日本人のための第一次世界大戦史 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 87
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044005795

作品紹介・あらすじ

日本人はこの戦争の重要性を知らなさすぎる――。欧米では”The Great War” と称される第一次世界大戦。その実態を紐解くと、覇権国と新興国の鍔迫り合い、急速な技術革新とグローバリゼーションの進展など
、WW1開戦前夜と現代との共通点が驚くほどに見えてくる。旧来の研究の枠を超え、政治・経済・軍事・金融・メディア・テクノロジーなど幅広い観点から、戦争の背景・内実・影響を読み解く、日本人のための入門書。

感想・レビュー・書評

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  •  数年前の第一次世界大戦勃発百年の時期に関連書籍がかなり出るなどしたものの、なかなか全体像を理解することは難しかったが、本書はそのような思いに応えてくれる一冊である。

     一話読み切りのスタイルで全73話から成っているが、
    特に技術関係の記述が具体的で分かりやすく、戦争が一変してしまった背景が良く理解できる。特に、それまでの馬や刀槍、銃の戦争に代わって、軍艦と鉄道、銃器の発展、毒ガスや戦車、航空機の登場など、「20世紀の戦闘システム」が出現に至った経緯が平易に語られていて、あまり詳しくなかった技術関係の進歩について興味深く追いかけることができた。
     
     個々の戦闘について名前は聞いたことはあるくらいだったのだが、これも簡潔な叙述で、戦術的な意義や戦闘経過、その影響等がコンパクトにまとめられている。

     ドイツの敗北で戦争は終結したが、その戦後処理の失敗がワイマール共和国の不安定化を招き、ナチスの登場につながったということは良く知られたことである。ただ、休戦時ドイツ軍は疲弊の極みにあったのに、自国の領土を少しも失っていなかったということが、ドイツ国民が敗北を心底からは受け入れられなかったことに繋がった訳で、その辺りについても、本書は目配り良く気づかせてくれる。

     また、第一次大戦では日本軍の山東出兵の史実は知っていたが、地中海遠征のことなどは知らなかった。日本が主要当事者で悲惨な結果に終わった第二次大戦とは異なり、ことほど左様に第一次世界大戦全体を俯瞰することは難しい。

     本書は入門書ではあるが、政治・経済・軍事・金融・メディア・テクノロジーなどの幅広い観点から、戦争の背景・内実・影響を読み解いた(本書カバー紹介文より)、歴史に興味ある者には是非お勧めしたい一書である。

  • 頭に入りやすい、読みやすい。俗説を覆す論証も。

  • 209-S
    文庫(文学以外)

  • コテンラジオをきっかけに手に取る

  • 我々日本人にとって戦争と言えば第二次世界大戦のことを言うに等しいが、ヨーロッパでは第一次世界大戦の方がポピュラーだというのは初めて知った。戦前戦後の話もまとめて、よくぞ文庫本にまとめていただいた。

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著者プロフィール

1955年、兵庫県西宮市生まれ。作家・コラムニスト。関西学院大学経済学部卒業後、石川島播磨重工業入社。その後、日興証券に入社し、ニューヨーク駐在員・国内外の大手証券会社幹部を経て、2006年にヘッジファンドを設立。著書に『日露戦争、資金調達の戦い 高橋是清と欧米バンカーたち』『金融の世界史 バブルと戦争と株式市場』(ともに新潮選書)。

「2020年 『日本人のための第一次世界大戦史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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