稲生物怪録 (角川ソフィア文庫)

著者 :
制作 : 東 雅夫 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 148
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044004972

作品紹介・あらすじ

江戸時代中期、広島・三次藩の武士・稲生平太郎の屋敷に、一ヶ月にわたって連日、怪異現象が頻発。その目撃談をもとに描かれた「稲生物怪録絵巻」(堀田家本、全巻カラー)、平太郎本人が書き残したと伝わる『三次実録物語』(京極夏彦訳)、柏正甫『稲生物怪録』(東雅夫訳・註)が一冊に。多彩な妖怪変化、想像を絶する奇抜な生態、冷静沈着に観察する平太郎の武勇……日本各地に伝わる妖怪物語の最高峰が、待望ひさしいコンパクトな文庫版で初登場!

感想・レビュー・書評

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  • 十年以上前、稲垣足穂「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」を読んで知った。
    その後、妖怪や幽霊の本を収集しているにもかかわらずなかなか本腰入れることができずにいる。
    鬼太郎6期にはまったり、水木しげるをぽつぽつと読んだり、今度松江に行くことになったり、と妖怪づいている。
    だもんだからまず三次の商工会議所でDVD「伝承としての稲生物怪録」を頂いてばっちり予習してから、よきタイミングでこの本に向かったのである。

    面白い!
    まずは絵巻の味。
    主に屋内における怪異が、これでもかと怖可愛く。
    そして京極夏彦による訳も。
    「たいしたことなかったから寝た」のテンドンに吹き出してしまう。
    そして東雅夫の訳も。
    どういうことかというと、

    ・稲生物怪録絵巻(堀田家本)
    ・武太夫槌を得る――三次実録物語 本人の書き残したものを京極夏彦が訳したもの。
    ・稲生物怪録 同僚の柏正甫がインタビューして書き残したものを東雅夫が訳したもの。

    の三つが収録されている。
    どれも同じ筋なので繰り返しなのだが、それぞれの味がまたよし、なのだ。

  • 三次もののけミュージアムに行ったので、その記念に購入。
    絵巻をカラーで一つ一つのエピソードをしっかり見られたのはよかったなあ。
    平太郎本人作という『三次実録物語』はさすが京極夏彦先生、非常に読みやすい小説になっていました。
    9日目のエピソードは何度読んでもエグいけど。
    聞き取って書いたと伝わる『稲生物怪録』は、『三次〜』との相違点が散見されて、その違いを楽しめるのもいい。
    読み手側が詳しくないので、その相違点が先生による脚色によるものかどうなのかまでは判断つかなかったのですが、絵もあり、成立過程の違う2種類の物語を一度に楽しめたりと、稲生物怪録に最初に触れる本としては適切だと思います。

  • 名高い「稲生物怪録」だが、近寄るのは初めて。
    京極さんが手広くお仕事されてるお陰です。
    絵巻は確かに、独特の味が出ていてユニーク。
    京極さんの現代語訳は読みやすく、微かに京極さんの匂いがするところが良きかな。
    「仕方ないので寝た」「(怪異が)使えるかなと思ったが役に立たなかった」という淡々とした感じが、加門七海の実話怪談の様で面白かった。
    最後、魔王が出てくるのね‥知らなかった‥。
    これ以上近寄らないとは思うけど、手に取らせてもらったことには感謝。

  • 稲生物怪録をカラー図版で・京極夏彦の文体で・現代語訳で、さらに携行しやすい文庫版という欲張りセットでこの価格。聞いたことはあるけれど、通しで読んだことはなかった人間(自分だ)にとってうれしい一冊。

    図版は文庫サイズのためそこまで期待できない? ……と思いきや、三段組で全体を提示後、各日ごとに絵の部分を1/2~2ページほどの大きさで掲載しているのが良かった。

  • 稲生物怪録の入門編。
    巻頭に収録された図版が面白い。文庫ということでどうしても小さいのが残念だが、生き生きとした筆遣いや、滑稽味のある化け物の造形など、見ていて飽きない。平太郎、けっこう散々な目に遭っているというのに、ちょっと笑ってしまうのは、この絵の力が大きいだろうw
    現代語訳は京極夏彦。次は原典をそのまま活字にして欲しいな〜。

  • ほとんどの話のオチが「どうしようもないから寝た」。冷静に考えると結構怖いことが起きてるはずなのに、平太郎がすぐ寝るせいであんまり怖くない。もはやシュールギャグ。京極先生の小説も、現代語訳も楽しめた。
    自分の家で何か起きたらどうしようもないから寝ようと思う。

  • 面白かった!
    絵巻と、京極さんの訳と、東さんの訳の三編。

    どんな怪異にも動じないとはきいていたけど、化け物がでてきても『どうしようもないから寝た』『意味がわからないから寝た』『我慢していたら寝ていた』など、基本的にすぐ寝る。 
    怪異自体は全部実際自分が遭遇したら怖いものばかりのはずなのに、平太郎の態度のせいでもはやギャグのよう。

  • 数ある妖怪話の中でも稲生物怪録は実話だと昔から思っている。図書館でしか読んだことなかったが、全巻カラーの「稲生物怪録絵巻 堀田家本」、京極夏彦が訳した平太郎本人による「三次実録物語」、東雅夫訳・柏正甫の「稲生物怪録」の3つが一冊に収録された贅沢のうえに更に文庫化!そもそもが面白い話だが京極夏彦の訳が何より読みやすい。18世紀の広島三次藩の稲生家で起きた30日間にわたる怪奇現象。非常にリアルな話で、目撃者多数、腰を抜かす者、逃げ出す者実名入りで語られる。これ、実話でしょ。

  • 稲生物怪録が現代後で分かりやすく収録されています。

  • 稲生物怪録の本は他にも持ってるけど、みつけると買ってしまう。
    京極夏彦先生の現代語訳なのでだいぶ読みやすい。
    稲生物怪録の名前だけ知ってる、ざっとした内容を知ってるという方にはおすすめ。
    知らなくても妖怪好きな方はぜひ!

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家、全日本妖怪推進委員会肝煎。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。著書に『幽談』『冥談』『眩談』『鬼談』『ルー=ガルー』『南極(人)』『厭な小説』『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』 『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『遠野物語拾遺retold』 ほか多数。

「2021年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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