これやこの サンキュータツオ随筆集

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044005504

作品紹介・あらすじ

サンキュータツオ初めての随筆集。もちろん寂しい、もちろん哀しい、でもそれだけじゃない。 幼少時代から現代までの「別れ」を綴る17篇。

【目次】
これやこの
月曜15時
ツインの老人
黒い店
スエコおばさん
幕を上げる背中
バラバラ
鶴とオルガン
八朔
拝啓ジョディフォスターさま
時計の針
蠅の足音
明治の男と大正の女
みやばやし
空を見ていた
シーチキン球場
鈍色の夏

感想・レビュー・書評

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  • サンキュータツオといえば東京ポッド許可局で
    マキタスポーツとプチ鹿島に
    「タツオはお父さん早くに無くしてるから」といじられると
    会場が大爆笑というボケの時に
    自分も笑っているんだけど

    人の死をこんなにも笑いにできるんだと思う反面
    笑っていいのだろうかと心の片隅にざわざわしたものがあった
    (自虐とはまた違う)

    ただこの本を読んで
    タツオさんが再三言ってきた
    人の死を普通のことにする
    生きていく人たちが特別なことにしないで受け止めていくという

    これだけ人の死について考えてきた人だから
    あの笑いなんだなと勝手に思ってしまった

    これやこの 会うかもしれないし会わないかもしれない
    あったならかかわって朱に交わろうという
    距離感が心地いいし、難しい

  • サンキュータツオさんが漫才師であることから、もっと軽いのりのエッセイ本かと思っていたら、意外な内容だった。
    縁あって「渋谷らくご」を企画することになったタツオさん。
    柳家喜多八師匠、立川左談次師匠が体調を崩しながらも、最後まで渋谷らくごの席を務めたことを綴ってくれる。お二人とも、高座がない日は寝たきりであっても高座では客席を笑いで沸かせる達人だ。
    高座に立つことが生きがいであったことが行間からにじみ出て、胸を熱くする。そんな時間を演出したタツオさんはすごいと思う。
    落語を聞きに行ったことがある人には情景が目に浮かぶだろうし、演目を熟知した人には、その組み合わせでも楽しめるだろう。

    後半は、タツオさんの身の回りの人との別れが短編として綴られている。距離を取りながらもその別れを受け入れているタツオさんがいた。

  • タイトルにもなっている「これやこの」は著者の想い入れが強くて引いてしまった。しかしその後の作品はどれもが素晴らしく、何度か目頭が熱くなってしまった。この人の小説を読んでみたいと思う。

  • 素晴らしかった
    各々との別れが書かれており、切なくなった。
    ただ、途中から「この人が死ぬのかな?」と、推理小説の被害者探しみたくなってそわそわもした。

    「父親がいないことをなんとも思っていなかった。(中略)コンプレックスでも、アイデンティティでもなかった」

    私は中学に上がるまで母子家庭だったので、この部分に激しく共感し、心に沁みた。

  • よく言われることだが、残された人たちの記憶の中に故人は生き続ける。この本には、記憶するだけではなく語らなければ、という著者の気持ちがあふれている。
    落語家、柳家喜多八と立川左談次から京都アニメーションまで。何度も涙が滲み出た。

  • 出会い、亡くなった方への思いを綴ったエッセイ。柳家喜多八師匠、立川左談次師匠への思いには泣けた。「名作や名演は、それを作った人が亡くなってしまっても、その作品と心は世の人々の間で生き続ける」とあるが、そのとおりだと思った。

  • 随筆集ってどんな感じなんだろうと思いながら読み始めた。こんなに人の記憶を読むのが興味深いとは思わなかった。こんなふうに豊かな人たちとつながりながら、すれ違いながら生きていきたいと思った

  • お笑い芸人さんの本だから、かるーい感じの楽しい本なのかなと偏見を持っていました。
    が、全然違いました。人の死を扱った話が多く、考えさせられます。
    うん。これは再読すべき本ですね。
    かるーく考えていたら、ジワジワと効いてくる本です。

  • 憶測や想像をいれず、ドラマティックにもせず、ただ横たわる事実としての身近な死が綴られていた。
    タツオさんは過去にこんなことがあったんだとかは思わず、ただだたどれもタツオさんらしいなと思った。
    ドラマも関わりの濃度も関係なく、思い出すときは少ないかも知れないが、やっぱりその人のこと忘れられないよなぁと思った。タツオさんのような人もそうなんだと知って、なんだかホッとした。

  • 作者の周りの死をめぐる事がらを優しい目線でたんたんと書いてある。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。漫才師「米粒写経」として活躍する一方、一橋大学・早稲田大学・成城大学で非常勤講師もつとめる。早稲田大学第一文学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程修了。文学修士。日本初の学者芸人。ラジオのレギュラー出演のほか、雑誌連載も多数。主な著書に『これやこの サンキュータツオ随筆集』『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』『ヘンな論文』『もっとヘンな論文』(以上、KADOKAWA)など。

「2021年 『まちカドかがく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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