私たちの想像力は資本主義を超えるか (角川ソフィア文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • KADOKAWA (2023年1月24日発売)
3.43
  • (1)
  • (6)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 168
感想 : 6
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784044007348

作品紹介・あらすじ

なぜ資本主義を終わらせることができないのだろうか?
資本主義なき世界を私たちは“構想”することができるのか!?  それが問われている。

歴史上、「資本主義の危機」は何度も言われてきた。
しかし、資本主義は幾度もその危機を乗り越えてきた。
これは、その想像力が私たちの想像力よりも勝ってしまっているからではないか。
資本主義が終わった後の世界を私たちは“構想”することが出来ていないため、資本主義は続いてしまっているのではないか?
いったい、これまでとは違う世界を私たちは見いだせるのか? 
社会現象を起こした有名作品(フィクション)を手がかりに構想力を鍛えあげる、白熱の講義録!
大澤社会学の最前線。

有名作品を入り口にして、資本主義社会の“その先”を考える。
第一部 対米従属の縛りを破れるか
 取り上げる作品 『シン・ゴジラ』『木村正彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』他

第二部 善悪の枷から自由になれるか
 取り上げる作品 『デスノート』『OUT』『薔薇の名前』他

第三部 資本主義の鎖を引きちぎれるか
 取り上げる作品 『おそ松さん』『バートルビー』他

第四部 この世界を救済できるか
 取り上げる作品 『君の名は。』『この世界の片隅に』『逃げるは恥だが役に立つ』他

※本書は2018年3月に小社より刊行された『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』を改題のうえ、文庫化したものです。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「フィクションによってこそ、経験の本質的な構造、現象の有意味性が際立って表現されることがある」

    ゴジラやウルトラマンの象徴性。
    力道山と戦った木村政彦は、なぜ負けたか。
    あさま山荘事件とDEATH NOTEを善悪の反転から考えてみると。
    おそ松さんとバートルビーとベルーフ。
    君の名は。とこの世界の片隅にと、辺境。

    どれも読んでいて面白く、もっと講義聞きたいなぁと思わされた。
    サブカルチャーを扱ったからというだけではなく、どうして人気が出るのか、そこには私たちのその時の生き方や思想が関係しているのだと思った。

    「普通に考えると、殺人は悪いことであると、みんな理解している。しかし悪いことであればあるほど、それを平気で実行できることが、崇高に見えてくる。みんな実行できないような悪を、平気で行うことが最高の善である」

    先日、人殺しを自慢していた人にそのシーンを詳しく演じてもらうと、破綻してくるという映画の話を聞いた。
    自分の役割が変わったとき、それを語れても演じられない意味と、この引用がなんだか結びついた。

    「みんな玉音放送を聴いて『難しい言葉でよく聴こえなかったけど、戦争が終わったということらしい』と、話し合っている。やれやれ、やっと終わったというようなことを、話しているわけです。そこに突然すずが怒り出す」シーンの違和感。

    それまでのすずから、「最後の一人まで戦うんではなかったのか」という言葉が発せられる、トーンの違いはよく分かる。

    けれど、自分の生死が左右されることが「日常」化していく中で、突如としてトップダウンが覆されることの、言いようのない怒りもなんだか分からなくはないのだ。
    すずは、単に従順な人ではないのだと思う。穏やかに生きるために、我慢の視点をずらして流せる人。
    結末の在り方が人の本質を巻き込むのは、木村政彦の章に近いものを感じた。

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD00468165

  • それ単体では取り扱いにくい概念を、フィクションを通してみるとすごい分かりやすくなる
    フィクションは現実の一部を誇大して表現してるから、本質が見えやすい
    個人的には夜神月のような純粋悪と、「偶有性」についての議論が面白かった

  • 来月講演をお聞きする機会もありそうなので
    読んでないと言うのも如何なものかと手に取る。

    綻びを見せる資本主義。だからといって共産主義を
    呼び起こせではない。
     |マルクスだって、昨今、斎藤幸平さんが
     |人新世の「資本論」でも指摘するように、
     |共産主義の後がある。自然/人間/環境を
     |繋ぐ思想が)

    その次に進むには想像力が足りてないという
    タイトルにも惹かれる。

    想像力だけで解決をすることはないかも知れないけど、
    それは一つの大きな原動力。

    想像できないものは実現できないとは誰のことばだったか。

    題材も個人的にも親しみやすい、サブカル/アニメも取り上げられ
    読み進みやすい。

    まぁサブカル自体、その前衛力で時代を変える/斜めから捉える
    動きだろうし、親和性は高いのだろう。

    タイトルに対する結論は明示されないかも知れないが、
    それは読み手が考え、進めることが狙いなのかも知れない。

    さまざまな思想/表現を斜めに繋ぐ論も好ましい。

    この世に完全に断絶された、孤独な知や表現などない。

    それは坂本龍一さんが思想家と分かり合えたと言うことにも繋がる。

  • ウルトラマンの考察だけ面白かった
    デスノートとカントの繋げ方とか君の名は。の議論はいまいちこじつけ感が強い

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

【著者】大澤 真幸(おおさわ・まさち)
1958年長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。2007年『ナショナリズムの由来』(講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞を受賞。近著に『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『資本主義の〈その先〉へ』(筑摩書房)、『我々の死者と未来の他者』(集英社インターナショナル新書)、『私の先生』(青土社)など。

「2024年 『メディア論集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大澤真幸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×