新版 日本永代蔵 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

著者 :
制作 : 堀切 実 
  • 角川学芸出版
3.64
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本棚登録 : 97
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044009076

作品紹介・あらすじ

本格的貨幣経済時代を迎えた江戸前期の市井の人々の、金と物欲にまつわる悲喜劇を描く経済小説。舞台は日本全国に及び、商売成功の方法を述べた実用書の面もあわせもつ当時のベストセラー。成功談と失敗談の双方を描きながら、金銀万能の世相を活写して、町人生活の諸相をあぶり出す傑作。読みやすい現代語訳、原文と詳細な脚注、版本に収められた挿絵とその解説、各編ごとの解説、全体についての総解説で構成する決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 金銭の貴重さ、みの持ち崩し方、芸事の無益さ、様々な町人の立身出世、栄枯盛衰を描く。三井の話が出てきて驚く。当時の中国人は琴や書、詩に親しみ雅で実直だったとある。

    2代目に破る扇の風
    世は張物
    欲しいものは買わず、惜しいものを売れ

    唐土人は心静かにして、世の稼ぎもいそがず、琴棋詩酒に暮して、秋は月見る浦に出、春は海棠の咲く山を眺め

  • まず全6巻(といっても150ページもない)の現代語訳、その後、一篇ごとの原文と解説といった流れ。 庶民のお金にまつわる短編集といった感じ。 全体としてはそんなにおもしろいという内容ではないかな。 今も昔も基本的な考え方は変わらないんじゃないかなと思えたのは良かった。 お金を貯めたければ倹約と勤勉さ。 羽目を外しすぎると転がり落ちるし、かといってケチケチしすぎるのも考えものですね。 バランス大事。

  • 江戸商人の商人道の本だろうが、町人の金銭欲や成功欲を描いた短編集にも読める。井原西鶴は 自身が書きたいものではなく、読み手が読みたいものを書いているのでは ないだろうか


    道徳を前提に 「貯金」「倹約」「勤労」「分相応」「健康」を商人の成功のコツとしており、時代への対応も重視する内容となっている

  • 貨幣経済の浸透し、町人の台頭した元禄文化を代表する井原西鶴の古典。
    成功した長者たちの話を中心に訓戒めいた逸話が多い。掛け金の回収など現代に通じる面もある。ただし、日本の古典は構成が現代文学と大分趣が異なり、すっと理解できないのが難点。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“コンクラーベ”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/53.html

    ゲストの片岡鶴太郎さんがご紹介した本。

    片岡鶴太郎さんが最近気になっているという、井原西鶴が書いた
    世界初の経済小説。

    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

  • ○この本を一言で表すと?
     元禄時代の商人小咄集


    ○面白かったこと・考えたこと
    ・日本史の授業で書名と著者名だけ知っていた「日本永代蔵」を読めてよかったです。

    ・最初に現代語訳、その後に原文とその解説という構成になっていて、現代語訳はすっきりと読め、内容を把握してから原文と解説を読むことができたので最後までじっくりと楽しく読めました。

    ・銀一千貫目が現代換算で二十二億円相当であることなど、お金についての注釈が都度入っていて参考になり、登場人物がどれほどの金持ちだったのかなどがよくわかりました。

    ・苦労し続けて稼いだ一代目とそれを数年で食いつぶす二代目の話、最初の元手を稼ぐことに苦労してそれから事業を拡大していくことは順調という話など、現代でも通じるような話がいろいろありました。

    ・真面目な人が、ふとしたきっかけで遊びに走って身を崩す話など、今でもありそうな話だと思いました。「若い頃に遊んでおいた方がいい」と年配の方がよく言っていましたが、真面目一辺倒だと危険だということを伝えたかったのかなと思い当たりました。

    ・人を騙す商売で一時期はうまくいってもそれは長くは続かないということは、自分や他の人のいろんな事業の栄枯盛衰を見てきて本当にそうだと思いました。

    ・京都で「始末」することが大事とよく言われる話で「それを節約するために時間をかけたら余計に効率が悪いのでは?」と思ったことがありましたが、その心掛けを養うことが大事だという話を聞いたことがあります。「日本永代蔵」の各話を読んでみてそれを思い出しました。

    ・多芸を身に付けながらも貨幣の見分け方や十露盤の扱いができずに商人として身を立てることができなかった人が登場しますが、いろいろな分野の本を好き放題読んでいる自分とオーバーラップしてドキッとしました(でも反省はしていません)。

    ・解説で巻一~四と巻五~六は出版された時期が違うと書かれていましたが、確かになんとなく雰囲気が違うなと思いました。

    ・江戸・京都・大阪・堺など、各都市の商人の気質の違いなども話の舞台になっている場所の違いで書き分けられていて面白かったです。

    ・小学校の頃に時代劇で両替屋が登場して、当時はお釣りを返すということがなかったのだと聞いたことがありましたが、なぜそれで店として運営できるほど儲かるのかはよく分かっていませんでした。「日本永代蔵」を読んで、両替屋のニーズなどがよく分かった気がします。

    ・江戸時代の初期でも商品経済、商品資本経済がうまく回っていて、相場での契約の順守などが守られていたという風景が書かれていて、当時の日本がかなり進んでいたということを実感させられました。

  • 江戸時代の商人の成功譚、商売の教訓を描いた言わずと知れた、井原西鶴の浮世草子。
    当時の高度に発展した資本主義、町人の風俗や道徳がわかって面白い。

    例えば、長屋に住んで、質素に暮らして長者になったひとが町で噂になるのだが、強盗に入られないほどに安全な社会なんだな、とか、売掛金はきちんと回収できるもんなんだなとか、とても新鮮な印象を受ける。

    武士道を説く「葉隠」ばかりが着目されるが、江戸の町人のダイナミズムにもっと注目されてもいいと思う。

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