アフリカの歴史 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA (2022年5月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784044006914

作品紹介・あらすじ

人類誕生の舞台であり、民族移動や王朝の興亡を経て、他者と共存するおおらかな知恵を蓄えたアフリカ大陸。他方で、象牙海岸、黄金海岸、奴隷海岸といった地名には、西洋の欲望の爪痕が生々しく残されている。世界史のなかにその歩みをどう位置づければよいのか。そして、口頭伝承の発達した無文字社会の歴史をいかに語ることができるのか。現地調査を重ねた文化人類学者が、日本の近代化をも参照して問う、文明論的スケールの通史。

みんなの感想まとめ

アフリカの歴史を多角的に探求するこの作品は、民族的、地理的、植民地支配の観点から、アフリカ大陸の豊かな歴史を解き明かします。複数の民族が交錯する地域における反発と受容の様相を客観的に描写し、現代社会に...

感想・レビュー・書評

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  • アフリカの歴史
    著:川田 順造
    出版社:KADOKAWA
    角川ソフィア文庫 I 417 1

    良書、わかりやすかった

    アフリカ大陸をマルっと扱う点は一緒である。

    まず、サハラ砂漠を南北に分ける

    北部 白人コーカソイド、地中海世界、西アジアの一部、北アフリカ
        言語、アラブ語、アフロ・アジア語族

    南部 黒人ニグロイド、アフリカ、サブサハラ
        言語、バントゥ語族

    次に海岸線、海域で分ける

    環地中海世界
    環インド洋世界
    環大西洋世界
    内陸地帯 ニジェール川の上流など

    歴史については、アラビア語圏では記録があり、ない地域でもアラビア語による記述が残っている

    歴史を4つにわける

    第1期:アフリカ諸文化の基層形成の時代
     黎明の時代:太古~11世紀

    第2期:大規模通商国家および都市の発達と、長距離交易を媒介とするアフリカ大陸内部の広範な文化交流の時代
     初期国家形成の時代 8世紀~16世紀

    第3期:ヨーロッパ勢力の進出とそれに伴うアフリカ社会の変動、様々な地域における政治的統合の時代
     黒人帝国と植民地化の時代 15世紀~19世紀

    第4期:ヨーロッパによる植民地化と、独立後の新しいアフリカへの模索の時代
     植民地の時代 19世紀後半~現在

    アフリカ史を貫く1つの糸がある、それは、アラブとイスラム化である

    第1期:アラブは、地中海世界を制覇しマグリブを形成、イベリア半島へも進出した。ナイルを北上、クシュ、メロエが成立した。
    第2期:アラブの商人は、インド洋にも進出し、アフリカの東海岸に拠点として、スワヒリ文化を築き、サハラと河川をさかのぼって、アフリカ内部にも進出した。要地エジプトをマルムーク朝が押えていて、モンゴル、十字軍を撃退してアラブ世界をまもった。
    第3期:地中海をオスマントルコが押さていることから、ポルトガルはインド航路として、西アフリカ航路を開拓、その後、オランダが、南アフリカの拠点を確保、植民化がはじまった。
    第4期:対宗主国闘争の精神的なささえとなったのは、イスラム精神である。氏族を中心とした社会を形成するイスラム世界はなじみやすいものであった。
     
    気になったのは以下です。

    第1期:国家形成

     ナイル川 エジプト⇒クシュ⇒メロエ 黒人国家として現在のスーダンに成立

    第2期:西進するイスラム

     マグリブを制圧したイスラム商人は内陸へも進出する

     ニジェール川 ガーナ帝国⇒マリ帝国⇒ソンガイ、カネム、ハウザ チャド湖へのびる流域

     スワヒリ文化 サハラを超えるラクダのキャラバンをサーヘルというのに対して、アラビア半島から船をつかって、往来することを、スワーヒルという。その拠点が、ザンジバル・タンガニーカ一帯に繁栄したもの

    第3期:奴隷貿易がさかんになったのは、金や、香辛料の価格が、アメリカ大陸などとの貿易が進んだところから下落した。そのため、貿易を維持するために、奴隷の需要が盛んになった。

    第3期:南アフリカのボーア戦争。蘭英の貿易戦争の結果である。先に南アの拠点を押さえたのはオランダ人であったが、その後、7つの海を制覇した、英がその拠点を奪還したため。
    欧州は拠点として押さえに行くのに対し、イスラムは、地域をまるっと押さえに行くのがおもろい

    第4期:アフリカの植民地化が進んだのは、オスマントルコの敗北で、地中海世界から、イスラムのプレゼンスが低下したから。第1次世界大戦後、ウィーン会議で列強はアフリカの分割を行い、それが今日まで継承されている

    第4期:アフリカ諸国の独立とは、部族国家としてなのか、民主国家としてなのか。欧米のように、市民革命を経ずして、国家となったことで、民主主義をささえる、市民階級はそだっていなかった。
    それよりもむしろ、氏族社会であって、族長が話しあいで政治を決める方法のほうが、アフリカでは一般的であった。


    目次

    第一章 アフリカの黎明

     無文字社会のメッセージ
     描かれた緑のサハラ
     クシュとアクスム
     アラブと結ぶ海上の道
     バントゥ族の拡散
     サハラ以南の農耕
     仮面と守護霊
     アフリカの金属加工技術
     技術の進歩と停滞

