生物にとって時間とは何か (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA (2013年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784044052188

作品紹介・あらすじ

物理化学の法則だけでは理解できない生命現象。その核心をなす生物に固有の「時間」を、これまでの生物学は捉えそこなってきた――。巧妙に突然変異を呼び込み、進化を加速するDNA複製システム。未知なるウイルスを予期し、迎え撃つ免疫システム。遺伝・発生・進化など様々な事例をもとに、「未来」を探る生物の姿を紹介。生命現象の最終法則とは?その探究方法とは?時間の観点から生物学の新たな眺望をひらく、根源的生命論!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

生物学の視点から生命の本質に迫る本作は、生命現象における「時間」の重要性を探求しています。著者は、進化や免疫システムの仕組みを通じて、従来の生物学では見落とされがちな要素を浮き彫りにしようと試みていま...

感想・レビュー・書評

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  • 生物学者の書く単なる生物の本ではなかった。生命哲学っていうのかな。
    神秘とも言える生物の精巧なシステム。うまくできている。でき過ぎている。そのシステム、メカニズムについては説明がつくのだが、なぜそのシステム、メカニズムが存立しているのかについては説明しがたい(だからこそこういう本がある)。

    クオリア、脳科学、アフォーダンス(ときどき出くわすキーワードだけれどイマイチつかめていない)、の話題にまで達した。文脈が重層的。
    著者についてググると構造主義生物学の支持者のひとりとのこと(ウィキペディアより)。言われてみれば文章全体がどこか構造主義的だったなあ。
    生物学を主軸にして未知にアプローチする。本源的で哲学的な命題に迫る。生物学者という立場からこんなにも幅広い領域にまで言及できる人がいらっしゃることに驚嘆する。生物の話と半ば決めつけて読み進めていた私はしばしば“置いて行かれた”。
    この守備範囲の広さ。あのバラエティ番組に招聘されるのにも強く頷ける。どんな領域のお題にも提言できそうだし、実際にできるのだろう。

    我々が解明したもの(とは言え科学という枠組み内限定の言説なのだろうが)とそうでないものを峻別して論を進めていくような筆運び。
    生物と生物以外の事物。それらが織りなす複雑系の環境場。そこで何がどのように営まれているかを掴まんとする本書。これは自分にとって当たりだったな。生物についての関連書や同著者の別の本を読みたい。読んでみたい衝動にかられている。
    http://cheapeer.wordpress.com/2013/07/30/130730/

  • 少し癖のある文章が読みにくい。それでも虚心坦懐に耳を傾ければ池田の破壊力に気づく。関係性は動きの中に現れる。これすなわち時間である。我々はともすると有無の二元論に囚われ、存在を固定しようとする。ところが固定されたものは死物なのだ。なぜなら関係性が見捨てられているからだ。とすれば、クオリアが指す質感もイデアから滴り落ちた樹液の一雫(ひとしずく)なのだろう。
    https://sessendo.blogspot.com/2021/11/blog-post_29.html

  • とってもわかりにくかった。

  • 構造主義的生物学というものらしいが、何かを言いたいらしいのだが、何が言いたいのか伝わってこない。
    そもそもネオダーウィニズムの理論を批判しているが、そもそも著者が想定するようなピュアなネオダーウィニストは存在するのか怪しい。存在しない仮想敵を作って、それを批判することで自身の論の正しさを根拠づけようろする場合、その論自体が怪しい場合が多い。
    突然変異と自然淘汰以外に進化の動力があるのであれば、それは明確に示せばよい。生物の世代を超えて遺伝子以外で共生により伝わっていくものがあるのは、ある意味その世界では常識にもなっている。ミトコンドリアもそのように捉えられているもののひとつだ(著者の言わんとするところはそれ以上のもののようにも思われる)。

    『○○にとって××とは何か』というので思い出すのは、吉本隆明の『言語にとって美とは何か』。あれも、著者の気合いは入っていたけれども、こちらはさっぱり分からない上に、少々??というところがあったなと思い出したり。

    Kindleで安くなっていて、タイトルが魅力的に映ったので、釣られて購入してしまった。

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著者プロフィール

池田 清彦(いけだ・きよひこ):1947年東京生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。早稲田大学、山梨大学名誉教授。専門の生物学分野のみならず、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野で100冊以上の著書を持ち(『構造主義科学論の冒険』 講談社学術文庫ほか)、フジテレビ系「ホンマでっか!?TV」等、各メディアでも活躍。

「2024年 『老後は上機嫌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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