名著の話 芭蕉も僕も盛っている

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 178
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044007164

作品紹介・あらすじ

NHK「100分de名著」で出会った本から伊集院光が3冊を厳選。名著をよく知る3人と再会し、時間無制限で新たに徹底トークを繰り広げる100分de語りきれない対談、好評第2弾! 松尾芭蕉『おくのほそ道』、デフォー『ペストの記憶』、コッローディ『ピノッキオの冒険』を収録。

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズ、まだまだ続いて欲しい笑

    松尾芭蕉『おくのほそ道』
    古池や蛙飛びこむ水のおと
    夏草や兵どもが夢の跡
    京にいても京なつかしやほととぎす
    閑かさや岩にしみ入る蝉の声
    などなど。
    解説ありきで読む方が面白そうだが、読んだ後に実際の足で旅路に足を運びたくなりそうだ。

    ダニエル・デフォー『ペストの記憶』
    同著者のロビンソン・クルーソーは、名前は知っているが読んだことのない作品であり、いずれ読みたいと思っていたので、その際にはペストの記憶も読みたい。コロナ禍でも怪しい検査キットやサプリメントが売られていたが、ペストでも様々な謳い文句の薬が売られていた。
    本書で伊集院氏は、戦時中は戦前の落語がいくつかなかったことにされ、戦後には戦時中の落語がなかったことにされる。不謹慎であったり、国威発揚的な内容もあるため。〜と引き合いに出しており、共感した。

    コッローディ『ピノッキオの冒険』
    以前、読んだことのある作品だった。
    ディズニー映画とは異なり、人間くさいというか、現実の貧しさや主人公も気まぐれな人間らしい精神の人形であり、特にコオロギをさっさと殺してしまう場面は衝撃だった記憶がある。
    新聞連載の作品なので、途中でピノキオは死んでしまった描写があったが、実は著者の借金分稼ぎ終え、もうこの話も書く必要がなくなったと思い〆ようとしたものの、読者からの要望で続いたという話や、ジェッペット自身が結構問題のありそうな人間であったり、クジラに呑み込まれるのは人形作りなんてやってられなくなった産業革命で会社に取り込まれ、貨物船もクジラに呑み込まれたため食料などに困ることはなく、むしろ以前の貧乏生活よりランクアップしているということで、自由はきかなくなったが食べ物に困らない(稼ぐことは出来る)という比喩である話など、面白かった。

  • 100分de名著 - NHK
    https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/

    「名著の話 芭蕉も僕も盛っている」 伊集院 光[ノンフィクション] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322204000234/

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    2冊目が出るってコトは、1冊目は文庫化されるかな?

  • とても読みやすく、そして面白くて2日で読んじゃいました。「100分de」での伊集院さんが全く読んでないのにあんなに的確な質問できることにビックリ。むしろまっさらだからできる純粋な疑問なのかもしれないけど。私にはできない。
    今回はちゃんと読んでから改めて名著対談ということでしたが、もちろん的確だし、目の付け所がさすがです。
    松尾芭蕉の
    むざんやな 兜の下の きりぎりす
    は印象に残った。
    ピノッキオで和田先生が
    「意思を持ったあやつり人形であるピノッキオは、わたしたち人間を体現しているように思えてならない」という言葉が印象的でした。

  •  前作が面白かったので、続編も読んだ。
     伊集院光さんと俳人の長谷川櫂さんによる、松尾芭蕉の句の解釈鑑賞は、学生時代に学んだはずの記憶とは全く違い(忘れているだけかもしれないが)、こんなに広い世界を持っていたのか!と心を揺さぶられた。
     『ピノッキオの冒険』は、ディズニー映画しか知らない私にとって新鮮であった。
    ひねくれ者としては、ぜひ読んでみたいと思った。
     円楽さんへの想いが込められている、あとがきは温かな心にさせてくれた。

  • ちょうど芭蕉を授業中。でも教科書に載るぶんしか読んでなかったことに気づきました。
    ピノッキオの冒険、ペストの記憶、読んでみたいです。

  • 名著の話第二弾。
    番組のファンなのでつい購入してしまう。
    伊集院さんがおくのほそ道をこんなにお好きとは知らなかった。
    最後のあとがきが素晴らしかった。
    こんな偶然がと思ったけど、
    おくのほそ道同様盛ってるかも。
    その現実とフィクションのあいまいさが面白い。

  • シリーズ前著もすごく面白かったので、今回もほくほくと読み始めた。『奥の細道』『ペストの記憶』『ピノッキオの冒険』が扱われている。まず選ばれた作品に対して、それが来るの?と思った。『ペストの記憶』はまあ、世相というものがあって、選ばれても納得。でも、後の二冊は?

