- Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044069070
作品紹介・あらすじ
千三百年の春、復活祭の木曜日。闇黒の森に迷い込んだ詩人ダンテは、尊師ウェルギリウスに導かれ、生き身のまま地獄の門をくぐり九つの圏谷を降りてゆく。肉欲、欺瞞、異教、裏切り――地上での罪により呵責を受ける魂の叫び。ダンテは怖れ慄きながらも言葉を交わし、神が造りたもうた人間とは何か、その罪とは何かを探る。ボッティチェリの素描とともに読む西洋古典文学の神髄。第一部「地獄篇」。エッセイ・島田雅彦
感想・レビュー・書評
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ダンテ自身に危害が及ぶことはなく、歴史上の人物やダンテの身近な人物などがみんな地獄に落ちている。敵の多い人だったのだろうか。ダンテには嫌われたくないものだ。
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面白い。文語調でわけのわからない日本語になっている訳が多いけれども、この訳は平易さを追及しているようで、とても読みやすい。カトリックに多少なりともシンパシーを覚える人ならば、楽しく読めると思う。キリスト教に否定的な人が多いこの国で、このような平易で読みやすい訳があるのはありがたい。
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読んどくべきかなと思って読んだ本。
様々な罪に対して異なる罰を与えられる魂。ダンテさんの想像力の逞しさたるや! -
終盤。ピサ、飢餓の塔における、ウゴリーノ伯とその子、孫らが閉じ込められた実話。絶望感。カニバリズム的表現。
「父よ、どうして助けてくれないのか」という、子の絶命の声。これは新約聖書の「主よ、我を見捨て給ひしか(主の元へ召されることの確約?)」に似せられている。
作者ダンテが追放された時、ダンテとその子らの状況にも重ねられている。 -
以前、別の出版社から発行されているものを読んで、
とにかく労力がかかって挫折した作品。
二度目、たまたま手に取ったのがこちらの出版社でした。
相当、学問をされていないと、
とてもじゃないが書けないな、という作品。
解説を含め読ませていただいても、恐らく一割弱しか理解出来ていないと思います。
ただ、その中でも、
ダンテの人間的で等身大な雰囲気に、
なんだか親しみが湧きました。
違う訳者で読みたいかな、と。個人的には。
以前半ばまで読んだせいもありますが、
訳者御本人の配慮とは理解しながらも、
少し平易というか、安直な訳に感じました。
導入としては、理解し易かったです。 -
基礎教養としての神曲。後のキリスト教世界に与えた影響が大きすぎて、我々も無視して通ることができない。
地獄篇、読破しました。
身近な人間を地獄に叩き落してるダンテに笑えた。
個人的な恨みに近いような・・・。
ダンテさんも人間だね。 -
地獄、しょぼい。
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む、難しい…。一時流行った「地獄」だったかの絵本みたいな感じ?には楽しめた。地下に行くほど寒そうなのが印象的。マグマじゃなくて太陽が大きな存在だったのかなぁ。
歴史に疎くてピンと来なかったのが大きい。でも当時の人たちは「あーあいつが8つめの地獄ね。ざまー!」みたいな感じで読んだのかしら…とか思ったけど、やっぱ当時の人たちは識字とかあるしあんま読んでなかったのかな。
帯のアオリは良くないね。文脈を無視した文章の切り取り。注釈も個人的には読みづらいけど他のがわからないからなんとも言えない。
宗教観の違いとは面白いものだなぁ。もう少し周辺知識があれば再読したい。