昔話と文学 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • 角川学芸出版
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本棚登録 : 30
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044083199

作品紹介・あらすじ

「竹取翁」「花咲爺」「かちかち山」などの有名な昔話(口承文芸)を取り上げ、『今昔物語集』をはじめとする説話文学との相違から、その特徴を考察。丹念な比較で昔話の宗教的起源や文学性を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙が可愛い割には、内容はなかなか難関だったような。
    民俗学の先駆けである柳田国男の時代でさえ、昔話の大半は既に消えつつあったらしいから、今に至るまで、数多くの昔話がなくなってしまったのだろうなと思った。

    あと、昔話がどんどん世俗化していくという個所が納得いった。

  • 『桃太郎の誕生』の続編的な感じの昔話分析集。いわゆる「かぐや姫」の元ネタに関する論文が多かったかな。どの昔話も、子供の頃にアニメで見た記憶があって、懐かしいなあと思いつつ、そのルーツをたどるとこんなことに!という目からウロコなことが相変わらずいっぱいで面白かったです。意味もわからず幼少時から使っている「ちちんぷいぷい」というおまじない(?)の言葉の元ネタが、昔話にあったのは驚きでした。

    「竹取爺」「竹伐爺」「花咲爺」「猿地蔵」「かちかち山」「藁しべ長者と蜂」「うつぼ舟と王女」「蛤女房・魚女房」「笛吹き聟」「笑われ聟」「はてなし話」「放送二題(鳥言葉の昔話/初夢の昔話)」

  • 先日読んだ『桃太郎の誕生』の続編のような位置にある本。やはり「昔話」を中心主題とし、それと「文学」=書かれたものとの接点を探る。
    冒頭扱われる「竹取物語」は、やはり当時既に広まっていった昔話を活用して書かれたものだ。柳田によるとこの物語の原型は全国に広まっている「羽衣談」の変形でもある。
    天上からやってきた天女が、地上の人間としばし過ごし、福をもたらしたのちに、再び天上へと去ってゆく。そういえば鶴の恩返しもそうである。しかもどうやら、この「天上」というのは富士山の山頂ではないかということが、この本ではほのめかされている。かぐや姫が生まれた「竹」自体が、富士山山頂にイメージされていたのではないか。
    富士山をめぐってはやはり多数の神話的・宗教的な伝説が存在した。山が不可思議なものであり、それゆえに神聖であるという日本人の発想をたどれば、なるほどそうなるのかもしれない。
    神話が庶民の、無数のパロールの層を経由することによって、昔話や童話に変容する。こう考えると、昔話をめぐる探索の思考もまた、「神話論理」を追いかける冒険なのだ。

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著者プロフィール

1875年兵庫県生まれ。農商務省勤務、貴族院書記官長を経て、1930年代以降は民俗学の著作に専念し、研究会や雑誌を主宰した。おもな著書に、『遠野物語』『木綿以前の事』『海上の道』など。1962年没。

「2018年 『祭祀習俗事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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