私の沖縄戦記 前田高地・六十年目の証言 (角川ソフィア文庫)

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  • 角川学芸出版 (2012年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784044058043

作品紹介・あらすじ

昭和20年3月25日、本土防衛の犠牲となった戦闘は、米軍の艦砲攻撃で始まった。中でも「ありったけの地獄をひとつにまとめた」と米軍に言わしめた前田高地での激戦は壮絶を極めた。爆風に吹き飛ばされ、機関銃の乱射を受ける日々、繰り返すゲリラ戦。武装解除後、800名の大隊は29名となっていた――。終戦後に出された多くの資料をふまえた、一個人の体験に留まらないスケールの戦記。沖縄学の第一人者による貴重な記録。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

沖縄戦の壮絶な戦闘を生き延びた著者の体験を中心に、前田高地での激闘が詳細に描かれています。彼の手記は、戦場での恐怖や苦悩だけでなく、戦後の混乱期における再会の様子や教職に従事する姿も描かれ、戦争の影響...

感想・レビュー・書評

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  • 第二次世界大戦の沖縄戦。1945年の4月下旬から5月上旬まで那覇の北、現在の浦添市にある前田集落で白兵戦とも言える死闘が繰り広げられた。戦場を見下ろす高台の制圧を巡って、日本軍は壕に籠もりゲリラ戦を、米軍はその壕に火炎放射器をぶちまける。
    著者その戦いを生き延びた数少ない軍人。自身の手記が主だが、他にも日本軍やアメリカ軍の証言を集めて本に遺した。
    くしくも今年は前後80年。同じことを繰り返さないためにも、この本の意義は大きい。

  • 沖縄出身の初年兵だった外間守善氏の手記。氏が配置された第24師団第32歩兵連隊第二大隊(志村大隊長、山形・北海道・沖縄の部隊)が初期配置の島尻から前進して前田高地の戦いに従事、撤退もままならず、潜伏しつつ終戦・投降した流れを一兵士の視線から見る。

    また、普通の戦記はそこで終わるのだろうが、米軍に収容され、戦後直後の沖縄で教職に従事しつつも、21年秋には疎開した母や姉を追って本土に潜入し宮崎で再会を果たすところまでの戦後直後の混乱期の動きも興味深い。

    最後4割は、証言編として志村大隊長や第一大隊長の伊東大尉、同僚の北海道・沖縄の兵士、ハクソーリッジのエドモンド・ドス一等兵などの回想(前田高地の戦い中心)が記されており、前田高地の戦いが複眼的な見えるように工夫されている。

  • ふむ

  • 沖縄激戦の地、前田高地の戦いがつぶさに語られる。投降後の収容所での生活や文化的活動への尽力も興味深い。著者と同じ戦いを共有した人達の証言もたくさん掲載されている。戦争は恐ろしいとつくづく思う。個人的に、沖縄の地名や人名が難しく、ふりがなが振ってあっても次のページでは忘れてしまい、戻って確認したり、諦めて読み進めたり、また地図上で場所を調べたりして、少し読むのに時間がかかった。

