宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA (2023年2月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784044007379

作品紹介・あらすじ

人類に残された超難問、ABC予想。
その解決をも含むとするIUT(宇宙際タイヒミュラー)理論が2012年、京都大学の望月新一教授によって発表された。
その難解さと斬新さから「未来から来た論文」とも称され、数学界のみならず世界に衝撃をもたらした。
その後、専門誌に受理されたが、混乱はなお続いている。
望月教授と進行を重ねてきた数学者が、理論のエッセンスをわかりやすく紹介。
望月教授の特別寄稿も収録!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

難解な数学の世界をわかりやすく解説する本書は、IUT理論を中心に据え、数学者の仕事やその背景についても触れています。著者は、望月教授の業績を基に理論のエッセンスを解説し、読者に新たな視点を提供します。...

感想・レビュー・書評

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  • IUT理論の導入についてわかりやすく説明されていたと思います。理論だけではなく、数学における仕事の位置付けや論文の発表など、数学者の仕事についても触れられているところは興味深く読みました。
    IUT理論の概略は理解できましたが、そこから深い世界があるということも同時に感じ取れました。実用されている楕円曲線暗号の話にも触れられていましたが、IUT理論もいつか応用されることや何か身近に来るような時代が来るかもしれず、それが今から楽しみにもなりました。

  • 請求記号 413.53/Ka 86

  • ・望月教授のこれまでの業績の積み重ねの上にIUT理論がある。
    ・IUT理論を学ぶには、遠アーベル幾何学、テータ関数を学ぶ必要がある。

    わからなかったこと:
    ・対称性を使った通信とは?そのアイデアはガロワ理論に近い?それは不変量みたいなもの?
    ・テータリンクとは?

  • 革命的な理論を、誰にも分かりやすく伝えようという強い意志が言葉の端々に感じられる。

    元が究極に難しい理論なので、良く分かった!とは決してならず、読後もモヤモヤは残る。

    でも、プロがここまで素人のレベルに降りてきて伝えることは、そんなに簡単な作業ではないはずだ。

    ありがとうと伝えたい。

  • この証明が認められない論点も知りたかった

    望月さんのABC予想の証明を一般向けに書いた本.出だしの部分は望月さんのABC予想証明の経過や,それがいかに革新的であるかが思い入れ満載で綴られている.その次は,ABC予想の問題そのものと,群論とかの簡単な予備的なお話が続き,最後に宇宙際タイヒミューラー理論の片鱗に触れるという構成.

    普通は,本書では舞台に例えられている宇宙というものが違うと証明に使えないというのが私の理解だ.互いに相反する公理を含んだ公理系という認識でいる.それが,十分に複雑で群の対称性が一致していれば,宇宙をまたいで対応付けができるというのが宇宙際タイヒミューラ理論というものだと思った.著者は,多くの前提知識を必要とする話を,それらをすっ飛ばして,例え話で工夫して要点を伝えようとされてるので,十分に理解できかどうかはだいぶ不安ではあるのだが…

    以上の理解の下で,この理論は,ヒルベルトが数学の証明が正しいということを,公理系から導出できることと定義して以来の,数学のルールの変更の提案なのではないかと思った.普通は変数記号が等しいと同じものと見なすけど,それを分岐して分かれた公理系間で同じ性質のものを同じものと見なすというふうに拡張しているのではないかと.現状のルールではなく,ルール変更の提案なので,受け入れられるかどうかが分かれているように思えた.これがその論点かどうかは分からないのだが,学会で論点になっている部分がきっとあるはずなのだけど,そのあたりについても知りたかった.この点で★を一つ差し引く.

    上に書いたような私の理解が正しければ,現状のヒルベルト以降のルールの下では認められるのは難しいという印象をもった.一つは,同一性という一階述語論理の枠組みに対する変更であること.もう一つの基本の集合の公理は カントール→ZF→ZFC と変更があったが論理の部分に手をつけたことはないように思う.二つ目は,同じ対称性だったら同じとみなすとかは,ものの類似性を扱う位相とか距離とかの概念と関連するように思う.私はろくに開集合・閉集合も分かっているとはいえないへっぽこではあるのだが,別枠で考えられているそういう考えを,根本の論理のところで変えるというのも,受け入れるのが難しそうな気がする.

