紫式部と王朝文化のモノを読み解く 唐物と源氏物語 (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA (2023年10月24日発売)
3.75
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 76
感想 : 7
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784044007928

作品紹介・あらすじ

紫式部の生きた平安時代。今から約1000年前の王朝生活において、沈香、瑠璃壺、青磁、唐綾、毛皮などの舶来品は、高価で入手しにくく、貴族たちの富と権威の象徴であった。『源氏物語』や『枕草子』をはじめ、『竹取物語』『うつほ物語』『栄花物語』ほか王朝文学作品にも唐から物ものは多く描かれている。舶来の「モノ」をキーワードに王朝文化の世界を読み解き、物語の登場人物の関係や、平安時代を生きた人々のこころを浮き彫りにする。

みんなの感想まとめ

平安時代の王朝文化を深く理解するための一冊であり、特に貴族たちの生活に欠かせない舶来品に焦点を当てています。『源氏物語』をはじめとする平安文学に描かれる沈香や青磁器、豪華な調度品など、当時の人々がどの...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 平安貴族と舶来品(1) 河添房江 - 日本経済新聞(2016年1月6日 会員限定記事)
    https://www.nikkei.com/article/DGKKZO95773340V00C16A1BE0P00/

    河添 房江 (Fusae Kawazoe) - マイポータル - researchmap
    https://researchmap.jp/DG9URSHF

    「紫式部と王朝文化のモノを読み解く 唐物と源氏物語」河添房江 [角川ソフィア文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322306001298/

  • ・河添房江「紫式部と王朝文化のモノを読み解く 唐物と源氏物語」(角川文庫)は書名そのままの書である。「本書では、紫式部が体験した王朝文化の世界を、特に唐物とよばれる異国のモノを通じて」 紹介するものである。だから「源氏物語」からの引用が多くあり、更に「枕草子」等のさま ざまな王朝文学からの引用もある。本書の原題を「光源氏が愛した王朝ブランド品」といふ。 この書名からして、一般受けを ねらつた書であるらしい。それを内容に即して改題し、文庫化したのが本書なのであらう。第一章「紫式部の人生と唐物」に始まり、第十六章「舶来ペットの功罪」で終はる。最初だけは モノではなく人である。ここを読んだら、後は自由に適当に読めば良い。香から猫まである。実に様々である。紫式部の身の回りは唐物、今少し広く言ふと舶来品に取り囲まれてゐたのだと知れる。そんな書であるが、個人的にはかういふ文体と次を予告するやうな章の進め方には違和感を覚える。それを気にしながら読んでゐた。
    ・平安時代の唐物といつても私はほとんど知らない。ネコといつても、現在のネコと同じか違ふのか、ここから分からない。 すべてがさうである。第十五章 は「王朝の紙の使いみち」である。紙がなければ王朝文化がかうして残つてゐるのかと思ふのだが、しかし、その紙はいかなるモノでいかにして作られてゐたのか、つまり紙の使用以前の状況を私は知らない。使ふ人がゐれば作る人がゐる。平安時代は、「平城天皇の大同年間(八 〇六〜八一〇)は朝廷の製紙所である紙屋院(『かんやいん』とも)が、図書寮の別所として、紙屋川のほとりに設けられ、多くの紙が生産されてい」(238頁)たさうである。この先は書いてないが、しかし、どうやらこの時代にも紙屋院の紙が使はれてゐたらしい。「美しかった紙屋院の紙」(251頁)にその一端が見える。国産の紙が美しかつたのなら唐物の紙はどうであつたのか。唐の紙 とは「狭義の意味では、北宋から輸入された紋唐紙とか、具引 雲母刷紙とよばれる鮮やかな色 彩と雲母刷りが特徴の紙をさ」(242頁)すさうで、これは 「おもに竹を原料とした紙の表面に胡粉を塗り、さらに唐草や亀甲などの文様を刻んだ版木を用いて、雲母で型文様を摺り出した美しい紙で」(同前)あつた。こんなモノだから、「唐の紙の格調の高さ、そのフォーマル度は万能で(中略)まさに贅沢品であり、唐物らしい威信財(スティタス・シンボル)としての使われ方」(238頁)をされた。つまり、美しい写本にはこれが使はれてゐる。これ以外には高麗紙があり、これは「高句麗・新羅・百済の三国時代から、中国の諸王朝への朝貢品で」(248頁)あり、これも日本に輸入されてゐた。更に は地方製造の紙もあつといふから、貴族に紙の選択肢は結構あつたと思はれる。だからこそいくつもの写本が残り、その紙もその作品に合はせたりしてあつた。かういふことを私は知らなかつた。いろいろな紙の写本があるのは知つてゐたが、唐や高麗からの紙もあり、地方でも作つてゐたとはである。本書にはかういふのが多い。ガラスもある。私の知るガラスではあるが、さすがに現在とは違ふ。「『瑠璃壺』は唐物を代表する品で」(115頁)あつた。この頃、日本で作ることができたのはせいぜい「蜻蛉玉といわれるガラス玉」(同前)であつ た。かうしていたらきりがない。書きたいモノはいくつもある。といふより、知らないから皆書きたくなるのである。それではきりがない。「王朝ブランド品」は実に豊富であつたと最後に書いておく。その豊富さを眼前に見せてくれるのが本書である。おもしろいことはおもしろいが……。

  •  「源氏物語」にはよく薫物が出てくる。「沈香」とか「白檀」とか言われても、そういう物に興味のなかった私には想像もつかないのだが、平安貴族たちはそれらを生活の一部にまでしていた様子である。
     薫物に限らず、「源氏物語」をはじめとする平安文学には青磁器や着物、調度品といった豪華さ、優雅さ、奥ゆかしさなどを競うものがたくさん出てくる。国風文化の平安朝といっても、中国から入ってくるものがずいぶん珍重されたようだ。それらのモノたちについて素人向けに解説してくれるのが、河添氏のこの本だ。「源氏物語」等の原文や現代語訳も要所要所で適量掲載されており、平安文学に興味はあるが敷居が高いと思っていた人にとっては良い入門書と言えるかもしれない。

  • 2024年3月19日購入。
    2024年10月2日読了。

  • OPACへのリンク:https://op.lib.kobe-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002350184【推薦コメント:紫式部についてあまり知らない初心者でも読みやすい本。】

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00649119

    紫式部の生きた時代、陶磁器・ガラス・布・香料など、王朝生活を彩る舶来品は、高価で入手しにくく、入手できるかどうかは権力とのかかわりによって大きく左右された。「唐物」をキーワードに王朝文化の世界を読み解く。
    (出版社HPより)

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

昭和28年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。東京学芸大学教授、東京大学大学院客員教授、一橋大学大学院連携教授。著書に、『源氏物語表現史』(平10 翰林書房)、『性と文化の源氏物語』(平10 筑摩書房)、『源氏物語時空論』(平17 東京大学出版会)、『源氏物語と東アジア世界』(平19 NHKブックス)など。

「2012年 『久保田淳座談集 暁の明星 歌の流れ、歌のひろがり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

河添房江の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×