新版 伊勢物語 付現代語訳 (角川文庫 黄 5-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 297
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044005016

作品紹介・あらすじ

在原業平がモデルとされる男の一代記を、歌を挟みながら一二五段に記した短編風連作。『源氏物語』にもその名が見え、能や浄瑠璃など後世にも影響を与えた。詳細な語注・補注と読みやすい現代語訳の決定版。

感想・レビュー・書評

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  •  伊勢物語といい源氏といい、とにかく政治と鎮魂は文学から引き離せないものだと思う。ただ、成立の流れとしては、万葉集を参考に、業平の日記か和歌かがあり、それを妻か後の親族がまとめたのではないかと。日記というのは、天皇を巡って、我々はこれほどの文化・風習・格式があってやっているという記録本であり、政治的にも重要であったろうと思う。それを紀貫之が加筆。さらに藤原定家が訂正・編集し、いまの形となったのではないかと。まあ、ややこしい。谷戸貞彦氏の本、ネットで見れるのだが、買ってしまおうか……。

     最も初期の成立時はおそらく班田収受の法のころなので、口分田がなくなるまで男女で田畑を拡大しまくったのである。また田舎から来た男。または都会から来た男を女が迎え、取捨選択する。もしくはうまくいかない。その様々な模様が歌われており、いかに財産を増やすか、いかに男女は制度の中でかくあるべきか、古代からのケースを事例検討とともに、打倒藤原で打ち出された提言書であるのではないか……まだまだわからないけれども。五十八段とか特にそんな感じがする。

    第五十八段
     むかし、心つきて色好みなる男、長岡といふ所に家つくりてをりけり。そこのとなりなりける宮ばらに、こともなき女どもの、ゐなかなりければ、田刈らむとて、この男のあるを見て、「いみじのすき者のしわざや」とて、集りて入り来ければ、この男、逃げて奥にかくれにければ、女、

      荒れにけりあはれいく世の宿なれやすみけむ人の訪れもせぬ

     といひて、この宮に集り来ゐてありければ、この男、

      むぐら生ひて荒れたる宿のうれたきはかりにも鬼のすだくなりけり


    とてなむいだしたりける。この女ども、「穂ひろはむ」といひければ、


      うちわびておち穂ひろふと聞かませばわれも田づらにゆかましものを


     この本に関わるものはみな、藤原氏の中心から外れた者達であると思う。政治に破れた文化人によるもの。定家もそうだろう。ただ、最初期は、言霊というか、政争に勝ったアイテムだったのだろう。とにかく色々研究しないとわからない難解至極の本だ。

  • 在原業平をモデルにしたとされる歌物語。作者も成立年代も不詳だそうだが、源氏物語に影響を与えたとか。歌の機微に通じていることが必須とされた時代であり言葉に対する感覚の鋭さに感心することも多かった。千年以上前の文学が今の美意識にも通じている伝統に想いを馳せるきっかけになる。
    解説がやや古いのが残念。

  • 軽さと流麗さと言えば伊勢物語。

  • 補注、解説がていねい。現代語訳もあるので読みやすい。解説によると後の文学作品、絵などへの影響もあるので、読んでおきたい古典の一つだと思った。

    2017/9/25~10/15

  • 古今和歌集を読んだときに、伊勢物語と多数の歌が含まれていることを知り、元ネタのほうを読んでみた。古今の中でも、詞書がそのまま載せられているものも多かったが、段によっては、それほどストーリー性のないものもあり、個々の段というよりは、作品全体を通して業平の物語に仕立ててある。源氏物語への影響など、解説も丁寧。
    (2015.3)

  •  
    ── 在原 業平/石田 穣二・訳《伊勢物語 197911‥ 角川学芸出版》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/404400501X
     
    …… そのようなことがあったかもしれないし、なかったかもしれない。
    http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1772304.html(No.1 20051112 09:19)
     伊勢物語「京に思ふ人なきにしもあらず」
     
    …… 定家本によれば全125段からなり、ある男の元服から死にいたる
    までを数行程度(長くて数十行、短くて2~3行)の仮名の文と歌で作
    った章段を連ねることによって描く。章段の冒頭表現にちなんで、この
    主人公の男を「昔男」と呼ぶことも古くから行われてきたが、歌人在原
    業平の和歌を多く採録し、主人公を業平の異名で呼んだりしている
    (第63段)ところから、主人公には業平の面影がある(Wikipedia)。
     
    (20141231)(20170416)
     
     ブックマークコメントは「ブラック・マーク・コメント」だったか。
    http://q.hatena.ne.jp/1508919770#a1265206(No.3 20171101 04:48:44)
      暗愚=無知+愚鈍+底意 ~ わびさびなきやから ~
       

  • 気軽な短編集って感じですよね。古典だけど。
    角川ソフィア文庫は、現代語訳も全部あるし、読みやすいと思って気に入ってます。

  • 何度も読みたい。
    酷すぎて笑ってしまうところもあり、いかにも風流なところももちろんあり、ふとした時に歌を思い出せたら良いなあと思います。

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    秋の夜の千夜を一夜になずらへて
    八千夜し寝ばや飽く時のあらむ

    秋の夜の千夜を一夜になせりとも
    ことば残りて鶏や鳴きなむ

  • 最初期の歌物語。
    受験期にも思っていたけどやっぱり和歌って難しい。現代語訳と照らし合わせても2回目読んでようやくなんとなく分かるかなというところ。

    面白いと思ったのは、昔はほいほい浮気し放題だったということ。夫が浮気をすれば妻も浮気する。互いの浮気性を非難して和歌の応酬をかける。今よりよっぽど壮絶なのではないかと感じた。

    古典はいろんな話の原型になるエッセンスが多く詰まっているということを実感した。これからも定期的に日本の(学校の科目で言う)古典に触れていきたい。

  • 何故か、同時に購入したビギナーズクラシックよりこちらから着手。訳文がいいですね。成人から死ぬまでというのが昔男の人生の重みを感じてイイと思います。原文も源氏物語ほど解りにくくないような。ひじきを贈られても困りますが。最終段はちょっと泣けますね。どんなにイケメンでブイブイ言わせてても老いるし死ぬんだよなあ…。

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