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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784044005504
作品紹介・あらすじ
あなたにも、思い出す人がいるでしょうか――。
学者で漫才師(米粒写経)のサンキュータツオによる、初めての随筆集。著者本人の人生をたどり、幼少時から今までの「別れ」をテーマに綴った傑作選。キュレーションを務める「渋谷らくご」でお世話になった喜多八、左談次の闘病と最期、小学生の頃に亡くなった父との思い出、そして京都アニメーションの事件で生きる気力を失ったサンキュータツオ自身の絶望と再生……。自分の心の奥に深く踏み込み、向き合い、そのときどう感じたのか、今何を思うのかを率直に描き出す。これまで「学問×エンタメ」を書いてきた著者の新境地!
【内容例】
「これやこの」…渋谷らくごを引っ張ってくれた喜多八、左談次二人の師匠
「幕を上げる背中」…米粒写経として駆け出しの頃を支えたライブスタッフ
「黒い店」…上野御徒町の古本屋「上野文庫」の店主と大学生だった自分
「バラバラ」…「早稲田文学」で出会った作家・向井豊昭さん
「時計の針」…大人になった今思い出す、中学校教師の話
「明治の男と大正の女」…祖父母にしかわからない二人の話
「空を見ていた」…仲良しだったいとこが残した一枚の写真
「鈍色の夏」…2019年夏、生きる気力を失った自分を助けてくれたもの ほか
感想・レビュー・書評
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帯によると幼少時代から現在までの「別れ」を綴る17篇。表題作『これやこの』は「渋谷らくご」の在りし日々。落語を知らない私にも想いや熱が迫ってくる。淡々と語る死。『鶴とオルガン』『空を見ていた』『シーチキン球場』も印象的。
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サンキュータツオさんが漫才師であることから、もっと軽いのりのエッセイ本かと思っていたら、意外な内容だった。
縁あって「渋谷らくご」を企画することになったタツオさん。
柳家喜多八師匠、立川左談次師匠が体調を崩しながらも、最後まで渋谷らくごの席を務めたことを綴ってくれる。お二人とも、高座がない日は寝たきりであっても高座では客席を笑いで沸かせる達人だ。
高座に立つことが生きがいであったことが行間からにじみ出て、胸を熱くする。そんな時間を演出したタツオさんはすごいと思う。
落語を聞きに行ったことがある人には情景が目に浮かぶだろうし、演目を熟知した人には、その組み合わせでも楽しめるだろう。
後半は、タツオさんの身の回りの人との別れが短編として綴られている。距離を取りながらもその別れを受け入れているタツオさんがいた。 -
タイトルにもなっている「これやこの」は著者の想い入れが強くて引いてしまった。しかしその後の作品はどれもが素晴らしく、何度か目頭が熱くなってしまった。この人の小説を読んでみたいと思う。
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サンキュータツオといえば東京ポッド許可局で
マキタスポーツとプチ鹿島に
「タツオはお父さん早くに無くしてるから」といじられると
会場が大爆笑というボケの時に
自分も笑っているんだけど
人の死をこんなにも笑いにできるんだと思う反面
笑っていいのだろうかと心の片隅にざわざわしたものがあった
(自虐とはまた違う)
ただこの本を読んで
タツオさんが再三言ってきた
人の死を普通のことにする
生きていく人たちが特別なことにしないで受け止めていくという
これだけ人の死について考えてきた人だから
あの笑いなんだなと勝手に思ってしまった
これやこの 会うかもしれないし会わないかもしれない
あったならかかわって朱に交わろうという
距離感が心地いいし、難しい -
自慢じゃないけど東京ポッド許可局を第一回から聞いている私なので、なれなれしくタツオくんと呼ばせてもらっちゃおう。タツオくんが出会ってきた様々な人々との日々と別れを描いた『忘れ得ぬ人々』集。最初の柳家喜多八・立川左談次との話が一番長い。落語家として彼らのすばらしさと、そんな彼らと粋なつきあいをした思い出深い日々を格調高く描いている。どの人も魅力的なんだが、そんな彼らに愛されている自分に少し酔っている感じがしてかわいい。と書くと怒られそうな気がする。読み終わって、一緒に素敵な人々と自分もおつきあいができたような、素敵な読後感。
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よく言われることだが、残された人たちの記憶の中に故人は生き続ける。この本には、記憶するだけではなく語らなければ、という著者の気持ちがあふれている。
落語家、柳家喜多八と立川左談次から京都アニメーションまで。何度も涙が滲み出た。 -
出会い、亡くなった方への思いを綴ったエッセイ。柳家喜多八師匠、立川左談次師匠への思いには泣けた。「名作や名演は、それを作った人が亡くなってしまっても、その作品と心は世の人々の間で生き続ける」とあるが、そのとおりだと思った。
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随筆集ってどんな感じなんだろうと思いながら読み始めた。こんなに人の記憶を読むのが興味深いとは思わなかった。こんなふうに豊かな人たちとつながりながら、すれ違いながら生きていきたいと思った
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お笑い芸人さんの本だから、かるーい感じの楽しい本なのかなと偏見を持っていました。
が、全然違いました。人の死を扱った話が多く、考えさせられます。
うん。これは再読すべき本ですね。
かるーく考えていたら、ジワジワと効いてくる本です。 -
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憶測や想像をいれず、ドラマティックにもせず、ただ横たわる事実としての身近な死が綴られていた。
タツオさんは過去にこんなことがあったんだとかは思わず、ただだたどれもタツオさんらしいなと思った。
ドラマも関わりの濃度も関係なく、思い出すときは少ないかも知れないが、やっぱりその人のこと忘れられないよなぁと思った。タツオさんのような人もそうなんだと知って、なんだかホッとした。 -
作者の周りの死をめぐる事がらを優しい目線でたんたんと書いてある。
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喜多八師匠のことを読みたくて図書館で借りてみたのだけど、どの人のこともとても魅力的に描かれているし文面からも優しさにあふれていて読んでいてなんというか抱きしめたくなる本である。
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某ポッドキャストでおススメされていて気になったので読んでみました。著者の知り合いが亡くなる話し。人の死が淡々と、そして変に感情移入する事なく語られているので、読んでいてネガティブではなく、むしろ清々しい気持ちになった。名随筆。
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「これやこの」の随筆からは、柳家喜多八、立川左談次 両名への思いが溢れていた。読んではもらえない、家で書きためたラブレターのような。
別れは、自分との距離感、自分自身の状態によって感じるものが違うとは思う。ただ、別れと出会った人は、その先に進んでしまう。随筆の中でも「シーチキン球場」や「須田幸太」からは、次への踏み込みを感じた。 -
泣いた。
やわらかい優しい文章でした。
なんだかわからないけど泣けた。
とてもいい本だ。 -
これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関
別れ、別れゆく時はこんな気持ちになるだろうか。
ゆっくりと時が流れた。
また読むのだろう。 -
(積んどいたら長女が先に読んでおもしろかったと言っていた)
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別れを淡々とした筆致で書かれており、人への想いが細やかだなと思いました。少し距離を置いて関係を築かれる方なのですね。亡くなられた方との繋がりを感じました。テレビのイメージと違ってました。
著者プロフィール
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