして全てを得た人」クラウディオ・アバド
第9章 「冒険者」小澤征爾
第10章 「革新者」サイモン・ラトル

感想・レビュー・書評

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  • 10人の中にアバドとラトルが選ばれていたので、この2人についてはしっかりと、他の8人についてはパラパラと読んでみた。
    生い立ち、指揮者デビュー、その後の活動という流れで、偉人伝のような内容にまとめられている。

    指揮した曲やオーケストラについては割と詳しく書かれているが、どのような演奏をしたのかには言及されていない。
    歴史上の人物の勉強をしているようで、「その演奏を聴いてみたい」と興味をそそられるような記述がなかったのが残念。

    多くの人もそうだろうと思うが、私も物心がついた頃にはカラヤンという指揮者の名前だけは知っていた。
    テレビが庶民の家庭にも入り込んだ時代、皆が力道山を見たように、カラヤンの演奏もゴールデンタイムに放送されていたのが日本でカラヤンが有名になった理由らしい。

    誰もがカラヤンの演奏を聴くようになると、「カラヤンはあまり好きじゃない」という自称クラシック通が出てきた。
    カラヤンだけが指揮者じゃないんだぜ、っていうやつだ。
    フルトヴェングラーが凄いとか言われても、知らない人なので「そう?」としか答えようがない。
    トスカニーニとかワルターも名前を覚えただけ。

    社会人になって、クラシックに興味が湧いてくると、過去の巨匠?よりも現実に活躍中のバーンスタインや小澤征爾の演奏を聴きたいと思うようになる。
    聴いてみると、とても良い。おそらくは録音技術や再生するオーディオ機器の性能が著しく向上してきたせいだ。
    音が悪いフルトヴェングラーやワルターなどは聴く気にならなかった。
    今でもそうだが、私にとっては何より美しい楽器の音色が重要なポイントなのだ。
    クラシック評論家じゃないので、フルトヴェングラーの演奏を無理して聴いて指揮者としての偉大さを知ろうなどとは思わない。

    カラヤンもバーンスタインもアバドも亡くなった今現在、第一線で活躍している新進気鋭の指揮者を知らない。
    これからのクラシック鑑賞の楽しみを増やすために、最近は今まで知らなかった指揮者の演奏を聴くようになった。

    ・テオドール・クルレンツィス
    ・ヴラディーミル・ユロフスキー
    ・アンドレア・バッティストーニ
    ・グスターボ・ドゥダメル

    の4人は、最近聴いていいと思った指揮者だ。
    特にドゥダメルは、“今まで遭遇した中で、もっとも驚くべき才能を持つ指揮者だ”とサイモン・ラトルが評しているので要チェックだ。

    他には、
    ・アンドリス・ネルソンス
    ・フィリップ・ジョルダン
    ・キリル・ペトレンコ
    を聴いてみたいと思っている。

    #この本の感想ではなくなっちゃいました。

  • トスカニーニ、ワルター、フルトヴェングラー、ミュンシュ、ムラビンスキー、カラヤン、バースタイン、アバド、小澤征爾、ラトル

  • この著者の本はいつもそうだが、淡々と書いているだけで、感情に訴えるものがない。

    「カラヤンとフルトヴェングラー」や「世界の10大オーケストラ」を読んだときにも思ったことだが、本書も何年何月にどこのオーケストラでどの曲を振ったとか、どこのポストを手に入れたというような記述が大半を占め、ただキャリアを列挙しただけという感は否めない。そのため、印象に残らないし、職務経歴書を読むような感じで面白みが無い。指揮者名鑑ではなく本なのだから、読み物としての面白さを出すために音楽性や人柄を示すエピソードの挿入が必要だ。

    このような書き方は、同著者の「現代の名演奏家50 クラシック音楽の天才・奇才・異才」や「クラシック音楽の歴史」のように、1コンテンツあたり数ページの本には向いているかもしれないが、本書のように1コンテンツあたり約50ページ(約500ページで10人)あると、変化に乏しく飽きてくる。

    もし10人の指揮者ではなく、50人〜100人くらい取り上げていれば、キャリアの列挙のような書き方でも、それなりに読める本になっていただろう。

  • 著者が選んだ十大指揮者のキャリアと人間ドラマ。

  • 筆者の得意分野、芸術的なお話ではなく、人間と人間との交差点を軸に一冊の本を仕上げる手法に終始。安定して面白いが、ことクラシックでは、それが何か?、という点もある。
    同様の歌舞伎本は、そういう見方・楽しみ方があるのかと感じ入ったし、実際、その語り口を受けて、より深く歌舞伎を理解できた気がしたのだが、指揮者で人間と人間達との関係性だけにスポットを当てても響かない。座頭、ハコ、固定客との関係はとても似ているのだが。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立し、代表取締役編集長として雑誌『クラシックジャーナル』、音楽家や文学者の評伝や写真集の編集・出版を手がける(2014年まで)。その一方で作家としても活躍。クラシック音楽への造詣の深さはもとより、歌舞伎、映画、歌謡曲、漫画などにも精通。膨大な資料から埋もれていた史実を掘り起こし、歴史に新しい光を当てる執筆スタイルで人気を博している。歴史関係の主な著書に、『昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』『悪の出世学 ヒトラー、スターリン、毛沢東』『世襲 政治・企業・歌舞伎』(幻冬舎新書)、『世界を動かした「偽書」の歴史』(ベストセラーズ)、『1968年』(朝日新書)などがある。

「2025年 『巣鴨プリズンから帰ってきた男たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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