新版 おくのほそ道 現代語訳/曾良随行日記付き (角川ソフィア文庫 16)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044010041

感想・レビュー・書評

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  • 普段読まないジャンルを読んでみようと手に取った。芭蕉の句はいくつか知っていても、武士の忠義を尊ぶような文脈は知らなかったので、面白かった。紀行文かと思っていたが、半分は脚色が入っていたり、芭蕉自筆の書が1996年に発見されたりなど、古典初心者には解説がうれしい。

  • 松尾芭蕉 「 おくのほそ道 」

    角川ソフィア文庫 尾形つとむ 訳注 潁原退蔵 解説。充実した解説と 100分de名著 のおかげで 読了。

    おくのほそ道の素晴らしさ
    *日本らしい簡素美
    *芭蕉の漂泊の人生から生まれた 軽みの境地
    *歌枕を基礎とした旅情、詩情ある物語
    *松島のクライマックス感、高揚感
    *平泉の死生観、諸行無常(夏草や兵どもが夢の跡)
    *越後路の宇宙観(横たふ天の河)
    *金沢の死を乗り越える力(塚も動け)
    *自然と人間の融和


  • 親切にしてくれた人に対して「さぞ仏のような人なんだろうな」と思ってたらただの馬鹿正直人間で、心底がっかりしたという芭蕉、友達にはなれないなと思った

  • それほど構えずに軽く読める。本文・発句について、第一人者のガイドがあるのも大きい。

  • 「涼しさを我宿にしてねまる也」は松尾芭蕉が尾花沢で詠みました。『おくのほそ道』に収録されています。ドナルド・キーンDonald Keeneさんは「Making the coolness / My own dwelling' I lie / Completely at ease」と訳しています。
    芭蕉は元禄2年5月17日に尾花沢で知人の豪商の鈴木清風を訪れました。尾花沢は羽州街道の宿駅です。清風は紅花の商いをしていました。清風に丁重にもてなされて寛いでいる気持ちを俳句にしたとされます。丁重にもてなされたことは嬉しかったでしょうが、あくまで「涼しさを私の宿にして」と自分の快適さを喜びとしています。熱烈な歓迎は逆に疲れてしまいます。気を使わせないもてなしの有難さが分かります。
    木陰で涼んだ喜びを詠んだという解釈もあります。ここには豪華な設備に喜ぶ拝金主義ではなく、自分の快適さを価値とする意識があります。ディオゲネスのエピソードにも通じます。日向ぼっこをしていたディオゲネスは、アレクサンドロス大王に「何か欲しいものがないか」と尋ねらっれうと「日向ぼっこの邪魔になるからどいてください」と言いました。
    『おくのほそ道』は江戸の深川(江東区)から出発し、大垣が終着点です。岐阜県大垣市は結びの地ということでミニ奥の細道があります。松尾芭蕉の俳句が刻まれた石碑があります。

  • 少し前にドナルド・キーン大先生の「百代の過客」を読んだら,おくのほそ道のことが絶賛されていたため,そういえばちゃんと読んだことがないなあ,と思い購入.他社からも色々なバージョンが出ているのだけど,一番詳しそうなものを買ってみた.
    いや,松尾芭蕉は天才である.研ぎ澄まされ,かつ繊細な感覚は俳句のみならず,その間をつなぐ散文部分にも発揮され,しかも文章に全く無駄がない.
    解説等によれば,芭蕉は草稿を何度も推敲し,際限なく修正を繰り返していたようだ.そのこだわりが紀行文の金字塔ともいえる おくのほそ道 を生み出している.
    不勉強で知らなかったのだが,そもそもこの旅の目的は歌枕を巡ることであって,歌枕に到着してそれを目にした芭蕉の感慨が綴られているわけである.しかし上記のように,単なる日記ではなく,場合によっては話の順序を入れ替えることもして,完成度が高められたのが おくのほそ道 である.

  • 齋藤孝著『大人のための書く全技術』40冊―15

    旅をしながら文章を記録してた行くことの大切さを学んで欲しい。

  •  NHK教育でやってた4回シリーズで取り上げられていました。
    ちょうどその頃、松島も経由して東北に旅行(といっても、芭蕉の百倍以上のはやさで駆け抜けたわけですが)したこともあって、面白くみていたので、原文にあたる次第。そういえば、ギャグ漫画日和の芭蕉と曾良も結構好きだったりして。
     正直、古文はそれほど得意ではなかったので、苦しい部分もありましたが、現代語訳やら、用語、歌枕解説など、きちんとついているので、全部読むというよりは、エッセンスを拾うという感覚で。
     テレビの解説は色々目からうろこで、まずは、本作品自体、ノンフィクションの紀行文ではなく、いろいろ、現実から編集が施されたフィクションであるなんてところからもう、全然知りませんでした。そうか、だから、旅程に無理が生じてて(毎日フルマラソンくらい移動してる?)芭蕉=忍者説が生まれたりするわけか、と妙に納得。
     そういえば、松島に行ったときに普通に「松島といえば芭蕉の『松島や嗚呼松島や松島や』ですよね」なんて言ってたけど、そんな句は、本作に入ってない(あえて入れなかった)ばかりか、そもそも、芭蕉作ですらない(芭蕉の100年以上あとの狂歌に似たようなのがある)っていうのも結構、驚きました。
     「夏草や」の句に現れた無常観と中尊寺金色堂の「廃墟の中に残る金色堂千年の記念して」の「降りのこしてや」の句の対比や七夕をめぐる「文月や六日も常の夜には似ず」、「荒海や佐渡に横たふ天の河」と続く切れ味は、結構感動します。
    何回か読み返して、さらに読みこなしてみたいと思える、古典でした。

  • 11年11月、読書会課題図書

  • 基本。
    現代語訳がわかりやすく、読みやすい。
    文字フォントも目に優しいので、目滑りしにくい。
    でも多分、本当の基本は岩波か。

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著者プロフィール

江戸時代の俳人。1644~1694。


「2015年 『女声合唱とピアノのための おくのほそ道――みちのくへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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