大事なものは見えにくい (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 295
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044075033

作品紹介・あらすじ

ひとは他者とのインターディペンデンス(相互依存)でなりたっている。「わたし」の生も死も、在ることの理由も、そのつながりのなかにある。核家族化で社会に包摂される「家族」、コミュニケーションの非在と「わたしたち」の居場所。確かなことは何もわからない、価値の遠近法が崩れた現代社会のなかで、日常の隙間に生じる違和感を育て、答えの見えない「問い」と向き合いつづける。語りきれず、噛みきれない想いを紡ぐ、珠玉の哲学エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 「実績をあげてから、モノを言え」
    職場の上司に、こう言われたことがあります。

    それ以上、何かを話したい気持ちになれず。
    上司の話を、適度に聞いて流してしまいました。

    実績って、何だろう?
    売り上げ?
    企画立案の数?
    たしかに、数字で示せる実績は、大事。

    でも、
    正直なところ、私は、「実績をあげる」という目標に、あまり気持ちが燃えない。
    どこか、冷めて見ています。
    そういう姿勢を見透かされているから、「実績あげてから、モノを言え」と、言われてしまうのかなぁ…。

    私の話は、愚痴や文句のように受け取られたのかな? と思い、
    少し、凹みました。

    最近、読んでいる鷲田清一さんの著書「大事なものは見えにくい」の中に、
    次のようなことが書かれてありました。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    何をするわけではないが、
    じっとそばにいるということがもつ力を評価することを
    私たちの社会は忘れている。

    例えば、昨今、いろいろな機関で義務付けられている「評価制度」。

    そこでは、どんな計画を立て、それがどれほど達成されたかばかりが問われ、
    どれだけじっと待ったとか、
    どれだけじっくり見守ったかなどということは
    評価の対象にはならない。

    評価されるのはアクティブなこと、
    つまり、何をしたかという行動実績ばかり。

    パッシブなこと、
    あえて何もしないで、ひたすら待つという受動的なふるまいに注目されることは
    およそない。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    営利企業であれば、売り上げをあげなければ継続が難しいし、
    社員が何もしないでは成り立たないと思います。

    でも、アクティブなことばかりを評価していると、
    上面だけのぎすぎすした組織になりそうです。

    それは、結局、めぐりめぐって、組織の発展にはならないと思うんだけど…。
    私が言っても、説得力ないかな。

    そもそも、人と人を比べて評価する(される)方法が好きではないので、
    会社という組織は、ちょっと窮屈なのかもしれません。

  • 本書は、哲学者であり2007年から2011年の間に大阪大学総長を務めた鷲田清一氏の短篇エッセイ集です。初出はおおよそ2002年から2008年の間での、北海道新聞や京都新聞への寄稿です。

    本書と出会ったのは、日能研でした。鷲田氏のエッセイが、2015年の開成中学の入試に出たのです。

    【書評】『大事なものは見えにくい』 : なおきのブログ
    http://naokis.doorblog.jp/archives/importance_is_invisible.html
    学校と大人、学校と社会との関係再構築〜『 大事なものは見えにくい』より : なおきのブログ
    http://naokis.doorblog.jp/archives/relation_of_school_and_society.html

    <目次>
    -? 問い
    -? 行ない
    -? 間合い
    -? 違い
    -? 養い
    -? 囲い
    -? 佇まい
    -? 迷い
    -初出一覧
    -あとがき
    -文庫版あとがき


    2017.06.25 日能研で。開成中学2015年試験に出題される。
    2018.03.26 読書開始
    2018.04.02 読了
    2018.07.01 2018年度第2四半期ベストスリーの選出

  • 哲学書。自分とは何か、死とは何か、今の教育とは、言葉とは、など、じっくり物事を考え直す機会を与えてくれる本。水筒の話が好きだった。

  • 生きていく上で、ともすれば忘れがちになる大切なことを、珠玉の言葉で教えてもらえる。

  • 大事なものが見えて来た♪

  • 『噛み切れない想い』と全く同書。

  • 鷲田清一の単独著書を読むのは本書が初めて。
    臨床哲学を標榜するだけあって、日常にマッチした柔らかな語り口で鋭い視点を投げかけてくれる。

  • 短い文章で完結に、伝えてくださっています。分かったつもりの間は何もわかっていないのだと。これかも心に残したい言葉がたくさんありました。

  • 【再読】 
     色々な見えないものを”再”確認出来たような気がする。
    見えないが大切なものがあると分かっただけでも・・・
    成熟とは齢とは関係ない・・・
     
    著者が鷲田 清一(きよかず)・・・
    前に読み終えたのが 水口 清一・・・
     日本柔道連盟の会長 (上村 春樹氏)ほどではなかったが・・・

    内容については、かなり面白いと思った。

  • 鷲田先生の哲学書は面白いです。初心者の私でもすんなり入り込める。
    たこ八郎さんのお墓には、このような言葉が刻まれているそうです。
    「めいわくかけて ありがとう」
    鷲田先生は問います。どうして、「ごめん」でなはく「ありがとう」なのかと。
    そして提起します。
    ここで「ありがとう」が意味するものが、『ケア論のコア』につながるのではないかと。
    ――― 深いですね。

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著者プロフィール

1949年 京都府生まれ.
[現職]大阪大学文学部教授.[専門]哲学,倫理学.
『モードの迷宮』ちくま学芸文庫,1996.『じぶん・この不思議な存在』講談社現代新書,1996.『ちぐはぐな身体』ちくまプリマーブックス,1995.『人称と行為』昭和堂,1995.『見られることの権利』メタローグ,1995.『だれのための仕事』岩波書店,1996.

「1997年 『原理論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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