千夜千冊エディション 編集力 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA (2019年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784044005078

作品紹介・あらすじ

大同小異、塵も積もれば山となる、月とすっぽん、我田引水、他人の芝はよく見える・・・これらはすべて「編集」の真骨頂を暗示する。もとより編集は本や雑誌や映像に特化されるものではない。認知の仕方、歴史観
の作り方、アートフルになること、ハイパーテキストに向かうこと、つまりは世界観にかかわるすべての作業のプロセスに編集がある。ラグビーにも料理にも音楽にもファッションにも編集があるというべきなのである。編集の醍醐味をいろんな側面から提示した松岡正剛の真骨頂。

みんなの感想まとめ

編集の本質を深く探求する本書は、松岡正剛の独自の視点から、さまざまな書籍や思想を通じて「編集工学」の概念を広げていきます。彼の文章は、単なる要約ではなく、各書籍とのインタラクションを通じて形成された思...

感想・レビュー・書評

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  • この千夜千冊シリーズでは、古今東西の様々な本を紹介しているが、それらの要点を分かりやすくまとめたものでは決してなく、あくまで本を通じて松岡氏が思ったことを記したものだ。彼が生涯を通じて追求した編集工学が核にあり、それと呼応する部分をフィルタリングし、照らし出していく。もちろん、これらの本とのインタラクションを通じて、彼の編集工学も形作られてきた。なので、編集工学がどういうものかをある程度知らないと、なぜこの本のここをあえて抜き出し紹介しているのか分かりづらいだろう。

    あと、松岡氏の文章は、かなり高いレベルの前提知識を要求する。個々の文章の裏に膨大な知識が出入りしているのだ。私は分からないキーワードは生成aiで調べ、背景知識を補完しながら読んでいった。

    私が本書を通じてイメージしたのは、松岡氏の思想の土台には西田幾多郎の述語の論理があり、そして、その上に、アナロジーと、イノベーションを起こす新結合、の二つの柱が乗っかっている絵姿だ。現代は主語と相違と明晰(線引き)が強調されすぎていて、述語と類似とグラデーションが疎かになっていると警鐘を鳴らしているように感じた。

  • 第1章  意味と情報は感染する

    966夜 ステファヌ・マラルメ 『骰子一擲』
    833夜 ルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタイン 『論理哲学論考』
    908夜 ヴァルター・ベンヤミン 『パサージュ論』
    899夜 ロジェ・カイヨワ 『斜線』
    714夜 ロラン・バルト 『テクストの快楽』
    545夜 ミシェル・フーコー 『知の考古学』
    1302夜 ジェラール・ジュネット 『フィギュール』
    1324夜 ジュルジョ・アガンベン 『スタンツェ』
    654夜 スラヴォイ・ジジェク 『幻想の感染』

    第2章 類似を求めて

    792夜 中村雄二郎 『共通感覚論』
    813夜 寺田元一 『「編集知」の世紀』
    1042夜 マイケル・ポランニー 『暗黙知の次元』
    213夜 エドワード・ホール 『かくれた次元』
    1079夜 佐々木正人 『アフォーダンス』
    1318夜 ガブリエル・タルド 『模倣の法則』
    228夜 川瀬武彦 『まねる』
    1642夜 鈴木宏昭 『類似と思考』

    第3章 連想、推理、アブダクション

    1081夜 山下主一郎 『イメージ連想の文化誌』
    1235夜 バーバラ・スタフォード 『ヴィジュアル・アナロジー』
    508夜 トマス・シービオク&ジーン・ユミカー=シービオク 『シャーロック・ホームズの記号論』
    1182夜 チャールズ・パース 『パース著作集』
    1566夜 米盛裕二 『アブダクション』
    9夜 丸谷才一 『新々百人一首』

    第4章 ハイパーテキストと編集工学

    1519夜 ハンス・ブルーメンベルク 『世界の読解可能性』
    1493夜 ピーター・バーク 『知識の社会史』
    1717夜 ジェイ・デイヴィッド・ボルター 『ライティング・スペース』
    671夜 米山優 『情報学の基礎』
    1479夜 ルー・バーナード、キャサリン・オキーフ、ジョン・アンスワース 『人文学と電子編集』
    422夜 室井尚 『情報宇宙論』
    1540夜 キエラン・イーガン 『想像力を触発する教育』

  • 編集工学を本格的に理解しようと考え、これも読み始める。
    面白い。「方法を思想という勇気」が必要だったというのは、大いに共感する。
    まるごと、セイゴオ先生が、多様な書物から編集力という方法論を抽出した本。

    第1章 意味と情報は感染する

    A①「絶対書物」を想定する方法;言葉をサイコロにして「類推の魔」をはたらかせる:マラルメ「骰子一擲」
    A②「カタルトシメス」という方法;「言いかえ」のため言語ゲームをする:ヴィトゲンシュタイン「論理哲学論考」
    A③「数寄というパサージュ」という方法;文化の敷居をまたいで「アウラ」を感じる:ベンヤミン「パサージュ論」
    B①「対角線を折る」ための方法;世界をもっとオブリックに遊学して眺める:カイヨワ「斜線」
    B②テクストからモードを集約する方法;文章にひそむ「流儀 モード」にこそ身を委ねなさい:バルト「テクストの快楽」
    B③「エピステーメー」という方法;知の奥行で「類似」「タブロー」「標識」:フーコー「知の考古学」
    C① 「フィギュア」に着目する方法;物語の構造とレトリックに「編集の肖像」を見出す:ジュネット「フィギュール」
    C②「鍵と鍵穴」を同時に使う方法;社会イメージの動向を「閾値のすまい」から解釈する: アガンベン「スタンツェ」
    C③「ないものを代理する」という方法;「発現」と「残余」から多様な現象を解読する:ジジェク「幻想の感染」

