改訂 雨月物語 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

  • 角川学芸出版
3.87
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本棚登録 : 702
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044011024

作品紹介・あらすじ

巷に跋扈する異界の者たちを呼び寄せる深い闇の世界を、卓越した筆致をもって描ききった秋成の本格怪異小説の数々。崇徳院が眠る白峯の御陵を訪ねた西行法師の前に現れたその人は…(白峯)。男同士の真の友情は互いの危機において試された(菊花の約)。戦乱の世に7年もの間、家を留守にした男が故郷に帰って見たものは…(浅茅が宿)。男が出会った世にも美しい女の正体は蛇であった(蛇性の婬)など、珠玉の全九編。

感想・レビュー・書評

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  • 現代語訳と原文、解説がセットになってるので、おても読みやすかった。原文と比較すると、現代語訳ではかなり文章を補ってくれてるのが分かる。

    内容も、全体的には怪奇寄りだけど、全編パターンが違うので飽きない。1篇が短いのも◎。

  • 安永5年(1776年)刊行、江戸時代中期の不思議短編九編現代訳版。讃岐に流された崇徳院天皇の怨霊、映画「雨月物語」の基になった浅茅が宿。能の演目道成寺にも登場「蛇性の婬」。栃木大平山大中寺を舞台人間の肉を食う坊主「青頭巾」など。ホラー要素よりも当時のもののけ感をファンタジー的に読めました。

  • 内田樹さんが、たしか村上春樹さんの書評??書いてるのを読んだときに、

    雨月物語の吉備津の釜との関連を挙げていた気がして、それで気になって読んでみた。

    もともと小学校の時に読んだことがあって(もちろん小学生用に訳されているやつね。)読んだ気になってたんだけど、まぁ年月を経て読んでみるとまた違った見え方がして面白いというか。


    多分、小学生の頃は「ちょっと怖い怪談昔話」くらいに読んでいたと思う。もっと子供を怖がらせる手法にとんだ現代の怪談話はもっとたくさんあったから、雨月物語が特別怖い話なわけではなかった。


    今読んでみるとどうだろう。村上春樹になぞらえて考えながら読んだのもあるかもしれないけど、

    「あっちの世界」と「こっちの世界」のつながりが曖昧で、それをふと超えてしまった日常の話、というようにとらえたって感じかなぁ。

    最近、思うのよね。そんなに「あっち」も「こっち」も隔てのあるものではないと。それは「死」を軽く考えてるとか、そういうわけじゃなくって、やっぱり「こっち」で生きてる人が、「あっち」に行ってしまうことは大きなことで、どんなに灯が潰えてしまいそうでも、そこに足を踏み入れそうになっている人に、簡単に行ってほしくはない。二度と「こちらの姿」では会えないというのは、大きなこと。

    ただ、「あっち」も「こっち」も、分断された世界なんかじゃなくて、ふと踏み入れられるような身近さを、近頃感じる。

    だから、「そういう話には慣れているの」という意味じゃなくて、もっと自然に「そういうこともあるわよね」という感じで、このお話を読んだ気がしました。

    とりわけ夜。「あっち」と「こっち」が混ざり合って、この世ならざるものがふとそばにいると感じるあの感覚。

    私は、幽霊的な意味で金縛りを信じてはいないのだけど、小さいころからよく金縛りにはあっていて、あれは脳が目覚めてるのに、体が眠っている感覚だから、無理やり体を動かそうとすると元に戻ったりとか、そういうのは普通にあったのよね。あの感覚「トレインスポッティング」で、確か主人公が薬でトリップするときに、ベッドに沈んでくようなシーンがあったんだけど、あれに似てる。ただあのまどろみの中で、普段とは違う金縛りの感覚で、おなかから太ももあたりがずしって重くなって、何か視線のようなものを感じる時とか、耳鳴りがするときとか、「あ、これは目を開けちゃダメなやつだ」とか、思う時があったのを思い出す(今もないわけではないけれど)。

    幽霊とか見たことないし、そのくせ嘘だってわかっていても、怪談話とか大嫌いだし、「世にも奇妙な物語」とか未だにトラウマの人間だし、「幽霊が見える」という知り合いがあんまりに胡散臭いので、「そういうのって自分の見えたものを都合のよいように合理化する一種の思い込みだよ」とか思う人間なのだけれど、

