宮本武蔵「五輪書」 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫)
- KADOKAWA (2012年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044072285
作品紹介・あらすじ
「地・水・火・風・空」の五巻からなる兵法書『五輪書』。無敗の剣豪武蔵が、死を前に遺そうとしたものとは何か。記述の重複部分を省略、内容ごとに順序を整理して、その極意が鮮明にわかるよう再構成。現代に通じる思想的な意味にも触れながら、その真意を読みとく。また自筆の書状や所縁ある諸藩の資料から、「巌流島の決闘」ほか、フィクションが先行しがちな武蔵の実像を明らかにする。精緻な解説と平易な訳文による決定版。
感想・レビュー・書評
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時代背景と共に、武蔵の精神が理解出来る本。武に生きた漢の心構えは、何か今の時代に必要な事を感じさせてくれる。
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武蔵の「二刀一流」は、どんな状況、どんな相手にも通用するように構成されており、とても説得力があった。自分は剣道をやらないが、スポーツをする者として、勝負の際、相手や戦況を良く観て対応することや、自分の心が片寄らないよう意識することなどは大変参考になった。
また「今日は昨日の我に勝ち」と日々精進することを重んずる心は、自分も見習いたいと思った。 -
電子書籍で読みました。
五輪書全文掲載ではないのは残念だけども、ポイントとなる本文と訳、解説が丁寧に執筆、編集されていて、五輪書の中身や宮本武蔵について知るにはいい一冊。
武蔵のイメージが変わりました。とても現実的な人だったのですね。 -
以前からちょこちょこ読んでたやつ。ようやく読み終わったが最初の方はもうだいぶ忘れてる。兵法書だが、その道の人以外にも感じるところはやはりあって、面白い。五輪書の原文・訳と、前後に宮本武蔵の実像についてや、五輪書の現代における位置付けなんかも入っていて、宮本武蔵入門的なところもある。五輪書は完訳ではないが、大部分入っている感じかな。実際に比較したわけではないが、類書の中でもよくまとまっている部類ではないかと感じる。強いていうなら、訳が、原文を尊重するせいかかなり直訳な感じなのは好き好きかも。
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宮本武蔵は覇権が豊臣家から徳川家に移る日本社会の激動期の武士。
地の巻:実績を記載し、これから自らが述べることに説得力を持たせる。兵法を学ぶものの心意気。 -
五輪書そのものを浅読みして「ふむふむなるほど」と賢ぶっても時間の無駄。
そんな読み方とは無縁にさせてくれる本。
○なぜ武蔵はこの本を書いたのか?が時代背景とともに解説されてること。
○なぜ五輪書がこれだけ普及しているのか?が時代推移とともに示されていること。
この2点だけでも価値高い一冊。
それにしても、五輪書おそるべし。人生の一冊になりそうだぞこりゃ。 -
武蔵は頭のいい人だったのだと思う。見直しをしたらしい前半はすごくまとまっている。後半は寿命のため、余り見返せなかったであろうと書いてある通り、やや繰り返しも多い。
全文掲載でないのは残念だが、編者が順番を工夫してくれてあり、非常に分かりやすい。加えられている説明も分かりやすい。悪くないと思います。
武道を何もしていない私なので、理解できていない所は多いにあると思うけれど、武道、そして武道に限らず何かを突き詰めて究明したい人に対するメッセージに近い。
武蔵が兵庫県出身なんて知らなくて、びっくりした。
英語のタイトルがa book of five ringsなのに不満。五輪書はそもそも武蔵が付けたタイトルでないらしい。武蔵は生真面目な人だったことがうかがわれ、各巻を火の巻などと名付ける理由などを物語ってから本文に入っている。五輪の輪はせめて倫ではないかを思う。。。この本には関係ないけど、翻訳を生業とする者として気になる。 -
武士道に関する書籍の一つとして読んだ。
剣術とは相手を倒すためのもの。融通無碍で型はあってない空の状態がその境地。この二点が武蔵の主張だと読んだ。
「武士道」と違って義•仁•礼の記述は少なく、修身に関する側面に集中して書かれた書物だ。このことを理解するために新渡戸氏の考えに先に触れておく方が適切だろう。
今度は「西郷南洲遺訓」にチャレンジだ。 -
もっと、精神論が多いと思いました。