とりかへばや物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA (2009年6月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784044072056

作品紹介・あらすじ

権大納言の息子は内気でおしとやか、対して娘は活発で外交的。このままでは貴族として暮らすことが難しいと心配した父親は、2人を男女の性を取り替えて成人式をあげさせた。娘は男性として女性と結婚、息子は女官として女性の東宮へ出仕。すべては順調に進んでいるようだったが……。『源氏物語』の影響を色濃くうけながら新たな境地を開いた物語は、登場人物の心に深く分け入りながら、大団円へと物語を収斂させていく。

みんなの感想まとめ

人間の本質や幸せについて深く考えさせられる物語が展開されます。平安時代の男女の性を取り替える奇想天外な設定を背景に、登場人物たちの心の葛藤や関係性が巧みに描かれています。物語は、源氏物語の影響を受けつ...

感想・レビュー・書評

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  • これはちょっとやばいかも

    というわけで三宅香帆さんの『妄想古文』で気になった『とりかへばや物語』を早速
    ただし、ちょい逃げでビギナーズ・クラシックスです

    まずもう『とりかへばや物語』がおもろー!いやマジすごいわ!平安時代すごいわ!
    まぁちょっとこの時代の特徴でもある男女関係の乱れがエグいんだけど、1個々々の関係性自体はまぁそれなりに心が通っているので許せなくはない

    自分らしくあるってことはどういうことなのか、そして人間の本質ってなんなの?幸せってなんなん?ってことを考えさせられるすんばらしい物語でした

    そして、やばいのはビギナーズ・クラシックスよ
    いわゆるダイジェスト版って感じなんだけど、一節が「あらすじ」「現代訳」「原文」「解説」「平安時代の豆知識」って構成になっていて、もうめちゃくちゃに読みやすいのよ
    まさにビギナーズ・クラシックス(初心者のための古典全集)なのよ

    これはほんとハマりそう
    次は『枕草子』か『土佐日記』かな〜

    • 土瓶さん
      なんだっけ。
      最古の男女取り換え物語だっけ。
      なんだっけ。
      最古の男女取り換え物語だっけ。
      2024/06/02
    • ひまわりめろんさん
      それ!
      それ!
      2024/06/02
    • おびのりさん
      それ!
      コミック「とりかえばや」もお勧めしたい
      帝がイケメン
      それ!
      コミック「とりかえばや」もお勧めしたい
      帝がイケメン
      2024/06/03
  • ひま師匠オススメシリーズ!これはすごいよ!
    古典文学、終わりまで初めて読めたよ\(//∇//)\

    すごい読み易くて、オマケにそれぞれの章の最後に書かれている『コラム』『寸評』が、読んでいる時の「?」の絶妙な助けになってくれた!高校時代にこのシリーズに会いたかったな笑

    話は今の小説にも負けない怒涛の展開。まあドロドロの男女の世界ともいう。こんな話よく書けたよね〜。源氏物語がやっぱりベースにあるみたいだけど、よくあることだったのかしら。なのにいきなり最後、大団円!っていうのは...一応女の人として、それちょっとどうなの?!が正直な感想。

    そして、どうしても一言言いたい人がお2人。
    「権中納言、何しとんねん!(怒)」
    「男君、はっちゃけすぎやで!(怒)」

    これで未踏『源氏物語』読了に一歩近づいたか?!
    でも挫折したくないから、まだ読まない〜♪もう少し寄り道して、同時代の古典を色々読んでみようっと。

    • ひまわりめろんさん
      そうでしょうそうでしょう

      そしてへぶ坊の言う通りコラムが絶妙なのよ
      ちょっとやっぱり難しいなーって思う気持ち引き戻してくれるんよね
      このシ...
      そうでしょうそうでしょう

      そしてへぶ坊の言う通りコラムが絶妙なのよ
      ちょっとやっぱり難しいなーって思う気持ち引き戻してくれるんよね
      このシリーズは基本このかたちなんだけど、この『とりかへばや物語』は、特に本文を読んでいて「あれ?これどういうこと?」「これ何?」「なんでこんなことすんの?」みたいなんを的確にそして面白く解説してくれたということで、シリーズの中でもかなりおすすめ

      そしてもっと大切なのはちゃんと古文が載ってるところ
      難しいんだけど、これはこれで一応読まないと「古文を読んだ!」って気にならんよねw
      2025/02/02
    • へぶたんさん
      素敵なシリーズのおすすめ、ありがとうございます♪
      光文社うにょシリーズに似た匂い?を感じますね(^^)

      古文は、難しいですね〜ほんと、解説...
      素敵なシリーズのおすすめ、ありがとうございます♪
      光文社うにょシリーズに似た匂い?を感じますね(^^)

      古文は、難しいですね〜ほんと、解説ありきです
      このバックグラウンドを知るか知らないかが、楽しく読めるか読めないかの分かれ道ですね〜σ^_^;
      2025/02/03
  • 男君と女君で入れ替わる
    現代でも漫画やアニメでありそうな物語
    面白そうな所がダイジェストで読め
    解説文 現代語訳 古文 用語説明も
    ばっちりついてるので分かりやすい

    ご都合主義の面白半分で
    描かれてた物語なんだろうな〜
    と勝手に思っていたけど
    そうでは無く当時の価値観や
    常識に縛られるさまの描写...
    男君は戻った後の世界に
    すんなり馴染んだのとは対象的に
    女君はその後生きていくのが
    しんどいなぁと思った
    快活さが薄れて物思いに塞がれ
    自分の意思で殿方と結ばれる訳ではなく...

