千夜千冊エディション 宇宙と素粒子 (角川ソフィア文庫)

著者 :
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本棚登録 : 55
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044005061

作品紹介・あらすじ

松岡正剛が五十年にわたって読んできた科学書の中から宇宙論と素粒子論をめぐる代表的な本を厳選。ガリレオ、ケプラー、ハッブルから始まって、いったん時間の矢とエントロピーにこだわり、そこから著者が絶大な影響をうけたヘルマン・ワイルの展望台に立って、一三七億年の宇宙史を相対性理論やインフレーション理論やダークマターの謎でかいつまむ。最後はパリティの問題、部分と全体の関係の問題、ゲージ理論、ヒッグス粒子など量子力学の頭目たちの代表作が並ぶ。
もやもやとしたランダムなものがなにか1つをきっかけに動き始める。何が先にあって何が後からくるのか。ゆらぎ、ゆがみ、構造、秩序、時間。この先、どうなるかわからない宇宙像に思いを馳せる。

感想・レビュー・書評

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  • 一枚の紙を多折って夜を食む

  • 古代の天文学から、時間とは何か、エントロピーとは何か、を通じて相対性理論を紐解き、原子の宇宙に迫るため量子力学の世界へ向かう。〈千夜千冊エディション〉物理学篇。


    第1章はガリレイやケプラーの著作で幕を開ける。プチ『ルナティックス』のような構成の一七三二夜が嬉しい。
    宇宙と天体をめぐるロマンの第1章から、〈時間〉を科学的に捉えるとはどういうことなのかを解きほぐす第2章へ。この章は同じ〈千夜千冊エディション〉『情報生命』とリンクしている。
    第3章は相対性理論によって宇宙のはじまりをめぐる議論が急速に拡大したことについて。ダークマターやブラックホールの仕組み、反物質とは何かなどが解説され、ワクワクすると同時にかなり難しくなってくる。『銀河鉄道の夜』ふうに宇宙創造のプロセスを講義してくれる六八七夜が優しい。
    第4章は千夜千冊で最も長い一〇〇一夜の一篇のみで、1〜3章までと第5章の素粒子論をつないでいる。この章に限らず、「ヒッグス粒子」とか「パリティ」とか「自発的対称性の破れ」とかってなんだろう、と思っても繰り返しまた違う角度から説明してくれるので、なんとなくわかった気になれる。これが松岡正剛を読む危うさでもあるのだが、理系のセンスが全然ない私には、「超ひも理論」をわかった気にさせてくれるだけでも有難い。
    第5章「素粒子と量子」はだいぶ立ち入った話で、イメージを浮かべるのも難しい。概念と論理をもてあそんでいるだけに見えてしまうなぁ…と思っていたら、一〇七四夜でデイヴィット・ボームが科学的思考を既存の言語様式と異なる方法で記述する試みをしていたと知り、この話は面白かった。
    内容をすべて理解できているとは思わないのだが、子どもの頃読んだラッセル・スタナードの〈アルバートおじさん〉シリーズを思い出して懐かしかった(逆に言うと物理学の本を趣味で読んだのはそれ以来)。本書でSFを楽しむ土壌が頭の中にできたかな…と思いたい。

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著者プロフィール

編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。80年代に情報文化と情報技術をつなぐ方法論を体系化し「編集工学」を確立し様々なプロジェクトに応用。2000年「千夜千冊」の連載を開始。同年、eラーニングの先駆けともなる「イシス編集学校」を創立。近年はBOOKWAREという考えのもと膨大な知識情報を相互編集する知の実験的空間を手掛ける。また日本文化研究の第一人者として「日本という方法」を提唱し独自の日本論を展開。著書に『知の編集工学』『擬』『世界と日本の見方』『国家と「私」の行方』ほか。

「2021年 『千夜千冊エディション 資本主義問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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