能、世阿弥の「現在」 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA/角川学芸出版
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044080075

作品紹介・あらすじ

世阿弥が大成した能とはどんな身体芸術だったのか。時間と空間のその時々において新たに変化生成する能は、世阿弥が創りあげた能表現とどう切り結ぶのだろうか。それを面や装束、橋懸かりの記号的な意味、序の舞の身体、ドラマを生み出す仕掛けとしての夢、さらには世阿弥の言葉「花」「離見の見」「幽玄」の真の意味などからとらえなおす。世阿弥が創造した演劇空間としての「現在」に肉薄し、能の見方に新たな地平を拓く。

感想・レビュー・書評

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  • 能と世阿弥にかんする著者の評論を収録しています。

    著者は、面や声、装束について、もっぱら現象学的な立場からの批評を展開するとともに、テクスト論的な視点もとりいれて能の物語構造にかんする分析をおこなっています。歴史的な立場からの議論ではないものの、各演目についての印象批評にとどまるものではなく、能にかんする美学的な考察と呼ぶことのできる内容だと感じました。

    とくに観世寿夫とジャン・ルイ・バローの競演についての分析では、身体へと閉じられてしまうバローのパフォーマンスと、空間へと広がる観世寿夫の演技を対比的に論じており、能における身体と舞台空間とのつながりについて興味深い思索が見られます。

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著者プロフィール

つちや・けいいちろう 1946年、東京都生まれ。明治大学長。明治大学法学部教授。専攻は法哲学。観世文庫理事。1970年、明治大学法学部卒業。1977年、明治大学大学院法学研究科博士課程単位修得退学。1990年『能――現在の芸術のために』(岩波現代文庫)で芸術選奨新人賞受賞。北京大学日本文化研究所顧問。主な著書に『正義論/自由論――寛容の時代へ』『ポストモダンの政治と宗教』『世阿弥の言葉――心の糧、創造の糧』『能、世阿弥の「現在」』『世阿弥 風姿花伝』NHK「100分de名著ブックス」など多数。

「2019年 『世阿弥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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