増補 日本古代文学入門 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA (2021年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784044006532

作品紹介・あらすじ

現代の病根は、7、8世紀に萌芽した? 死への恐れ、衰えない肉体へのあこがれ、純愛やスキャンダル、殺人鬼の出現や親子の断絶……現代でも起こる出来事が『古事記』『万葉集』など約1300年前の古代文学に描かれている。国家の動きや権力の移動ではなく、ふつうの人びとが何を考えどう暮らしていたかを読み解く。

みんなの感想まとめ

人間の心情や行動は1300年前の古代文学と現代でそれほど違わないという視点から、著者は『古事記』や『万葉集』などの作品を通じて、当時の人々の生活や感情に迫ります。本書では、異界論や純愛、政治的事件など...

感想・レビュー・書評

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  •  今から1300年ほど昔でも、人間の心情や行動は現代とそれほど違わないのではないかと、古代の文学を読んできた著者は言う。
     本書では、そうした観点から、記紀や風土記、万葉集、日本霊異記等の興味深いと思われる箇所を紹介していく。
     第1章の異界論では、黄泉の国でのイザナキとイザナミのやり取り、不老不死を求めての常世の国訪問、浦島子物語などが紹介される。
     以下、男と女を巡る純愛やスキャンダラスな物語、エロ、グロ的な話、親子の断絶、さらには有間皇子、大津皇子、称徳天皇と道鏡の関係などの政治史的事件を巡る物語等々が紹介される。

     関係箇所の訳文、そして著者の考察が分かりやすく示されているので、興味を持って読み進めることができるし、当時の時代状況や人々の考え方についても有意義な知識を得ることができる。

     なお、本書文庫版では、3.11そしてコロナを受けて、第5章として「揺らぐ列島、疲弊する人びと」が増補され、地震や疫病の発生、当時の困窮する人びとの苦しみなどについても紹介がされている。

  • 古事記、日本書紀のほか続日本紀や日本霊異記などからテーマにあった内容を取り上げて解説してくれています。古代のことなので、事実かどうかを判断できないと著者も書いていますが、著者の見解であることを示しつつ解釈を記載してあります。読者に対して誠実なスタイルだと思いました。また、古代の文化や古代人の生活を理解しようという思いを感じる内容でした。とても良かったと思います。

  • 以前だした『日本古代文学入門』の増補版です。ちょっと斜めから、古代文学を考えてみようとした本です。「異界を旅する」「女と男/男と女」「エロ・グロ・ナンセンス」「スクープされた事件」という4つの章に「揺らぐ列島、疲弊する人びと」という第5章を加えてソフィア文庫に入れてもらいました。まっとうな学者はあまり取りあげないような話もありますし、変な話もあって古代の多彩さ、豊かさがわかっていただけると思います。そして一方で、古代というのは恐ろしい世界でもあるのです(当然なのですが)。

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著者プロフィール

千葉大学名誉教授。1946 年、三重県生まれ。『古事記』を中心に古代文学・伝承文学に新たな読解の可能性をさぐり続けている。共立女子短期大学・千葉大学・立正大学等の教員を歴任し、2017年3月定年退職。著書に『浦島太郎の文学史』『神話と歴史叙述』『口語訳古事記』(第1回角川財団学芸賞受賞)『古事記を読みなおす』(第1回古代歴史文化みやざき賞受賞)『古代研究』『風土記の世界』『コジオタ(古事記学者)ノート』など多数。研究を兼ねた趣味は祭祀見学や遺跡めぐり。当社より『NHK「100分de名著」ブックス 古事記』を2014年8月に刊行。

「2022年 『こころをよむ 『古事記』神話から読む古代人の心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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