新版 日本永代蔵 現代語訳付き (角川ソフィア文庫 A 325-1)
- 角川学芸出版 (2009年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044009076
作品紹介・あらすじ
本格的貨幣経済時代を迎えた江戸前期の市井の人々の、金と物欲にまつわる悲喜劇を描く経済小説。舞台は日本全国に及び、商売成功の方法を述べた実用書の面もあわせもつ当時のベストセラー。成功談と失敗談の双方を描きながら、金銀万能の世相を活写して、町人生活の諸相をあぶり出す傑作。読みやすい現代語訳、原文と詳細な脚注、版本に収められた挿絵とその解説、各編ごとの解説、全体についての総解説で構成する決定版。
感想・レビュー・書評
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まず全6巻(といっても150ページもない)の現代語訳、その後、一篇ごとの原文と解説といった流れ。 庶民のお金にまつわる短編集といった感じ。 全体としてはそんなにおもしろいという内容ではないかな。 今も昔も基本的な考え方は変わらないんじゃないかなと思えたのは良かった。 お金を貯めたければ倹約と勤勉さ。 羽目を外しすぎると転がり落ちるし、かといってケチケチしすぎるのも考えものですね。 バランス大事。
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庶民向けの自己啓発本的な内容
倹約しつつ工夫して本分に励む事が重要と説いている
本分に関しては町民には芸事は贅沢で余計なものと言ってるところとかは時代を感じる
貨幣経済が発展してきている時代のためか、投資をしきりに勧めていることが印象深かった -
井上泰至選
サクセスストーリー。 -
江戸商人の商人道の本だろうが、町人の金銭欲や成功欲を描いた短編集にも読める。井原西鶴は 自身が書きたいものではなく、読み手が読みたいものを書いているのでは ないだろうか
道徳を前提に 「貯金」「倹約」「勤労」「分相応」「健康」を商人の成功のコツとしており、時代への対応も重視する内容となっている -
貨幣経済の浸透し、町人の台頭した元禄文化を代表する井原西鶴の古典。
成功した長者たちの話を中心に訓戒めいた逸話が多い。掛け金の回収など現代に通じる面もある。ただし、日本の古典は構成が現代文学と大分趣が異なり、すっと理解できないのが難点。 -
BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“コンクラーベ”で登場。
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/53.html
ゲストの片岡鶴太郎さんがご紹介した本。
片岡鶴太郎さんが最近気になっているという、井原西鶴が書いた
世界初の経済小説。
原宿ブックカフェ公式サイト
http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
http://nestle.jp/entertain/bookcafe/ -
江戸時代の商人の成功譚、商売の教訓を描いた言わずと知れた、井原西鶴の浮世草子。
当時の高度に発展した資本主義、町人の風俗や道徳がわかって面白い。
例えば、長屋に住んで、質素に暮らして長者になったひとが町で噂になるのだが、強盗に入られないほどに安全な社会なんだな、とか、売掛金はきちんと回収できるもんなんだなとか、とても新鮮な印象を受ける。
武士道を説く「葉隠」ばかりが着目されるが、江戸の町人のダイナミズムにもっと注目されてもいいと思う。