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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784044008260
作品紹介・あらすじ
「朝、目覚めたとき、そこにあるのは昨日とは別の世界です」自閉症の作家・東田直樹が25歳のときに綴った一年間の日々の記録。単行本『絆創膏日記』を再編集の上、新しいコラムや詩を増補。
感想・レビュー・書評
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東田直樹さんの視点でみる、一年間の春夏秋冬を感じられるエッセイ集です。共感できるというよりは、ハッとさせられる文章が多々ありました。
失礼な話ですが、場面によっては奇声をあげて暴れてしまう、そんな自閉症の方がここまで物事を考えているとは思ってもみませんでした。優しくあろうとは思っていましたが、それは傲慢な上から目線の思いであったなと反省しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新年の1冊目。
東田さんの本は最初の「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」以来2冊目
最初の本には大きな衝撃を受けた
え?自閉症の人もこんなに色々考えているの?ちゃんと自分のことをわかっているんだ!という驚きでいっぱいだった
その本は世間にも衝撃と驚きをもたらし、世界的なベストセラーにもなりましたね
その後東田さんは次々と本を出され、この「僕の毎日」は25歳の時に書いた一年間のエッセイをまとめたものになる(現在は32歳)
今回久しぶりに読んで感じたのは、彼の豊富な語彙と知識、そして詩的な表現の豊かさ
パニックに陥ると自分では抑えることが出来なくなったり、身体が自分の意思とは違う動きをしたり、突然大声を出してしまったりすることもあるのに、頭の中では冷静に自分を分析し、自然の神秘に感動したりしている
例えば、元旦に初詣に行った時のこと
賽銭箱におさい銭を入れたあと、
「僕の願いは、後回しでいいです」と神様に伝え、
太陽の光が数本、真っ直ぐに地面に降り注ぎます。
僕は光をつかむように、片手を差し出しました。光をさえぎっている手のひらが、ぽかぽかします。かざした手の温もりを、自分の頬っぺたで確かめます。
頬っぺたが神様の体温になりました。
彼が自分を表現する術を得たことによって、私たちは未知の世界を教えてもらった
本当に素晴らしい成果だと思う。
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装丁が、本書の雰囲気と筆者のお人柄をよく表していると思いました。
『こんなに美しいものが、すぐ近くにあるのに、他の人にはあまり関心を持ってもらえないのは残念です』
タイヤの回転に心惹かれた筆者。
美は、日常生活に宿っているのかもしれない。気づいていないだけで。世の中は美しいもので満ちている。
純粋なことばで紡がれたエッセイ。
読了後に自閉症に対する認識が変わった。生まれながらにして人と違う個性があることが、羨ましく感じられた。色々なものの見方をするひとがいるということを、肌感覚で知ることができた。
病気や障害を抱えながら生きることは、誰にでも起こりうること。筆者の内面の豊かさを、本書を通じて感じることができた。
言葉がひとと、ひとを繋ぐことを、改めて感じました。 -
なんかポエマーって感じだったな
ご飯は、ご飯だけでも十分おいしい。ご飯とおかずを一緒に食べるのは、ご飯のためではなく、おかずのためだと思うのです。
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