千夜千冊エディション 観念と革命 西の世界観II (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 53
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044005320

作品紹介・あらすじ

観念・革命、生・存在、そして不条理......。マルクスとハイネ、レーニンとトロツキー、フッサールとハイデガー、サルトルとカミュを対比的に展示。近現代の西洋の基本概念を作った哲学者たちのエスプリに迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 動乱の意想メフィストフェレスめく

  • 「神と理性」に引き続き。
    前半は兎も角、ドイツ。
    冒頭はゲーテ。遠い昔の高校時代に「若きウェルテルの悩み」は読んだ。ドイツ歌曲やゲーテの詩の引用や箴言を見ることはあるけど、詩人のゲーテしか知らなかったんだな。
    (引用)
    (「ファウスト」は)ファウストがメフィストフェレスに魂を売ったという話ではない。壮大な生命観の賛歌をめざした話である。(略)メフィストフェレスは悪魔というより、つねに「悪を欲することによってかえって善をなしている人格」なのである。

    そして、ここに少女への憧憬が絡んでくる。ロリコンとは違うものとある。
    ベルリオーズの幻想交響曲みたいなもんだと思ってたので、意外。
    ゲーテはドイツの知の巨人であったことも本書の中で示される。

    ヘーゲルについて、セイゴウさんは重要概念「絶対知」が表現できていないと指摘する。
    浅はかな感想を云えば、弁証法なんて出鱈目な論理で普遍に至るという考えが理解できない。その先の規定された特殊、統一としての個別なんて更に無理過ぎ。
    61歳で死去。法哲学の先に「絶対知」は目指せたのだろうか。

    ショーペンハウアー、ニーチェ、フッサール、ベルクソン、ハイデガー、サルトル。
    セイゴウさんの切り分け方が素晴らしい。
    ショーペンハウアーは何となく近寄り難く思ってたけど、「ミットライト・ペシミズム」(共苦)として説かれる悲観の凄さ。成程なあ。
    現象学はやっぱり判らないが、発想の原点は得心できた。
    ベルクソン、ハイデガーが存在や意識をギリギリと問い詰めていく手法についての筆の冴え。

    綺羅星の書評とこの編集が大きな精神史となっていることにも感銘した。

  • そうだった.松岡正剛さんによる,コミュニズムとアナーキズムについての解説は,すごく分かりやすいのだった.この本は,もちろん,それだけではないけれど.

  • 圧巻の一言。これを読まずに西洋を語ることができないくらいのすごさ。

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著者プロフィール

編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。80年代に情報文化と情報技術をつなぐ方法論を体系化し「編集工学」を確立し様々なプロジェクトに応用。2000年「千夜千冊」の連載を開始。同年、eラーニングの先駆けともなる「イシス編集学校」を創立。近年はBOOKWAREという考えのもと膨大な知識情報を相互編集する知の実験的空間を手掛ける。また日本文化研究の第一人者として「日本という方法」を提唱し独自の日本論を展開。著書に『知の編集工学』『擬』『世界と日本の見方』『国家と「私」の行方』ほか。

「2021年 『千夜千冊エディション 資本主義問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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