日本の方言 (角川ソフィア文庫)

著者 :
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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044006396

作品紹介・あらすじ

 序──方言とは何か

1 自 然

 かみなり(雷)
 いなずま(稲妻)
 つゆ(梅雨)
 つらら(氷柱)
 つむじかぜ(旋風)
 しあさっては何日目?

2 食物・料理・味

 さといも(里芋)
 じゃがいも(馬鈴薯)
 もみがら(籾殻)とぬか(糠)
 すりばち(擂鉢)とすりこぎ(擂粉木)
 「甘い」と「塩味が薄い」

3 人間・生活

 ほお(頬)
 ものもらい(麦粒腫)
 あざ(痣)とほくろ(黒子)
 つば(唾)とよだれ(涎)
 ゆび(指)
 かかと(踵)
 おんな(女性)
 あほ・ばかの方言
 酒とことば

4 動植物

 かたつむり(蝸牛)
 とんぼ(蜻蛉)
 カマキリとトカゲ
 カエル(蛙)
 とさか(鶏冠)
 うし(牛)
 牛の鳴き声・雀の鳴き声
 ふくろうはなんと鳴くか
 どくだみ
 つくし(土筆)とすぎな(杉菜)

5 遊 戯

 おてだま(お手玉)
 たこ(凧)
 たけうま(竹馬)
 かたあしとび(片足跳び)
 えらび歌

6 文法的特徴

 「雨が降っているから」(接続助詞)
 「今日はいい天気だ」(断定辞)
 「ミカンを皮ごと食べた」(接尾辞)
 「の」と「が」の使い分け
 「能力可能」と「状況可能」
 進行態と完了態
 「ラ抜きことば」と「レ足すことば」

7 方言の現在

 方言衰退の意識
 共通語化することば
 方言と共通語ござ使い分けの時代
 生き残る方言語彙
 各地で生まれる新方言
 現代社会における方言の機能
 教育における方言
 災害と方言
 商品・標語・ポスターにみる方言
 方言で遊ぶ
 教養・文芸・ドラマ
 方言の機能の変化

 参考文献

感想・レビュー・書評

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  • ・佐藤亮一「日本の方言」(角 川文庫)を読んだ。この佐藤氏、私は知らなかつたのだが、例の方言地図の編者の一 人であり、個人的には「日本方言大辞典」の編者の一人であるといふ点でなじみ深い人であつた。なじみ深いと言つたところで、必要があつて稀に見るといふ程度でしかない。それでありながら、いや、それだからこそであらう、編者の一人にこの佐藤氏がゐることに気づいてゐなかつた。そんな人が書いたのだから、本書は本文200頁ちよつとといふ軽い体裁でありながらも、しつかりした内容の 書である。
    ・序には「方言とは何か」といふ副題がついてゐる。その方言とは、「それぞれの地域の人々が話している言語である。」(9頁)ところが「現代では老いも若きも方言と共通語を使い分けて生活してゐる。」(同前)ここで共通語の定義が出てくる。「共通語とは、 地域を越えて広く使われる言語または方言のこと」(同前)とある。最後の「方言のこと」とあるのが意外であつたのは、要するに私が共通語を知らなかつたといふだけのこと、「現代では首都圏方言が共通語として機能しているとも言える。」のださうである。首都 圏方言などと一括りにする必要があるのかどうか。東京方言と言つてしまつても良ささうな気がするのだが、やはり東京方言では印象が限定されてしまふのであらうか。「昔は山の手と下町でかなりの違いがあった。」(同前)しかし、今はほとんど同じになつてゐるらしい。それでも落語等で聞く東京方言は、つまり所謂下町の方言である、私には共通語とは思へない。あれは結局東京方言であつ て、それ以外の何物でもない。それでも方言学の世界では、「首都圏方言が共通語として機能している」といふことになるらしい。ただし、これも微妙は言ひ方で、この後に「とも言える。」とつく。とも言へるといふことは、別に共通語になり得るものがあるといふことであらう。もしかしたらそれが標準語であらうかと思ふ。私はこの2つをたぶん混同してゐる。「共通語と標準語は同じ意味で使われることもあるが、厳密には区別すべき概念である。共通語は(スピーチをするときのような)あらたまった場面や、よその地方の人との会話などで現実に使われている話しことばである。」(10頁)かうなるとますます共通語が東京方言かと思ふ。少なくとも私は東京方言は普通の方言の一つだと思つてゐる。「標準語は、人々が規範として正しいと認識していることば(言語形式)であり、書 きことば的な性格が強い。」(同前)からである。要するに、テレビやラジオのニュースの言葉が標準語なのである。たぶん私は、東京方言は東京方言であるからといふ理由で、共通語=標準語と理解してゐるのである。ここで言ふ首都圏方言がいかなる方言であるの か、この説明がない。東京方言だけでなく、近隣の、神奈川、千葉、埼玉等の(東京に近い)方言もまたここに含まれてゐるのであら うか。首都圏とは「首都圏整備法の定める区域。東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の全域で、東 京駅を中心に半径約150キロの区域とされる。」(デジタル大辞泉)これだけの広い地域で共通に使はれてゐる言葉があるのであらうか。それが首都圏方言なのであらうか。これが分からないと、私はいつまでも共通語=標準語と理解するしかなささうである。丁寧に話さうとすれば、誰でも話し言葉は書き言葉に近づいていく。方言を使ふ時、つまり日常的には丁寧に話してはゐないやうな気がする。本書がしつかりした内容であつても、かういふのが学問的でありすぎる、説明不足であると私は感じる。首都圏方言とは何か教え給へ。

  • <目次>
    第1章  自然
    第2章  食物・料理・味
    第3章  人間・生活
    第4章  動植物
    第5章  遊戯
    第6章  文法的特徴
    第7章  方言の現在

    <内容>
    2015年刊の『滅びゆく日本の方言』の文庫版。さらりと読める。あまり詳しく考察してはいないが、概略的にわかる。京都を中心とした核の部分から、九州・東北へと行くほど、古層が残る。

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著者プロフィール

1937年、東京生まれ。東北大学大学院博士課程単位取得。国立国語研究所名誉所員。フェリス女学院大学名誉教授。方言学、社会言語学を専門とし、『都道府県別 全国方言辞典』(三省堂)、『方言の地図帳』(講談社学術文庫)、『学び直しの日本語 間違っていませんか?その使い方』(出窓社)など、編著書多数。

「2021年 『日本の方言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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