  • 太平洋戦争末期、帝国日本の敗戦もほぼ確実な状況となり、アメリカの本土上陸の足掛かりとして、大規模な戦闘が行われた沖縄。日本軍は陸軍海軍合わせた正規軍隊は5万、現地招集の後方支援部隊などがほぼ同数、合わせて10万強。対するアメリカ軍は最初の上陸部隊だけでも18万、延べ上陸数は28万弱。加えて海からの艦砲射撃と空からの航空機による支援攻撃と、その圧倒的な攻撃力をもって昭和20年3月末から周辺島嶼そして4月1日から本島への上陸を開始する。その後の戦闘経緯については多くの書籍に記されており、将官クラスから一兵卒、民間から志願した鉄血勤皇隊やひめゆり部隊、そして行政の長と様々な立場から語られてきた。戦後の沖縄も基地問題などを抱え続けた事から、今なお夏になれば毎年の様に沖縄戦に関連する書籍が書店の店先に並ぶ。沖縄戦での軍官民の死者数は20万人以上とされており、巻き込まれた民間人の数は、沖縄県民50万の4人に1人が亡くなった想像を絶する規模である。
    本書は20歳で幹部候補制として沖縄現地招集となった初年兵の経験に基づき書かれている。特に激戦地として知られる前田高地の戦いが主となる。同地を巡っては日米が互いに奪い合いを繰り広げ、手榴弾を互いが拾って投げ合う様な肉弾戦が展開されていた。同高地を囲んで周囲の戦闘要地に展開する3つの大隊。いずれも勇敢に死を賭して繰り広げられる。筆者はその1大隊の大隊付きとして自身が見てきた戦闘経緯をありのまま語る。文字から伝わる悲惨さも凄まじいが、アメリカ側の視点で見た「ハクソーリッジ」で映像を観た方なら血生臭い泥に塗れた戦闘シーンをリアルに想像できるだろう。
    とにかく物量・兵力も圧倒的に違う2つの軍隊が戦う時、勝る側の凶暴性を劣る側の生命力がいかに上回るか。生と死の境界線を彷徨う兵士達の姿に涙が浮かぶ。
    後半は終戦から捕虜生活、そして本土に渡った筆者が当事者たちに会って得られた証言に変わる。誰もがその「あらゆる地獄を詰め込んだ」場所で生きた主人公であり、さらにそれら点の生き様を証言による線で繋いでいく。
    丁度選挙の時期で窓を開ければ外から選挙カーの喧しい音が入ってくる。それすら忘れ、艦砲射撃や手榴弾の爆音、身を潜め夜間に豪から豪へと静かなる転身を図る兵士の息遣い、暗い夜空を見上げれば美しい星空と波打ち際の海の声、郷に響き渡る痛みを伴う呻き声。次々と当時の兵士や民間人達が聴いたであろう音が自分の耳に響いてくる様な感覚に陥った。
    今年の夏はまた沖縄を訪れよう。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/732292

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/732292

  • あまりよく知らなかった、
    前田高地での戦いのことがなんとなくわかりました。

    後書きの、
    沖縄への思いがとてもこころに残りました。

    現実的にはむつかしい問題とは思うが、
    せめて沖縄をただのリゾート地と思う方が減ると良いと思いました。

  • 2019年1月読了。
    「ありったけの地獄を一つにまとめた」と形容される前田高地、シュガーローフの戦いの記録。
    であると同時に戦闘後に著者が体験した屋嘉捕虜収容所での生活描写が大変に興味深かった。
    軍政下に設置された沖縄諮詢会の文教部が、ハンナ少佐(文教部長)の元にキリスト教布教活動と沖縄の郷土芸能復興のための活動をしていたとのこと、特に郷土芸能従事者を「芸術家」と高く評価して沖縄固有の文化を手厚く保護したこと、民心掌握のためということもあろうが、軍政府による沖縄統治の巧みさを感じる(翻って今の在沖米軍と、その存在を是としている日本政府の無為無策を思う)。

  • "沖縄戦の記録を読むのは、本書が初めてだ。
    本書を手に取ったきっかけは、映画「ハクソーリッジ」を鑑賞してから。
    映像もすごいインパクトがあったが、本書を読むと前田高地の戦いが壮絶だったことがよくわかる。映画の主人公であった、デズモンド・T・ドスさんの記述もある。映画ではあたかも一夜の出来事のような描き方をしているが、何日も何日も戦場をさまよい八十余名の負傷兵を崖下に運び命を救ったとの記載がある。
    PTSDのリアルな描写もあり、著者が本書を書くことにも相当な葛藤があったことがわかる。戦争の恐ろしさは、人を殺してもなんとも思わなくなることだと、経験者が語りかける。
    沖縄が戦場となり、多くの人が亡くなった事実があり、今日の日本へと時代が流れたことを心に留めておきたい。"

  • 戦争の恐ろしさを感じた
    繰返される悲劇的な出来事に
    日本が戦争を起こしたり
    巻き込まれる事が無い事を
    願うばかりであった
    貧富の差の無い
    平等な地球が生まれるのではと思ったが
    国と国との利害関係とかを考えるとそうも言ってられないが
    実際問題 戦争や内紛が 起きない事を 望むばかりだ

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著者プロフィール

外間守善(ほかま・しゅぜん):1924-2012年。沖縄県那覇市生まれ。法政大学名誉教授。伊波普猷の後を継いだ琉球文学・文化研究の第一人者。『おもろさうし』など古代南島歌謡をもとに、琉球文化の源流を解明する研究に取り組んだ。著書に、『おもろそうし』(岩波文庫)、『沖縄の歴史と文化』(中公新書)など多数。

「2022年 『沖縄の食文化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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