    「日出処の天子」の刀自古ちゃんを
    ちょっと思い出してしまった

    これNHKでドラマ化してくれないかな?
    森下佳子さんの脚本で
    セットは去年の「光る君へ」を流用して

  • 面白かった。初心者初学者にも読みやすく、内容も現代のドラマのようだった。ぜひ再読したい。

  • 性とは一体どうあるべきなのかを強く訴えかけている本だと思う。
    所謂男らしさ、女らしさに縛られているこの社会で兄弟はそれぞれの性格とのギャップを感じ、父親が性を偽装し別々の性別で人生を送っていく。

    女君は男の姿であるときの果断に富んだ性格が本来の女君の姿になることで一変しステレオタイプの男を待ちわび苦悩し
    男君においては引っ込み思案な性格から宇治の女にもアタックする疑いようのない色男へと変貌した。

    このように考えると男はこうあれ、女はこうあれという規範が確固たるものとなりすぎているあまりに、幼少期の性格がどうあれ型にはまった性格に変わっていってしまうのだとも思った。

    また元の性別に戻る引き金を引いた内大臣が女を得られなければ渇望し、得られればまた次へと「ゲームのような感覚」で、そして行方のわからなくなった女をいつまでも思い恋慕に浸り続ける滑稽さとそのゲームへ取り組む真面目さを感じられる。

  • 左大臣には、内気でおしとやかな息子と活発で外交的な娘がいて、2人の性の役割を取り替えて成人させた。性を偽って宮仕えする若君と姫君はそれぞれの道で大きく成長していくが、どういう結末を迎えるのか。
    源氏物語の影響を受けた平安時代の読み物だが、現代じみたドラマで当時にとっても荒唐無稽ではあるが、その人間関係の描写や心情が深く現実的で読み応えありまくり。
    280冊目読了。

  • 初めて粗筋把握した。こんな話しとは知らんかったわ。
    ストーリーも凝ってるし文章もこなれており、これは源氏なんかよりよっぽど中高生に読ませるべきなんじゃないかと。

  • 問題集などで部分的に目にしたことがあるが、通して筋を読んだのは初。
    必要な情報がコンパクトにまとまっており、学習者には最適。

    男女のこどもが逆であればよかったという今であればジェンダー問題で抗議が来そうな内容だが、平安時代では今以上に男女がそれぞれが自分の特性を生かし生きる道を選択することが難しいことがわかる。
    男のほうは女よりも順応が早く、ただの色男になっていくというところが滑稽。

  • 古典の原文に触れてみたくて、現代語訳を読む前に手に取りました。
    ダイジェスト版ですが、あらすじは良く分かるし、解説も興味深く感じました。田辺聖子の現代語訳も読んで見ましたが、やはりダイジェスト版は味見と言った感じで、原文にせよ現代語訳にせよ、全体を読むとこのお話の素晴らしいところがよく分かりました。
    特にこのお話は、自分らしさと社会的に負わされる役割のギャップに苦しむというのが、現代人と通じると思います。

  • 鈴木裕子編『とりかへばや物語 : ビギナーズ・クラシックス日本の古典(角川ソフィア文庫)』(角川学芸出版)
    2009.6発行

    2017.11.2読了
     まずこの作品が一千年近く前に創作されたものであることに驚きを隠せない。男と女が入れ替わるというモチーフはすでに一千年前から使われていたのだ。平安時代の貴族社会にあっては、内気でおしとやかな若君と活発で外交的な姫君では一族の繁栄は望めない。そのため、父親の願望で、若君は女として、姫君は男として社会に出ることになるが、二人は決してLGBTということではなく、むしろ性を偽装した姿として描かれている。つまり、心も体も男(女)なのに女(男)として生きなければならない葛藤を描いている。
     言い換えれば、社会で生き抜くために性の偽装を要求されるという点において、この物語はトランスジェンダーに類似した主題を孕んでいる。物語では姫君が失踪するという事件を契機として、性の偽装が解消される結果となる。若君は比較的人生を謳歌するのに対し、姫君は帝の妃となりつつも苦悩を深めていく様子であり、編者は、ジェンダーステレオタイプとしてのキャラクター再設計に、残念がる読者の出現を心配しているが、では、現代に思いをはせたときに、果たして古臭いジェンダー論として笑えるかというと些か躊躇いを覚えないでもない。

    URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000010414881

  • 最近、古典の話を読むのにハマっている。
    なぜかというと、思ってた以上に面白いからだ。
    平安時代などという雰囲気もそうさせてる要因かもしれないが、何より話の内容が面白い。
    時を超えて読み継がれる話には、それ相応の理由があるらしい。
    今回も、とても面白かった。

  • ストーリー展開が面白く、源氏より読みやすい。
    男君よ、尚侍として出仕した途端に目覚めちゃって。入れ替わり後の色男ぶりは何なのかしら。それに比べて女君の苦悩の深さよ。

  • びっくりするぐらい現代的だなと思わせる箇所があり、それだけでも読んでよかったと思う。作者不詳とのことだけど、男性によって書かれたなんてありえないと思う…。

  • 1000年前に書かれたこのお話は、今でも充分楽しめるし、今だからこそ考えさせられるジェンダーの問題。
    生まれ持った性質より生まれた性別で役割や振る舞いが制限される時代。男女の役割を入れ替えたきょうだいの運命やいかに?

