恋する民俗学者2 田山花袋編

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044005962

作品紹介・あらすじ

國男の詩や生き様に魅せられながら、文学を辞めた國男の恋を小説に書こうと苦闘する花袋。文壇で評価されつつも満たされず、かつての仲間が社会を生きる中、日露戦争に従軍する――。名作「蒲団」誕生までの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 漱石や芥川などと比べれば知名度が高いとは言えない田山花袋に焦点を当て、柳田國男と絡ませる漫画なんて色んな意味で凄い、と思い手に取りました。
    結論から言えば目の付け所は良かったけれど表現しきれていないのでは、という感想になってしまいます。
    何だかイメージビデオを見せられているような、強めの曇り硝子一枚隔ててぼんやり眺めているような印象で、面白いとか心を動かされるという作品には感じられませんでした。
    共感を拒むような登場人物たちに加え歴史と文壇の流れを一通り把握していないと理解が難しいであろう物語で説明はほとんど削ぎ落されているため、こういうのが好きな人にははまるかもしれませんがこれを商業誌で2年も連載して単行本まで出すっていうのは正直に言えば驚愕です。

    「その時代の若者に、その刹那しか感じ取れない何か」、それを私も感じてみたかったけれど、原作者も「わかり兼ねる」と言い、私にも「わかり兼ね」た結果、このようなぼんやりとした読後感になってしまったのかなと思いました。それもこの作品の味なのかもしれませんが。

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか・えいじ):大塚英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。

「2023年 『「14歳」少女の構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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