    「見えないけどいる」という感覚や「その人を離れて場所に残る思いの強さ(私は多分これを幽霊と呼んでると思う)」は、信じてる。

    あら。オカルトみたいなレビューだな。

  • 戸時代に書かれた古典。
    一度読んでみたいと思っていたので読めてよかった。根性がないので現代語訳を読んだが。
    怪異テーマにした短編集もので、幻想小説とも言えるかもしれない。

    魚になって水中で遊ぶ僧、遊女の容姿を水面に映った桜の影にたとえるなど清清しさを感じさせる一方で、恨みや怪異、血生臭さを併せ持っていて個人的に好きな雰囲気だった。
    和の闇を感じさせてくれる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「幻想小説とも言えるかもしれない。」
      人の業と言うか情念と言うか、当時の人には、もっと深く心に残ったんじゃないかと。勝手に思っています。
      そ...
      「幻想小説とも言えるかもしれない。」
      人の業と言うか情念と言うか、当時の人には、もっと深く心に残ったんじゃないかと。勝手に思っています。
      それから「春雨物語」も人間臭くて好きです。。。
      2013/03/28
    • サイさん
      なるほど……
      江戸時代の人はきっと現代に生きる私よりもきっと繊細な感受性があったのでしょうね。


      春雨物語はちょっと読んでそのまま本を返却...
      なるほど……
      江戸時代の人はきっと現代に生きる私よりもきっと繊細な感受性があったのでしょうね。


      春雨物語はちょっと読んでそのまま本を返却してしまったような気がしますので、また読み返してみます。
      2013/09/07
  • 1冊全部読めて無いのですが、非常に面白かった。
    情緒がすごい
    和歌めっちゃ詠んできます
    短編なので読みやすいのもgood!

  • 初めて読んだのは10年ほど前で、今回読み返すのは恐らく3回目。古文に精通しているわけではないが、幻想的な世界観、流麗な文章には惹きつけられるものがある。現代語訳も世界観を守りつつわかりやすい。訳者あとがきも味があってよい。

  • 井上泰至選
    泉鏡花、芥川、谷崎潤一郎、三島由紀夫、村上春樹らが、小説のお手本としている。

  • 雨月物語

    180928読了。
    今年78冊目今月13冊目

    #読了
    #上田秋成
    #雨月物語

    読みたかった怪奇本。
    短編集で読みやすい。
    印象深いのは吉備津の釜と青頭巾。
    吉備津の釜読んで、鳴釜じゃん!っと思ったのは私だけではないはず。

    現代人も陥りがちな独りよがりの一本気が妖どもに付け入る隙を与えるんだなぁ。
    身に覚えがあるだけに、恐ろしきかな。
    艶っぽいことに、そんなうまいはずないと思うのに手を出してしまうんだよね。

  • 前々から気になってた本。やっと読めた。 もっと恐ろしい話かと思ってたけど、現代訳で読むとそうでもないなあ。ところで菊花の約って雨月物語だったのか

  • 白峯 
    菊花の約
    浅茅が宿 
    夢応の鯉魚
    仏法僧(秀次)
    吉備津の釜
    蛇性の婬
    青頭巾
    貧福論

    文體很像接近漢文又大量引用典故,好像在讀中國文人的書,很熟悉。這位作者的文體讓我感覺他的大腦應該有五成以上都是用中文思考並寫作的感覺,絕對有出色的漢文能力!!而前幾篇讀起來有點像唐人傳奇或聊齋的感覺。第一篇和仏法僧都屬於個人覺得相當有真實感的故事...鯉魚那篇在水裡翱游感覺還蠻開心的。吉備津の釜跟蛇性の婬(很像白蛇傳)超級恐怖!連長谷寺觀音都壓不住的蛇精。青頭巾也寫得讓人毛骨悚然。貧福論是岡左內跟金的妖精的對話,妖精講話還頗有道理的,這對話感覺很歡樂啊!

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著者プロフィール

大阪府生まれ。1734(享保19)年~1809(文化6)年。江戸後期の読本作者。歌人、茶人、俳人、国学者でもある。『雨月物語』は5巻9篇で構成され、1776(安永5)年に出版された。

「2017年 『雨月物語 悲しくて、おそろしいお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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