日本的霊性 完全版 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • 角川学芸出版
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本棚登録 : 199
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044076030

作品紹介・あらすじ

昭和19年、鈴木大拙は軍部が宣揚する日本精神に対抗して日本的霊性を唱え、本書を著した。大拙は精神の根底には霊性(宗教意識)があると主張。鎌倉時代の浄土系宗教と禅宗を重視した。念仏や禅の本質を生活と結びつけ、わかりやすい言葉で読み解き、日本人が持つべき心の支柱を熱く語る代表作。大拙は戦後、長文の序を付け再刊し、霊性の主張を本格始動した。本書はこの2版を底本とした〔完全版〕。

感想・レビュー・書評

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  • 2013.7記。

    吉本隆明や梅原猛といった仏教と日本との関係を論じるひとたちがしばしば引用するいわば基本書である「日本的霊性」。いざ手にして見ると、議論は融通無礙(←仏教用語)にあちこち飛びまくるし、内容も「往生がすんで還相があるというのではなくて、往生がすなわち還相で」といった調子でわけが分からないから、適当に割り切って読み飛ばさないと手におえなかった。それでも、難解な仏教の教義がどう日本人の心のありようと関わっているのか、という部分でははっとさせられることが見出される。

    平安末期は「末法思想」が広がった、と歴史の授業で習う。著者は、貴族が弱体化し武家が勃興するこの変革期における、「何となく、『このままで、すむものではない』という気分」(P.145)を、「鋭敏な宗教的天才は、必ずこの種の焦燥不安が社会意識の上にただようて居るのを看取せずにはおかない」のだ(P.146)、という。

    また、ありがちな日本人論でよく取り上げられるものとして、「日本人はオリジナルを生み出すのは苦手だが、それを取り入れて応用するのが得意である」という言い方がある。外国から伝来した仏教に対しても、そのようなイメージを持つことは容易であろう。しかし、著者はこれを「日本的霊性がたまたま仏教にぶつかって霊性は仏教の上にどんな力を示したか」(P.131)と捉える。

    著者の思索を、分からないなりに追いかけることを通じて、何かをちょっとは垣間見たかな、という気分には浸れた。読み返せば理解は深まるかもしれない(が、まあその気力はないな、今のところ・・・)。

  • むずかしい・・・

  • 第二篇まで読んでながらく放置

  • フリーペーパーで紹介されてた。
    『インナートリップへの指南』

  • 前回読んだ「禅とは何か」よりもずっと深く、面白かった。禅だけでなく鎌倉以降の日本仏教を、浄土系を中心に解説している。最後の章では金剛経に依って禅の思考ポイントも詳述されている。
    紫式部や清少納言のみをもってきて平安時代の思考を批判するのはどうかと思うが、仏教の歴史を改めて概観する上でも役だった。
    もちろん、これが鈴木大拙の個人的思想であることも忘れてはいけないだろうが。

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著者プロフィール

本名、貞太郎。1870年、金沢市生まれ。東京帝国大学在学中に、円覚寺にて参禅し、大拙の道号を受ける。97年、渡米。帰国後、東京帝国大学、学習院、大谷大学で教鞭を執るほか、英文雑誌を創刊し、海外に仏教や禅思想を発信した。1936年、世界信仰大会に日本代表として出席。イギリス、アメリカの諸大学で教壇に立った。66年没。著書に、『無心ということ』『禅とは何か』『日本的霊性』などがある。

「2017年 『東洋的な見方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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