毎日の言葉 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • 角川学芸出版
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本棚登録 : 109
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044083076

作品紹介・あらすじ

アリガトウ、イタダキマス、スミマセン-。私たちが日頃無意識に使っている言葉の一つひとつは、どのような変遷を辿ってきたのか。地方に残る口伝えの古い言葉を通して、日常語のルーツを探り、日本語の豊かさを伝える。次世代に向けた、碩学ならではの独自の試み。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉は生き物だ。新装丁になっているものの、初版は1946年ということもあり、世代間のギャップのようなものが大きすぎてついていけない。

    「僕」は廃れるだろう、と書かれているが、どうだろう。浜崎あゆみさんら女性アーティストが好んで歌詞の中で一人称として多用し、中高生の少女はボクっ娘化している現代。柳田先生、はずれでしたね。

  • 言語にまつわる書籍ははじめてで、新しい知識ばかり。女性向けに書かれていることもありとても取り組みやすい一冊ではないかしら。
    巷ではサヨウナラについてその言い方の美しさをまことしやかに語られているが、その誤りに気づかせてくれる。(あいさつの言葉)

    また頻用するドウモアリガトウやモウシワケゴザイマセン、ボクなどもそのルーツを知り考え方を変えられた。

  • 言葉の語源。
    結構詳しいほうじゃないかと自負していた。
    けれども、一般的に言われる語源のさらに先、そこから説明されると、もういちいち新鮮でたまらない。

    「挨拶」というのは近世の漢語で、もともとそんな言葉のなかった頃は「言葉をかける」「声をかける」という行為を挨拶としていた。
    「挨拶」という言葉とともに、ある種の形式が伴うようになり、「言葉かけ」のような言葉が消えていく。
    と言われると、確かに挨拶の決まり事を守ることが第一義となり、相手の様子などはろくに見もしなくなったのかもしれない。(ビジネスあいさつの場合)

    今挨拶の言葉として使われている「おはよう」「こんにちは」「さようなら」などは、それぞれ文章の一部が残ったもので、省略をしてしまったがために言葉が形骸化していくのだと。

    著者によると、言葉は変化して当たり前であり、大切なのは美しい方向に変化させていこうとするひとりひとりの意志だ、と。
    けれど、この本が書かれてから何十年もたった今、日本語はもっと乱れてきている、と言われている。

    けれど、「漢語の名詞+する」で、新たな動詞を作ってきたのが、私達世代の正しい新語の作り方だったと思うけど、大昔の日本は「名詞+る」で作って来たではないか、と言われると、「タピる」は古来の方式にのっとった新語になるのか!?と思ったり。

    そういうことも含めて、言葉は変化しているんだよね。
    つまり自分が親しんできたこと以外はすべて「乱れてきている」と判断しちゃうんだろうなあ。

    地方の方言から語源を探るのは、さすが柳田国男と思うことしきり。

  • 挫折

  • 200ページ足らずの薄い本ではあるが物足りなさは感じない。

    本書では、いただきます、ありがとう、すみません、などのような、あまり深く意味を考えず習慣的に使ってしまいがちな言葉の成り立ちや元来の意味について、各地に残っている膨大な数の方言を手掛かりに考察している。

    結論の出し方はやや感覚的であいまいであり、もう少し明確化する余地があるようにも感じられるが、言葉を使う際は何も意識せずに周りを真似るのではなく、その意味をきちんと理解し、使うべきかどうか、使うならどういう場面で使うべきかを考えてほしい、という柳田の切なる願いはひしひしと伝わってくる。それは言葉に対する柳田の考察が真摯な態度と豊富な知識に基づいて行なわれているからである。

    私も読後改めて自分が言葉を粗末に扱っていることを反省した。

    「もっぱら若い女性を読者に予想して、書いてみたもの」(p7)と柳田本人が自序で明言している。決して押しつけがましくも高圧的でもないのでぜひ世の女の人に薦めたい。

  • 何より感動したのは解説における柳田の言葉である。

    1.よく知った言葉を使うこと
    2.(主観的ではあるが)美しい音の言葉を使うこと
    3.言葉を選択して使う心構え、習慣

    これらは全て「思うことが言える、意志を強く述べることが出来る」ことを目的としている。
    少年は些末な表現を避け、数ある表現の中で何を用いるべきか?
    未来における「美しい国語」のためにも、常にその意識を持つことの重要性を確認させられた一冊。

  • 言葉の起源を沢山の方言をもとに迫っていく本。

  • この本に収められた文章は、どれも「言葉」をめぐる民俗学的検証である。だから見ようによっては、言語学がなすべきだったかもしれない仕事を、民俗学者柳田国男が博識を注入して、独特の視点でやってしまっているという奇妙さが感じられる。
    たとえば「ありがとう」「もったいない」といった、極めて日常的な言葉をとりあげ、歴史的な文献をもとに、それは「元はそういう意味ではなかった」という指摘を次々に繰り出してくる。
    柳田はここで、みんながそれぞれの日本語の由来をより深く学び、もっと美しい日本語を話して欲しい。という思いを打ち出している。しかし言語は通常、誰が規定するのでもなく、人々のあいだで自然に成長・変容していく「生き物」であるということを考えれば、柳田の姿勢には若干お堅いんじゃないの、という気がしないでもない。
    この種の本は、現在では「雑学」本として多数書店に並んでいるが、柳田国男の本書はその先駆けであるとともに、楽しく読み通せる優れた書物だと思う。

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著者プロフィール

1875年兵庫県生まれ。農商務省勤務、貴族院書記官長を経て、1930年代以降は民俗学の著作に専念し、研究会や雑誌を主宰した。おもな著書に、『遠野物語』『木綿以前の事』『海上の道』など。1962年没。

「2021年 『葬送習俗事典 死穢の民俗学手帳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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