はじめて楽しむ万葉集 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.75
  • (1)
  • (7)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 103
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044054052

作品紹介・あらすじ

遙かなる万葉の言葉の時空に遊び、恋に身を焦がした人びとに想いを馳せる-。山上憶良、額田王、大伴家持などの数々の定番歌をはじめ、これまではあまり知られていなかった歌まで、珠玉の恋歌・望郷歌・四季折々の歌を多数紹介。わかりやすい解説とともに、瑞々しい情感を湛えた和歌の世界の豊かさ、美しさ、楽しさを味わう。思わず声に出して読み、暗誦したくなる歌に必ず出会える。身近で面白い「みんなの万葉集」宣言。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 万葉集なんて真面目に読んだのは(読まされたのは)高校の授業の頃であったか。

    「万葉集に集められた歌は、当時の人の生活様式、文化的背景、ものの考えを知る唯一の歴史資料である」
    なるほど。こんな読み方は教わらなかったし、知っていたらもう少し古典の授業が楽しかったかもしれない。

    上野さんは、一つ一つの歌の歴史的背景、当時の文化から一首の内に秘められた人々のドラマを紡ぎだす。学問的に正しいかではなく、思うままに想像の翼を広げた解説(エッセイ)は、圧倒的に面白い。時にあやうい男女の関係まで、万葉の世界がいきいきと広がる。

      白たへの 君が下紐 我さへに
      今日結びてな 逢はむ日のため

    恋中の二人にちょっとどっきり。共に夜を過ごした二人、また会うために互いの下着を整えるのは万葉人の習慣とか。

      験(しるし)なき 物を思はずは 一杯の
      濁れる酒を 飲むべくあるらし

    (地方の単身赴任はつらいよ)あれこれなやんでもしょうがない。酒の一杯でものんで憂さ晴らしでもするか!サラリーマンは何時も同じ!

    あっ!岩波の「万葉秀歌」は積読状態。

  • 4500首にも及ぶ万葉集の中から80数首が選んであり、入門にはいいのではないでしょうか。歌、解説、解釈の順に並んでいますが、解説がとても分かりやすいです。素朴というより技巧に走らず心のまま、現代にも通じる情感で歌われた万葉びとの歌をぜひ味わっていただきたいですね。もう少し多くの歌を取り上げてほしかったぐらいです。

  • 万葉集への興味は梅原猛の柿本人麻呂論に始まる。石見の国で亡くなったことに興味を持った。邑智郡美郷町にある斎藤茂吉の記念館にも訪れた(偶然だったけれども)。本書と同じ著者の新書も読んだ。「たそがれ」の意味に魅了された。万葉集の4500首をいつかは読みたいと思った。そうしていたら、折口信夫の口訳が岩波から出た。これは良いと、3冊買いこんで枕元に置き、毎晩2ページずつ読みだした。しかし、50ページを超えてもほとんど頭に残るものがない。自然消滅してしまった。偶然古本屋で本書を見つけた。なんともおもしろい。恋の歌がいい。胸が熱くなる。今も昔も、環境は変われど、人の心は変わらない。「忘るやと 物語りして 心遣り 過ぐせど過ぎず なほ恋ひにけり」(忘れることもあろうかと人と世間話などをして、気を紛らわせて物思いを消し去ってしまおうとしたが・・・一層恋心は募るばかりだった。)現代思想の万葉集特集も読みだした。来月には大人塾で万葉集を学ぶ。自分の中では万葉ブームである。(令和とは関係ない。いや特集はもちろん令和から来ているのだろうが。)

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1960年、福岡県朝倉市生まれ。國學院大學文学部日本文学科教授(特別専任)。奈良大学名誉教授。万葉文化論専攻。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。博士(文学、愛知学院大学)。著書に『古代日本の文芸空間―万葉挽歌と葬送儀礼―』(雄山閣出版)、『芸能伝承の民俗誌的研究―カタとココロを伝えるくふう―』(世界思想社)、『万葉挽歌のこころ―夢と死の古代学―』(角川学芸出版)、『折口信夫的思考―越境する民俗学者―』(青土社)、『万葉文化論』(ミネルヴァ書房)など多数。

「2021年 『万葉集の基礎知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上野誠の作品

はじめて楽しむ万葉集 (角川ソフィア文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×