    第二章 初期国家の形成

     サハラを越える交易
     ガーナ帝国の繁栄と滅亡
     スワヒリ文化の形成
     黄金の帝国マリ
     西アフリカ史を育んだ川
     練り土の城壁が守った手工業都市
     ”地域”の文化を超えるもの

    第三章 黒人帝国と植民地化

     ヨーロッパ人の到来
     ソンガイ帝国の崩壊とハウサ商人の活躍
     東アフリカ大湖地方の王国
     南アフリカへの入植
     狩り出される黒い肌
     マダガスカルの王国
     王権を生まないイボ社会
     西洋世界の衝撃がもたらしたもの

    第四章 新たなアフリカを求めて

     列強の侵攻と抵抗
     ”ヨーロッパの大陸”へ
     「黒人であること」の自覚と連帯
     アフリカという地域から世界史へ 

    あとがき
    文献案内

    ISBN:9784044006914
    判型:文庫
    ページ数:240ページ
    定価:960円(本体)
    2022年05月25日 初版発行

  • アフリカの歴史を民族的・地理的・植民地支配等の歴史的背景から多角的になぞったアフリカ入門書。
    複数民族の支配を受けてきた地域における反発と受容の在り方など客観的に興味深く、アフリカに限らず今後の世界に求められる多様性への理解といったメッセージを受け取りました。

  • kindle unlimitedにあり、世界史関連で最近は中央アジアやインドに関する歴史書を読んでいたため、アフリカに関しても読んでみようと思い、読了した書籍である。
    正直、日本から遠く離れた国々であり、スポーツくらいの知識しかない状態だったが、アフリカ全体の気候や西洋、中央アジア、インド東南アジアとの関わりについて、基本的な流れの説明があり、大変読みやすかった。また、インド史の書籍を読んだ時にも感じたが、元々の大陸が広く、民族の移動やそれに伴う王朝の変異など、複雑なところは複雑な状態で、なかなか覚えるまでにはならなかった。
    また、西洋支配に関しては、奴隷貿易しかり、植民地争奪戦もしかり、西洋の利益優先のえげつなさが大いに見え、その結果、19世紀以降の独立後にも影響してしまっている現状を見ると、なんとも言えない気持ちになってしまう。
    現状、アフリカが抱えている問題を歴史的な経緯を踏まえてみていて、「どないせいっちゅうねん」と思ってしまった。

  • Wikipediaより 主としてアフリカを対象として民俗学的調査を行い、数多くの著作を著している。文化人類学の普及にも努め、クロード・レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』の翻訳でも知られる。

    語りや音楽などによる非文字コミュニケーションの研究において「口頭伝承論」の領域を切り開き[3][10]、ヨーロッパ、西アフリカ、日本の3つの文化を比較考量する「文化の三角測量」を提唱した[10]。

  • 正直前提知識がないので一度読んだだけではきちんと理解できていないと思う。アフリカ大陸を、ひとまとめに解説するというのは、今まで私は読んだことのない視点だったけど、わかりやすくまとめられていた。

  • 佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
    https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC15057655

  • トンブクトゥにながいこと興味を抱いているので、手に取った一冊。「ガーナでは、金は砂のなかにニンジンのように生える」という黄金伝説。マンサ・ムーサは、アラビアからの帰途、建築家アル・サヘリを連れ帰り、トンブクトゥの大モスクを建てさせたと伝えられること。ソンガイ帝国の"アスキア・ムハンマド(在位1493-1528) は、帝国の版図を拡大するとともに、北アフリカと活発に交易し、イスラーム教を保護したため、宗教・交易都市トンブクトゥは、この時代に空前の繁栄を迎えた。" しかしのちに、"北のオスマン帝国、南のポルトガル王国の進出の趨勢のなかで、西アフリカ内陸に黒人アフリカ史上最大の版図を誇ったソンガイ帝国が崩壊した。"といったあたりが興味を惹かれたところ、読んでみたかったところ。

  • 【本学OPACへのリンク☟】

    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/730082

  • アフリカの事知らなかった時は読めなかったけど、今はグイグイ読めて面白い。旅と読書は相性良い。

    川田順造
    1934年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業、パリ第5大学民族学博士。西アフリカの無文字社会を中心に調査を重ね、語りや音楽に着目する口頭伝承論を切り開く。現在、東京外国語大学名誉教授、広島市立大学名誉教授。『曠野から』(筑摩書房)、『無文字社会の歴史』(岩波書店)、『口頭伝承論』(河出書房新社)、『レヴィ= ストロース論集成』(青土社)など著書多数。2021年に文化勲章を受章。

    「逆にヨーロッパ語で文学作品を書けば、地理的な意味では読者の範囲は広がるが、階層的にはアフリカの限られたインテリにはじめから可能性が制限されてしまうし、第一、背景となる文化の異なる言語で表現することにともなう、作者の文化の伝統との断絶の問題が生じる。ナイジェリアのノーベル賞受賞作家であるウォーレ・ショインカのように、英語で書くことの有利さを積極的に主張する作家もある。」

    —『アフリカの歴史 (角川ソフィア文庫)』川田 順造著

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著者プロフィール

(かわだ・じゅんぞう)
1934年生。東京大学教養学部教養学科卒業。現在 東京外国語大学名誉教授・日本常民文化研究所所員。著書『無文字社会の歴史』(岩波現代文庫、2001)『口頭伝承論』I、II(平凡社ライブラリー、2001)ほか。訳書 レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』I、II(中公クラシックス、2003)『ブラジルへの郷愁』(中央公論新社、2010)ほか。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

「2023年 『構造人類学 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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