    数学は純粋に数や量の学問というだけでなく,科学のリンガフランカとう側面もある.ヒルベルトのルール変更は,物理から生じた微積分を問題なく扱うという要請が背景の一つにあると思っている.科学の言語として使ったときに,何かこの新しいルールの下での数学に利点があるとか,そういう点を探して,根本ルールの異なるメタ宇宙みたいな感じのものとしてプレゼンテーションした方が,興味をもってくれる人が増えそうな気がした.

  • 望月新一教授がABC予想の証明に用いたIUT理論(宇宙際タイヒミュラー理論)について、一般向けに解説した本。初めに論文発表の経緯や数学界の一般的な話、次にabc理論についての解説、最後にIUT理論についての解説、という構成で書かれている。数学者でも難しいとされる理論であるがゆえに、数学的に高度な話にはあまり立ち入っていないが、望月教授がいかに斬新な理論を構築したかについては十分に伝わる内容となっている。本書の評価すべき点は、筆者が一般のレベルをよく心得ていることである。一般の人にとって何が聞き慣れない言葉で、どこまで理解が追いつけるか、ということに注意しながら書かれているため、読者が置いてけぼりになることなく最後まで読むことができる。

    本書で印象に残ったこと
    - 望月教授の論文は、自身が編集長を務めるジャーナルに受理された。これを問題視する意見もあるが、論文の価値をよく理解してくれるジャーナルに投稿するのは当然で、ましてや普及していない新たな理論の場合は現実的な選択として必然的なことである。
    - ABC予想が証明されれば、他の様々な予想も証明可能である。1985年にデイヴィット・マッサーとジョセフ・オェステルレによって提案され、注目を集めてきた。
    - IUT理論は、現代数学になかった異なる舞台を用意して足し算と掛け算の関係を分離し、舞台間で対称性の群を用いた通信および計算を行い、その通信によって生ずる不定性・ひずみを定量的に評価することで不等式を導く、というものである。

  • ●iut理論
    NHKで放送された内容が興味深かったため読んで見たくなった。望月先生の監修があるというのもよんてみたくなったポイントである。
数学の本とは思えないくらいスラスラ読める内容で、加藤先生がとても丁寧に説明されており、こういう本がわかりやすい本っていうんだなあと実感。
まずは設定から説明。そして背景、数学界について触れ、前提条件をしっかり説明した上でIUT理論の説明に入る。一つの数学の式の証明が書かれたような一冊。読んでいてワクワクだらけであった。「数学とは論理的で、直感的な学問である」衝撃であったが、とてもふに落ちた。B****

  • たしかに難しいんだけど、すごく丁寧に説明してくれています。
    本の内容はIUT理論に関する話。
    これが現在進行形っていうのがまた面白い。
    数学に興味が出たし、著者の他の本も読んでみようと思いました。
    あとがきに書いてあった、「庵野監督によるIUT理論のCG化」がとても気になります。

  • IUT(宇宙際タイヒミュラー)理論の確立に至るまでの流れ、その要素となる考え方、対称性通信やIUT理論のキモが紹介されている。
    普段数学に触れていない読者にもわかりやすいよう、かなりかみ砕いたり例を多用して説明されておりわかりやすい。
    IUT理論の概要やそのすばらしさを中心に触れているため、これによりどのようにABC予想が証明されたのかはあまり触れられていないが、ABC予想の難しさ(たし算とかけ算が密接に絡み合っている点)とその難しさをどう解決するのか、その考え方については触れられている。

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著者プロフィール

かとう・ふみはる 1968年、宮城県生まれ。東京工業大学理学院数学系教授。97年、京都大学大学院理学研究科数学数理解析専攻博士後期課程修了。九州大学大学院助手、京都大学大学院准教授などを経て、2016年より現職。著書に『ガロア 天才数学者の生涯』(角川ソフィア文庫)『物語 数学の歴史―正しさへの挑戦』『数学する精神―正しさの創造、美しさの発見』(以上、中公新書)『数学の想像力―正しさの深層に何があるのか』(筑摩選書)、『宇宙と宇宙をつなぐ数学―IUT理論の衝撃』(KADOKAWA)、
『天に向かって続く数』( 共著、日本評論社)など。

「2021年 『人と数学のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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