先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」 (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA (2023年5月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784044007577

作品紹介・あらすじ

コロンブスが15世紀に持ち帰った中南米原産のトウモロコシや、その後に伝わったジャガイモは、ヨーロッパの人口増加に大きく貢献した。他方、アメリカ大陸へ持ち込まれた疫病は、先住民の急激な人口減少を引き起こす。世界の食卓を豊かにした作物の伝播は、のちに「コロンブスの交換」と呼ばれるが、先住民にとっては略奪や侵略に他ならなかった。南米アンデスをフィールドに農学と人類学を研究する著者が描く、もう一つの世界史。

(本書は、『コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史』(角川選書、2017年刊)を、再構成・加筆・改題のうえ、文庫化したものです。)

みんなの感想まとめ

先住民の視点から描かれる歴史の真実が、読者に新たな気づきをもたらします。コロンブスの「新大陸発見」は、実際には先住民にとっての悲劇の始まりであり、彼らの文化や生活がどのように侵略によって変わってしまっ...

感想・レビュー・書評

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  • 「コロンブス=侵略者」世界基準知らず…「不勉強」が生む過ちとは Mrs. GREEN APPLE炎上で考える:東京新聞 TOKYO Web(2024年6月19日)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/334434

    「コロンブスの不平等交換」とは何だったのか――先住民の視点から、モノ・ヒトの移動を通じて世界史を見直す | レビュー | Book Bang(KADOKAWA 本の旅人 2017年2月号 掲載)
    https://www.bookbang.jp/review/article/527734

    『コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史』(KADOKAWA) - 著者:山本 紀夫 - 池内 紀による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS(2018/10/19)
    https://allreviews.jp/review/2646

    【気になる!】新大陸の作物が欧州に貢献 文庫『先住民から見た世界史』山本紀夫著 - 産経ニュース(2023/6/18)
    https://www.sankei.com/article/20230618-E4BG4J4LPBNMTNAG6OPCCQHCZY/

    『先住民から見た世界史 ―コロンブスの「新大陸発見」』 山本 紀夫 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会(2023-10-25)
    https://latin-america.jp/archives/60116

    【KADOKAWA公式ショップ】コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史: 本|カドカワストア|オリジナル特典,本,関連グッズ,Blu-Ray/DVD/CD
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  • 小学生の頃「コロンブスが新大陸を発見」って記述がどうも気持ち悪くて教員に聞くとそういう事なんだからそうなんだよと。
    「じゃあ、仮に最初の外国人がフランシスコ・ザビエルだと仮定して、【日本発見】はフランシスコ・ザビエルになるんすか?」と聞いたら「日本人が昔から住んでるのに発見っておかしいだろw」と言われた。
    混乱はしつつ、中学や高校でも再度出たかもしれんけどそのままにしてたモヤモヤが結局「主体・客体」って事だよね。

    その先住民側から見た侵略はどう映るのか期待して読んだ。
    確かに面白い。とうもろこしの件はロビンソンクルーソーを思い出したし、やっぱり飢饉には炭水化物のコスパがものをいう。日本ではさつまいもだと思ったけどじゃがいもを主に言ってたから認識のズレがあったけど。

    ただ、もう少し侵略や疫病の具体性の事をやると思って読んだので思ってたのと少し違った。とうもろこし、唐辛子、じゃがいもにそんなにページ割くんだと。

  • #2024年に読んだ本 33冊目
    #5月に読んだ本 4冊目

    主に扱われてるのは
    中南米のインディオとコロンブスの話

    歴史の本なんだけど
    植物学とか農業とか感染症についての
    知識がかなりつく内容だすなぁ…

  •  「コロンブスの交換」という言葉に違和感を持った著者。長く中南米の先住民と暮らしを共にしてきた著者からすると、それは先住民側からの視点を全く欠いた、欧米中心の見方であると考えたから。

     そこで著者は、具体的なモノに焦点を当てて、このコロンブスの交換という問題を検証することとした。
     第一部は、ヨーロッパに与えたものとして、トウモロコシ、トウガラシ、ジャガイモが取り上げられる。トウモロコシやジャガイモはヨーロッパの人口増加に大きく貢献したが、これらは栽培植物として、長い間の中南米先住民の努力の賜物であったことが具体的に示される。

