しきたりの日本文化 (角川ソフィア文庫 365)

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  • 角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044064075

作品紹介・あらすじ

喪中とはいつまでをいうのか。時代や社会の変化につれて、もとの意味や意義が薄れたり、変容してきた日本のしきたり。「私」「家」「共」「生」「死」という観点から、しきたりを日本文化として民俗学的に読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 注連縄が縄の逆巻きなのは、制作作業が難しくそれ自体が「行」になるから773

    桃の節句の白酒は、女子に呑みやすいから作られたのではない。この頃は冬季のシケで廻船が中断しがちなのだ、下り酒の入手が困難。そこで少量の酒に酒粕とみりんを混ぜたのが由来1245

  • 一般家庭で行われているしきたりについて、もっと触れられていると思ったが、総論、概論が多いような気がした。
    研究書にしては浅く、読み物としてはつまらない。

  • おみくじ護符であるので吉がでたら財布に入れるか神棚に納めるかして1年間のお守りにする。凶がでたら逆手(利き手でないほうの手)で枝に結ぶ。結びにくいことで「行」とし身を祓い再びおみくじを引くのだそうだ。本来は禊をするなり荒行で身を祓うのに代えて逆手で結ぶことで代替する。作法の「縮小化」である。
    宗教にあらざる「信心」というもので、私ども日本人は、それで代々が「安気」に暮らしてきた

    こうした「信心」に根ざす「作法」は地域ごと家ごとに伝承されてきた。地域や家というものが崩れてくる中でしきたり本などが生まれてきたが、「なんのためにそうするのか」をとかないまま作法はかくあるべし断定するのはいかがなものか。

    「なんのためにそうするのか」「原初のかたちはどんなものだったか」ということを中心に私・家・共・生・死をめぐる作法の原義と各地での作法の違いを丁寧に説明し、そんな作法のあり方を通して日本文化とは何かを考えさせられる本である。

  • 我々の身近にある日本文化のしきたりについて学べる本です。外国人だけでなく、しきたりを詳しく知らない日本人にも読んで頂きたい本です。
    (制御システム工学科 B3)

  • いかに今の日本人が文化的しきたりを忘れているかもしくは、間違った解釈をしているのかよく分かり考えさせられた。

    しきたりというものは古臭い物なのだろうか?

    あるものは形は変えても現代に残り、あるものは形も意味も変わっているが残っている、またあるものは一切消滅してしまった。

    いったい何を持って受け継がれたと解釈できるのだろうかもっと勉強する余地はある分野だろう。

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著者プロフィール

神崎 宣武(かんざき・のりたけ):1944年岡山県生まれ。民俗学者。武蔵野美術大学在学中より宮本常一の教えを受ける。長年にわたり国内外の民俗調査・研究に取り組むとともに、陶磁器や民具、食文化、旅文化、盛り場など幅広いテーマで執筆活動を行なっている。現在、旅の文化研究所所長。郷里で神主も務めている。主な著書に『大和屋物語 大阪ミナミの花街民俗史』『酒の日本文化』『しきたりの日本文化』『江戸の旅文化』『盛り場の民俗史』『台所用具は語る』などがある。

「2023年 『わんちゃ利兵衛の旅 テキヤ行商の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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