    面白いのは、男性の魅力として、優美さやたおやかさが描かれていて、平安時代の平和さを象徴してるなと思いました。
    また、権力や男性的な力によって手篭めにされた女性が悲しんでいる場面で、権力を行使した側は気づかなくても、力によって傷つけられた方は恨みを溜めているのだという解説にうんうんと頷いてしまった。

  • ところどころ内容が紛失しているのがとりかへばや物語だっけ?全文載せようにも難しいのかな?

    きょうだいで性別取り替え、最後はあるべき姿に戻って大団円、なんて聞くと少女マンガにありそうなラブコメだけど、読んでみたら意外とラブコメしてなくてびっくり。
    むしろ最後なんて女君の様子を見るとなんだかすっきりこないなーと思う。

    それにしてもこの作品に登場する男性はまったく魅力的じゃないね…なんだかもやもやするね…。

  • 「女君」の心がクローズアップされていく物語の進行がやはり興味深い。
    女君が「ああ、自分も男の訪れを待つばかりの女になってしまった」と嘆くあたりを、同時代の読者たちはどう思ったんだろう。
    女性は身につまされたのかな。そして、男性は…?

    男女の境が攪乱されたけれど、結局伝統的な男女の役割に収斂していく、と読むべきなのか、攪乱の中になにがしかの価値があるのか。
    どう判断すべきか、まだ決めがたいけれども、とにかく読了。

  • 古文のテキストや日本史の中で名前を聞くこともある古典。
    ビギナーズ・クラシックスゆえ全訳ではなく、要所を選んで訳し、残りの部分はあらすじで補うという形なのですが、現代語訳の後に寸評がついているため、物語の展開が分かりやすいものとなっています。

    さて、容貌も信望も優れる権大納言。
    しかし彼の二人のこどもは、男君は内気でおしとやか、女君はとても活発であったため悩みは尽きない。
    設定として、男君・女君とも性自認のズレということではないようですが、男女のステレオタイプから外れていたので、「とりかへばや(とりかえたい)」と嘆く親のもと、男君は女性として、女君は男性として育てられる、というところから物語が展開。

    読み進めるごとにどんどん面白くなっていくのですが、ストーリー中、やたらと契りは結ばれるし、もとの姿に戻った男君は実は普通に好色だったとか、なかなかぶっ飛んだ内容でもあります。
    宗教的に性のタブーがなかった日本ならではの物語なのかもしれませんが、契りの描写では歌を詠じるシーンが頻繁に出てくるのも「いとをかし」く、高尚にすら思えてくるのが古典文学の面白いところです。

    物語の結末は大団円。
    男君と女君は巧みに偽装を解いて入れ替わり、男君は関白に、女君は中宮(皇后)にまで上り詰めハッピーエンド、なのですが、男君はいいとして、入れ替わり後の女君の苦悩の様子には妙にひっかかるものがありました。
    ともあれ、千年近くも前の作品とはいえ、主人公たちの心理描写を通じた魅力的なエンターテインメントとして物語は成立しています。

    解説によると、この物語には古本(11世紀末頃?)と今本(12世紀末頃)があったとか。
    古本版はストーリーに少し不自然さがある一方、今本版は自然な形にアップデートされており、そのおかげで現代まで鑑賞に堪えうるユニークな物語として成立しているのでしょう。
    日本の古典は面白い。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000072223

  • 男女の入れ替わりを通じてジェンダーに苦しむ女性を書く、平安時代とは思えない先進的な作品。コラムや豆知識も書かれていて楽しく読める。ただ最後が消化不良かも。

  • 男勝りの女君と引っ込み思案な男君。それぞれ男と女に入れ替えて育てられることになった。

    本来の立場に戻り男装して以降、男君はキャラが変わったように、急に男性貴族らしくなる。
    宮仕えを始めてから自信を持ち始めていたとはいえ、形から入ると中身も影響を受けるということか?

    『徒然草』の第八十五段を思い浮かべた。
    「狂人のまねとて大路を走らば、すなはち狂人なり」

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著者プロフィール

駒澤大学教授
著書・論文:『『源氏物語』を〈母と子〉から読み解く』(角川書店、2005年)、『源氏物語大事典』(共編著、角川書店、2011年)、「源氏物語における死と救済―葵の上の死をめぐり―」(『駒澤大学総合教育研究部紀要』第18号、2024年3月)など。

「2024年 『『源氏物語』創成と記憶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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