     第二部は、先住民にもたらされた災厄として、まずサトウキビ。これは、ヨーロッパでの砂糖需要の急増を受けて、サトウキビ栽培や砂糖生産がこの地域で行われることになったが、必要な労働力不足を解消するために奴隷貿易が行われ、アフリカから非常に多数の者が奴隷として送り込まれた事態を指す。
     次に、馬と牛。当時、牛の用途は皮を取ることで、当時皮革は鎧やズボン、ロープなど様々な用途を持つ材料で、ヨーロッパ、アメリカで大きな需要があった。これらの家畜を育てるため土地が占有され、インディアンとの衝突や先住民の土地が奪われていった。
     そして、疫病。天然痘やはしか、インフルエンザなどの疫病が抵抗力のない先住民を襲い、このため先住民人口が激減してしまう。ジャレド・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』でも有名になったとおりである。

     ずいぶん昔に習った世界史では、1492年のコロンブスの新大陸発見と習ったような記憶がある。しかし、コロンブスが新大陸に到達したことが、これほどの大きな悲惨を先住民に与えたことに、暗然たる思いである。

  • タイトルを考えた人(出版社の人だろう)には感心した。自分はこの書名に惹かれて読んでみた。歴史は、"記述した側"によるものしか伝わってこないので、先住民の歴史は謎に包まれやすい。その結果、例えば本書で取り上げられるコロンブスの「偉業」ばかりが伝えられ、自分たち日本人にも、世界史の教育などでその事しか理解出来ない。そんな偏った歴史があることを本書は改めて教えてくれた。コロンブスの新大陸「発見」に異を唱えた先住民の子孫たちが、猛烈な抗議運動をしたことも、それを世界に知らしめたことだった。
    著者は農学から人類学へ転向したが、農学の知識は本書前半の、先住民の高度な農耕技術によって生み出された作物の考察に表れている。
    衝撃なのは、「コロンブスの交換」によって何が起こったのか?という問いに、疫病を取り上げていることだ。先住民が消滅させられた原因は様々あるけど、この疫病が最たるものだったというのは、コロナ禍を生きる自分たちに引き付けて考えさせられる。

  • 「コロンブスの発見」を先住民の立場から読み解いた本。
    トウモロコシやトウガラシ、じゃがいもといった作物、持ち込まれた家畜、疫病、奴隷の問題。

    近年コロンブスに対する評価は負の側面が再考され、批判的に見られていたのは知っていたが、より多角的な形で描かれていて考えさせられた。
    豊かになるごとに資源や労働力を奪い合う人間の歴史を目の当たりにすると、文明の発展の代償や暗部を思い知らされる。

    作者は農学が特に強いようで、作物の歴史が特に詳しくページを割かれていた。先住民が育ててきた作物の歴史や毒抜き方法など、確かに貢献は大きく、再評価されるべきだろう。
    逆に疫病に関してはさらりと流されている印象。いくつかこの系列の本を読んで比較してみたい。

  • とうがらしは、現地では"アヒ アヒ"と呼ばれているとか。"ひぃ~ひぃ~"みたいな。

  • 僕らの知ってる世界史が近代西欧型文明を至上としてるのだと痛感し、文字を持たず滅びた新大陸の先住民の歴史に想いを馳せる

    いやー面白かった
    ジャレドダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」と双璧を成すと思う

  • まえがき

    第一部 ヨーロッパに与えたもの
    第一章 トウモロコシ ー コロンブスが持ち帰った穀物
    第二章 トウガラシ ー 世界各地の食文化をになう
    第三章 ジャガイモ ー ヨーロッパの飢えを救う
    コラム1 コロンブスより前に海を渡った栽培植物

    第二部 先住民にもたらした厄災
    第四章 サトウキビ ー 砂糖の生産と奴隷
    コラム2 ラテンアメリカ音楽の誕生
    第五章 馬と牛 ー 生活を破壊したヨーロッパの家畜
    第六章 天然痘 ー 先住民の凄惨な悲劇
    終章 コロンブスの功罪

