違星北斗歌集 アイヌと云ふ新しくよい概念を (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044006259

作品紹介・あらすじ

「アイヌと云ふ新しくよい概念を内地の人に与へたく思ふ」
「滅亡に瀕するアイヌ民族にせめては生きよ俺の此の歌」
「滅び行くアイヌの為に起つアイヌ違星北斗の瞳輝く」

先住民族アイヌが公然と「亡びゆく民族」の烙印を押され、本来は「誇り高き人間」「立派な人」という意味を持つ「アイヌ」という言葉が侮蔑の響きをもって使われていた大正時代から昭和のはじめ。アイヌ民族復興のために立ち上がりその生涯を捧げ、病のため27歳で早世した歌人がいた。文庫ではじめて違星北斗の短歌、俳句、詩、童話、散文、ノートの記録を集める決定版。

【目次】
違星青年 金田一京助

短歌
医文学/小樽新聞/新短歌時代/北海道人/志づく/私の短歌/はまなすの花/ウタリ之友

日記
大正十五年七月十一日から絶筆

俳句
句誌にひはり/医文学/俳句/北海道 樺太新季題句集/月刊郷土誌よいち


冷たき北斗/大空

童話・昔話
熊の話/半分白く半分黒いおばけ/世界の創造とねずみ/死んでからの魂の生活/烏と翁/熊と熊取の話

散文・ノート
ウタリ・クスの先覚者中里徳太郎氏を偲びて/ぶちのめされた民族が/アイヌの一青年から/春の若草/我が家名/淋しい元気/淋しい元気/コクワ取り/アイヌの誇り/疑うべきフゴッペの遺跡 奇怪な謎

手紙
自働道話/子供の道話

コタン創刊号
目次/巻頭言 白路 凸天生/アイヌ神謡集序文コタン 知里幸恵/偽らぬ心 凸天/生活 自覚への一路 浦川太郎吉/「アイヌの姿」 北斗星/心の日記(後藤静香)/断想録(其ノ五) 十一州浪人/コタン吟(其ノ二) 十一州浪人/はまなし凉し/編輯余録/奥付

解題・語注
違星北斗年譜
解説 違星北斗その思想の変化  山科清春

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  • アイヌと云ふ新しくよい概念を内地の人に与へたく思ふ
      違星【いぼし】北斗

     現代のアイヌ文学研究で、短歌が評価されている違星北斗。20代で早世し、作品は「違星北斗遺稿 コタン」(草風館)などに収められていた。このたび、その遺稿をもとに、短歌や日記、童話、手紙などがジャンル別に編集された文庫本が刊行された。若い人々にも読みやすい文庫化は、本当に喜ばしい。

     1901年(明治34年)、後志管内余市町生まれ。戸籍上は02年生まれとなっているそうだが、大正・昭和初期の口語短歌隆盛期と重なったことで、表現の幅が広がった。

     病みがちな身体で出稼ぎなどをしたあと、事務員として東京で就職したことが転機となった。東京アイヌ学会で講演し、研究者や出版人たちと交友を深めるうちに、アイヌ民族のために生涯を捧げることを決意。

     北海道に戻った年の日記に、今後の希望などを列挙した部分がある。「札幌に勤労中学校」を建てたいという希望も書かれ、教育の重要さを痛感したこともうかがえる。

     ・コタンからコタンを巡るも楽しけれ絵の旅 詩の旅 伝説の旅

     年譜を読むと、恩師や研究者、短歌選者らとの要所要所での出会いが次の一歩につながったことがわかる。行商で旅も多かったが、人と人との出会いの「旅」が、成長の糧【かて】となったのだろう。

     さまざまな可能性、明日への思いを秘めつつも、肺を病み、29年(昭和4年)に没。私たちに大切な「概念」を与えてくれる歌集である。
    (2021年8月29日掲載)

  • アイヌと云う、新しくよい概念を見出し、アイヌの民族としての復興をめざした人。違星北斗にとっては、日本人自体がすでに多様性をもっており、その一員として、民族としてのアイデンティティを確立しようとした。

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著者プロフィール

1901年12月31日、北海道余市町生まれ(戸籍上は02年1月1日生まれ)。尋常小学校を卒業した後、家業の漁業に従事。21歳ごろから俳句をはじめ、25年、東京府市場協会の事務員として勤務。このころより短歌をはじめる。26年北海道に戻り、アイヌ同胞との対話や創作・執筆などの活動を通してアイヌ民族復興に生涯を捧げた。29年1月26日没。

「2021年 『違星北斗歌集 アイヌと云ふ新しくよい概念を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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