- Amazon.co.jp (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044072247
作品紹介・あらすじ
宗派や時代を超えて愛誦される「般若心経」。人々の幸せを願い続けた空海は、最晩年にその本質を〈こころ〉で読み解き、後世への希望として記した。名言や逸話とともに、空海思想の集大成をわかりやすく読む。
感想・レビュー・書評
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空海、人生最後に記した「秘鍵」を読み解く。
代表的な一節ごとに、単なる現代語訳でなく解説を加えて理解を深めさせてくれる。
「顕密は人に在り、声字は即ち非なり」
顕教か密教かの判別は、それを見る人の眼力で決まるものなのであって、言葉じりや文字づらで決まるものではない。
これなどはまだシンプルな方。2行ほどの原文読み下しを、半ページほどかけての解説も。ただ、一般人はそれなくしては理解できない深みのある原書であることは、よく分かる。
宗教学ないし宗派毎の解釈の是非はさておき、心の糧になる一冊には間違いない。
「#般若心経秘鍵」(角川ソフィア文庫、空海著、加藤精一編)
Day127
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何度も読みたいと思う。
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美しい現代語訳によって、誰もが、弘法大師空海の灌頂を受けることができる。
訳者?である加藤精一さんは、かねてから「弘法大師空海の著作を、できるだけ正確な現代語訳にして、多くの人々にその概略を理解できるようにしたい」と願っていらっしゃったそうです。
そして、空海の処女作である『三教指帰/さんごうしいき』(空海24歳)、『秘蔵宝鑰/ひぞうほうやく』(空海57歳と考えられる)を上梓された後、平成23年、この『般若心経秘鍵/はんにゃしんぎょうひけん』(空海61歳)を出版されました。
空海の著作が、加藤精一さんが訳してくださった現代語のように、丁寧な言葉づかいだったのか?そのニュアンスは、私にはわかりませんが、その優しいことばから、いやきっとそうだのだろうと、弘法大師空海のお人柄が偲ばれます。
この、私でも理解できる美しい現代語訳によって、誰もが弘法大師空海の灌頂を受けることができます。こうして、加藤さんが、成し遂げられた、このようなお仕事を人は、ライフワークと呼ぶのではないでしょうか? -
★★★★なのは、わたしの理解不足
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顕教をしのぐ真理であるはずの密教(真言宗)が、大乗経典である般若心経をなぜ重んじるのか。空海お得意の我田引水的な論理が展開される。悪くないです。
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般若心経には、ブッダの教えが語り尽くされている、というが、梵字一文字にしても、凝縮に凝縮を重ねて様々なことが語られていると言われれば、やはりそれを解凍して解き明かすには、受け手側の力量が必要とされ、だからこその「顕密は眼力による」ということなんだな、と。/心を静め正しい智慧を養えば、生死の海を渡っていける。般若心経は大般若経の一部ではなく独自のもの。/美しい蓮の花を見ては、自分の中にこのような美しい仏心が本来そなわっているのだと思い、その蓮の実を見ては、自心の中にすでに蓮の実のように仏徳がそなわっていることに気づきます。/真言ダラニとは何と不可思議なものでしょう。これを誦えるだけで無始以来人間が持っている無知から開放されるのです。
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般若心経を忠実に読み解くというよりも、
空海が密教の教えから般若心経を大胆に解釈したというのが『般若心経秘鍵』
すこしぶっとんだ内容のように思ったが、宗教書であるならこれくらいの大胆さがあるべきだろうと納得した。
空海の壮大な精神には感服するほかないし、
それをなさせた般若心経とはやはりものすごい哲学だ。 -
空海の著したこの秘鍵を原文で読めない自分にとって、空海の思想を理解する参考となった。随所にルビがふられて読みやすかったが、著者は宗教人であるので、日本で読誦されているとおりの読みをされており、梵語を密教を理解する上で重要視した空海の真意が伝導されているかは疑問として残った。空海最晩年の著作であり、穿った見方が許されるなら密教・真言宗を仏教の最上位に置くことを弟子達に伝えるための、空海独特の簡潔な文書ではないかと思われた。
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真言宗開祖・空海による般若心経の解説。
とてもわかりやすい現代語に訳されていて、
それを見ながらだと、古文が苦手な人も
原文がなんとなく読めてしまうのではないかと思います。
ただし、あくまで「真言密教」から見た般若心経の解釈です。
必ずしもオーソダックスな般若心経の解釈ではないと思います。
ですが、般若心経を、大乗仏教のためのお経にとどめず、
逆に密教のものであると主張するわけでもなく、
あらゆる教えを包摂したお経であるとしています。
訳者が述べています。これが空海がこの『秘鍵』にこめた想いだと僕も感じます。
「 あらゆる思想や宗教にそれぞれ価値を見出してそれぞれの地位を与え、それぞれが違いは違いとして認識しながらも、手を握り合って大道を歩んでいけば、構想や対立を避けることもできるし平和と共存が可能になるであろう。 」
9世紀にこんな思想を打ち立てた空海はやはり常人ではない。 -
いろいろな本を読んでいるうちに空海さんに興味がわいて読んでみました。大変勉強になりました。
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