    あとがき
    初出

    参考文献

  • コロンブスが「発見」したことで、南北アメリカ大陸と世界にどんな影響があったかを、主に食糧と疫学の点から整理した本。

    内容は素晴らしく面白いんですけど、南北アメリカ以外にももっと色々な先住民の話が書かれていることを期待して買ったタイトルだったので★1つ減らしました

  • コロンブスの功罪ーコロンブスが新大陸を発見したことによる「負の側面」を明らかにしている。
    奴隷の輸入、コロンブスの到来による疫病の蔓延。『先住民から見た世界史』は、アメリカ大陸に限定された内容だが、読み終えると他の地域にも思いを馳せる機会となる、深みのある1冊。
    ある論文に対する反論本という印象で、著者が執筆した意図が推測できる。でもこの1冊には有力な論文への「異議」だけでは片付けられない、読者の興味関心をひき立てる内容に富んでいる。
    食べ物の発見から、家畜、奴隷、疫病、新大陸発見による先住民の苦しみ。「コロンブスの新大陸発見」という偉業の裏に隠れた事実を、明快に記している。なんといっても分かりやすいし面白い。これに尽きる。

    【個人的な呟き】
    歴史の教科書では習わないが、焦点を当てるべき事実。技術革新や政治、国の体制など、表面上の歴史を学んできた学生時代。義務教育で求められる知識って、なんて浅はかなんだろう。
    苦痛や痛みを伴わない学びは、試験で求められるだけで生涯の糧にはならない。

  • 新大陸由来のトウモロコシやジャガイモといった食物が果たした人類への影響度を鑑みれば、それらを栽培化した先住民の貢献度はもっと評価されて良い、という話は素直に頷ける。疫病の甚だしく不平等な「交換」により、一方的に被害を受けた新大陸の住民の運命をどう捉えるべきかは考えさせられる。仮に西洋人相手に軍事的に対抗し得たとしても、疫病には勝てなかったと思しく、敗北の結果虐げられる被征服者のパターンとは様相が異なる。両大陸における家畜の有無が勝敗を決定づけたとしたなら、人間の意思など副次的なものにさえ感じられた。

  • ヨーロッパの食文化に関する本を読んでいると、必ずぶち当たるコロンブスの「新大陸発見」
    トウモロコシやトウガラシなどの食物について、あまり知らないアステカやインカの歴史について知りたかった。
    資料の引用が多くて面白い。
    ジャガイモがヨーロッパの飢饉から人々を救ったり、多様な食文化をもたらしたり、新大陸側から旧大陸側にもたらした恩恵は大きかった。それに対して、馬などの家畜の放牧地とするために住居を追われ虐殺されたり、伝染病によって絶滅に追い込まれたり、比べるのも烏滸がましいほど新大陸側が被った災厄はひどい。奴隷制度といい、人を人だと思っていなくて怖い。

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著者プロフィール

1943年生まれ。京都大学大学院博士課程修了、農学博士。現在、国立民族学博物館教授、総合研究大学院大学併任教授。専門は民族学、民族植物学、山岳人類学。1968年よりアンデス、アマゾン、ヒマラヤ、チベット、アフリカ高地などで主として先住民による環境利用の調査研究に従事。1984〜87年にはペルー、リマ市に本部をもつ国際ポテトセンター社会科学部門客員研究員。主な著書に『インカの末裔たち』(日本放送出版協会、1992年)、『ジャガイモとインカ帝国』(東京大学出版会、2004年)、『ラテンアメリカ楽器紀行』(山川出版社、2005年)、『雲の上で暮らす——アンデス・ヒマラヤ高地民族の世界』(ナカニシヤ出版、2006年)、編著に『世界の食文化——中南米』(農産漁村文化協会、2007年)。アンデス・ヒマラヤにおける高地民族の山岳人類学的研究により今年(平成18年)度の秩父宮記念山岳賞などを受賞。

「2007年 『アンデス高地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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