    『奥の細道』は、諄々と語りをつなぐようでいて、ここぞというところに短詩型で、ぐっとフォーカスして切り取った、心動いたものを提示する。それは、タレントとしての伊集院さんの達者な語りの中に、ここを聞かせたい!(あるいは効かせたい!)と思ったところを、ぐっとパッショネイトな『盛った』表現をするのと似ているのかもしれない。『あとがき』に、芭蕉の句碑の前で、故・円楽師匠のために号泣なさったとあるから、楽しい普段の語り口とは別に、伊集院さんの中にある、閑とした心境、深い静けさというか…情の熱さと賢明さの交差する部分にも響いたのだろう。

    『ピノッキオの冒険』については、読まずにおとなになり、ディズニー映画も好きでなく来た私であるので、本当に何も知らず、この本で概要を知ったていたらくである。対照される『クオレ 愛の学校』も同様に読んでいない。こちらは、なんとなくタイトルが虫が好かなかった。子供時代から、ひねくれたガキンチョであったのだ。手元にあったのに、読まずにお友達にあげてしまった。

    ただ、鮮明に覚えているのは、灰谷健次郎さんが、ご著書のエッセイ(『島へゆく』か『島で暮らす』のいずれかであったと思う。母の蔵書にあったものを読んだのだが、なんとも記憶が定かでない。)で、『クオレ』を、非常に差別的であり、貧しい悪行の少年とされる人物の、いかにも悪く性根の汚げな描写と、主人公の裕福で曇りない、方正な描写が対照的で、こどもに本当に心を寄せた文学ではない、という趣旨の批判をしていらしたこと。大変舌鋒鋭く、憤懣やるかたないという印象を、初読の時から強く持った。今回この『名著の話』でも、『クオレ』には、なかなか厳しい批評が加えられている。しかし、興味深いことに、指南役の和田忠彦氏は、『クオーレ』の岩波文庫版をも訳しておられるのだ。これは、すごく興味深い指摘ではないか。ふたつの作品の何が、どう違うのか。どこが評価されて両者読みつがれてきたのか。あなたは、知りたいとお思いには、ならないだろうか?

    読書案内の本というのは、とにもかくにも、紹介した本を読む気にさせてなんぼである。高尚である必要もないし、小難しい必要もない。出会ったその本に寄って行って、ためつすがめつ、その率直な結果を、面白く伝えてくれることが一番の使命である。その意味でこのシリーズ、楽しくて楽しくてたまらない。そして出てきた本はことごとく、読みたくなるのだ。自分がえらそうにここで色々書いてるけど、名著を死ぬまでに何冊友だちにできるか。解っていない本がたんとあるのが、こんなに嬉しくなるなんて。いいのかしら。いや、いいのだ。最高のお楽しみが、まだまだ私を待っている。早く次のシリーズが出ないかなあ?

  • 毎回のように、テレビで見ている"100分で名著"の裏話。伊集院さんの素直な謙虚な感想が、すごくわかりやすく読み解いてくれている。
    ぶっちゃけの感想もなかなか。読んでいて楽しかった。

  • 100de名著で取り上げられた本を、伊集院光と紹介者とが対話形式で読み解いていく本。
    本の紹介というよりも、本のこの部分を語り合うと言った方が正しい気がする。
    ラジオでのトークを聞いて読む。
    一番気になっていたキノッピオがやはり好き。
    童話作家としてのしっかりとした下地と風刺作家として見方、突き付け方が、道徳的ではないけれどちょっと立ち止まらせる内容になっている。
    借金を返すために鬱憤を反映させた前半、請われて自分が反映しだした後半。
    善人も悪人もおらず、勧善懲悪でもなく、言い訳も語らせない。そこが好き。

  • ピノッキオの冒険、これは必ず原作を読もうと思いました。比較されてる「クオーレ」も。
    ピノッキオの原作者があんなトンデモ人間だったとは初めて知りました。忠実に再現されてるほうの(笑)ピノッキオの映画も観たいと思います。

    伊集院さんのあとがき、泣きそうになりました。こんなことってあるんですね。

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著者プロフィール

1967年生まれ。84年に三遊亭楽太郎(現・六代目三遊亭円楽)に弟子入りし、落語家・三遊亭楽大として活動。87年ごろから伊集院光としてタレント活動をはじめ、「伊集院光のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)、「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ)といったラジオ番組のパーソナリティをつとめる。2012年よりNHK Eテレ「100分de名著」に出演。『世間とズレちゃうのはしょうがない』(養老孟司との共著、PHP研究所)、『名著の話 僕とカフカのひきこもり』(KADOKAWA)などの著作がある。

「2023年 『名著の話 芭蕉も僕も盛っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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