    第2章 類似を求めて

    D「コモンセンス」をつくる方法;未然性こそが編集哲学を新しくする:中村雄二郎「共通感覚論」
    D知識を「分母」と「分子」にする方法;啓蒙の力は編集知からしか生まれない:寺田「編集知」の世紀
    E認識の中の「暗黙知」に気がつく方法;アート、スキル、レリバンスが「不意の確証」:ポランニー「暗黙知の次元」
    E知覚と行動に潜む「文化距離」に感づく方法;われわれは「プロクセミックス」の中にいる:ホール「隠れた次元」
    E「アフォーダンス」で逆照射する方法;「内なる操作」と「外なる環境」を結びつける:佐々木正人「アフォーダンス」
    F「模倣力」が食べ尽くしている方法;人間と社会と表現の本質は「模倣」というエンジンで動く:タルド「模倣の法則」
    F「切断」と「接続」でシステムを見る方法;類推性 analogy と双対性 duality でモデリングする:川瀬「まねる」
    F「ルイジ」と「ソージ」が進める方法;ベースとターゲットの間を「類似のプロフィール」が動く:鈴木「類似と思考」

    第3章 連想、推理、アブダクション

    Gイメージを「連想」でたどる方法;再生の女神イシスが見せる変容力:山下イメージ連想の文化誌
    G「イメージング・サイエンス」の方法;アナロジーにひそむ「くっつく」と「のっとる」に注目する:スタフォード「ヴィジュアル・アナロジー
    H①「探偵が推理する」という方法;チャールズ・パースふうの「二十の扉」がすばらしい:シービオク「シャーロック・ホームズの記号論」
    H②「アブダクション」という魅惑の方法(全容);イコン・インデックス・シンボルが「見立ての論理」をつくる:パース「パース著作集全三冊」
    H③「アブダクション」という魅惑の方法(各論);発見も創造 もアナロジカル・シンキングの中にある:米盛「アブダクション」
    H潜在するアナロジーに気がつく方法;最重要な編集モードは「準同型」と「擬同型」にある:ホランド、ホリオーク、ニスベット、サガート「インダクション」

    第4章 ハイパーテキストと編集工学

    I①「世界読書」のための方法:伏せては開けるメタフォリカル・リーディング:ブルーメンベルク「世界の読解可能性」
    I②六万冊の「本」を棚に入れる方法;「オストラネーニエ」と「編集八段錦」による異化融合:バーク「知識の社会史」
    J①「ハイパーテキスト」を編集する方法;ヴィーコ、パース、バルト、フーコー、ネルソン、編集工学:ボルダー「ライティングスペース」
    J②「松岡正剛」を解読する方法;ライプニッツ、ベルクソン、西田、多田、木村敏、松岡正剛:米山「情報学の基礎」
    J③「デジタルテキスト」を自在にする方法;二つのG(グーテンベルクとグーグル)とつなぐ新たな編集文献学:バーナード、オキーフ、アンスワース「人文学と電子編集」
    K①「編集工学」を思想史に汲み上げる方法;マンマシン・システムとしての情報編集世界観:室井「情報宇宙論」
    K②「想像力の触発連鎖」をおこす方法;「比喩」「ごっこ」「対発想」がイメージ編集力を刺激する:イーガン「想像力を触発する教育」

  • <目次>
    第1章  意味と情報は感染する
    第2章  類似を求めて
    第3章  連想、推理、アブダクション
    第4章  ハイパーテキストと編集工学

    <内容>
    松岡正剛の「千夜千冊」を再編集したシリーズ。残っているのが難しそうなものばかりで、その中で「いけるかな?」と思ったが、難しかった。この巻は、松岡氏の「編集工学」の根幹にあたる部分らしく、また「編集」の意味を理解するのに大切な部分だとは理解できた。心理学もITもみんな編集の中に収まるのだと。自分の頭では、うっすらながら「編集工学」の輪郭だけがわかった感じ…。

  • 圧巻につきる。まさに松岡翁の王道をいく。しばらくはこの余韻に浸りたい。

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著者プロフィール

1944年、京都生まれ。70年代に雑誌『遊』編集長として名を馳せ、80年代に「編集工学」を提唱し、編集工学研究所を創立。その後、日本文化、芸術、生命科学、システム工学など他方目におよぶ研究を情報文化技術に応用しメディアやイベントを多数プロデュース。2000年よりインターネット上で「千夜千冊」を連載。日本を代表する「読書の達人」としてブックウェア事業を拡大。編集的な選書と読書空間の企画演出はつねに話題を呼んだ。主な著書に『知の編集工学』『多読術』『日本という方法』『千夜千冊エディション』(全30巻)『日本文化の核心』『別日本で、いい』(共著)ほか。

「2025年 『百書繚乱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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