与謝野晶子の源氏物語 上 光源氏の栄華 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044084011

作品紹介・あらすじ

子供の頃から『源氏物語』を愛読していた与謝野晶子が、各話をダイジェストし、特に名場面の心理描写を丁寧に綴ったはじめての現代語訳。『源氏物語』を国民の愛読書へと導いた記念作。梶田半古の挿画を収載。

感想・レビュー・書評

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  • 源氏物語復習

    第一帖 桐壺 から 第二十九帖 行幸 まで
    箒木三帖 箒木・空蝉・夕顔
    玉鬘十帖 玉鬘から行幸 を含む


    与謝野晶子訳は、意訳ということですが、今まで読んだ源氏物語の中で、一番すっきりした感じ。
    各帖の光源氏のおおよその年齢が、書かれている資料があるが、「桐壺」の出生、「藤裏葉」の四十の賀から、逆算しているとのこと。先人達の努力。
    物語中の個人名が、本名でないので、慣れないと誰の事か分かり難いけれど、平成時代あたりは、まだ祈祷で病気を治す、物の怪の仕業、という時代。本名や生年月日は、呪術・呪詛の対象になるので、階級等で呼び合うのが通常だったのだと思う。
    与謝野晶子と谷崎潤一郎の新訳源氏物語の出版の時期が重なり、当初、大手出版社で宣伝効果があった谷崎源氏の方が売れていたようですが、今では逆転していますね。もう青空文庫にもなりましたが。
    最後まで読めそうです。

    • myjstyleさん
      夕顔を何某院へと連れ込んだ場面、(おそらく)六畳御息所が光の枕元に立って怨じるセリフがあります。先日、幾人かの現代語訳を読み比べましたが、与...
      夕顔を何某院へと連れ込んだ場面、(おそらく)六畳御息所が光の枕元に立って怨じるセリフがあります。先日、幾人かの現代語訳を読み比べましたが、与謝野晶子さんのが(全訳の方です)一番ぴったりしました。また、各帖の巻頭に和歌を献じておられるのも素敵ですね。
      2022/03/01
    • おびのりさん
      myjstyle 様

      コメントまで頂きありがとうございます。
      源氏物語は、訳者によって、だいぶ雰囲気が変わりますね。

      まだまだ源氏物語...
      myjstyle 様

      コメントまで頂きありがとうございます。
      源氏物語は、訳者によって、だいぶ雰囲気が変わりますね。

      まだまだ源氏物語初心者ですが、読み進めていくつもりです。

      林真理子さんの、源氏語りは、女性目線で面白かったです。

      また、本棚参考にさせていただきます。
      2022/03/01
    • myjstyleさん
      おびのりさんへ

      おはようございます。
      突然のコメントで失礼しました。
      源氏読みは楽しいですね。
      今後ともよろしくおねがいします。
      おびのりさんへ

      おはようございます。
      突然のコメントで失礼しました。
      源氏読みは楽しいですね。
      今後ともよろしくおねがいします。
      2022/03/01
  • 与謝野晶子が現代語に訳した『源氏物語』として、二種類の版が角川書店から出版されている。この角川ソフィア文庫版『与謝野晶子の源氏物語』(上・中・下巻)は、与謝野晶子が最初に出した現代語訳『源氏物語』。

    与謝野晶子が『源氏物語』の口語訳を行ったのは生涯に三度あり、最初の訳は1912年(明治45年)2月から翌1913年(大正2年)11月までの2年間に、『新訳源氏物語』(上・中・下一・下二巻)の全4巻として金尾文淵堂から出版された。しかし、この作品は北村季吟の『源氏物語 湖月抄』を典拠に書かれたものだから、『源氏物語』の現代語訳としては完訳版ではなかった。

    そこで、完訳版として『新新訳源氏物語』を出すために二度目の翻訳に取り掛かったのだが、1923年9月の関東大震災に遭い、文化学院に預けてあった原稿は全て焼失。そして昭和7年秋に三度目の現代語訳を思い立ち、昭和13年(1938年)10月より『新新訳源氏物語』第1巻を出して、翌14年(1939年)9月に全6巻が完結した。最初の訳を試みてから、「完全なものに書き変えたいと願っていた」著者の思いが、27年の歳月を経て成就したのである。そちらの『新新訳源氏物語』は、角川文庫版『全訳 源氏物語 新装版』(全5巻)として出ているし、電子図書館サイト「青空文庫」でも閲覧できる。

    このような経緯をみると『新新訳源氏物語』が決定版ということになるが、こちらの角川ソフィア文庫版『与謝野晶子の源氏物語』と合わせ読むことで、訳者与謝野晶子の解釈の違いや文体の変化を楽しむことができる。また、ストーリーは同じでも、典拠とする部分が異なっているので、両者は別々の作品とみることもできる。

  • 「桐壺」から「行幸」まで。

  • いつかは読んでみようと思っていたのだが、時が来たようだ。

    風流で粋な芸術や物事の話はとても興味深い。色の表現とか、自然のものを使ってていいなぁと思う(撫子色とかさ)古典ならではの雰囲気満載だ。

    そして光源氏は外見も芸術の才能も素晴らしい、もう 眩しいんだよ。
    でもやっていることは、女の人襲いに行ったら人違いー!とか幼女誘拐とか、わぁまじか、と思うことばかり。昔から人間てすごいんだなぁ。

    物語も後半になると、源氏もちょっとは落ち着いてきて、ハーレムを作ったり養女に恋い焦がれたり、あれ?落ち着いてないけど、でも昔の勢いとは違った、真の理想を求めるおじさんになります。

    和歌の意味がもっとわかったら、更に物語の良さを味わえるんだろうなぁ。残念。

    これから源氏がどんなおじいちゃんになっていくのか、続きが興味深い。


    紫式部が書いて、与謝野晶子が訳して、いま現代に生きる私がこれを読んでいるとは…すごいつながりな気がして、少しそわそわします。

  • 何度か挫折している「源氏物語」
    与謝野晶子氏の現代口語訳とのことで、読み始めました。
    話がすいすいと進んでいき、
    完全な口語とは思えませんでしたが、
    (中・下) と読み続けていけそうです。

  • 学校の図書館で各種訳を読んだと思うが
    一番読みやすく
    だけど古典の雰囲気をぶち壊しにしていない
    という適度なバランス感を保てているのはこの訳版だとおもう

  • 言い回しが多少古いので,現代語訳だと思わない方が無難.
    物語というよりも,歴史書として読んだ方が楽しめそう.

    機会があれば違う人の訳も読んでみたい.

  • 源氏物語を全部読んだことってありますか?
    全部で54帖ある長い物語です。これを聞くと多くの人は有名なところだけ、とか途中で挫折、と思うのでは?
    多くの人は12帖目「須磨」で挫折するから「須磨がえり」と言うそうです。
    この本も、上中下の3巻からなるので長く感じます。でも、光源氏の生涯、恋を綴る物語どれもが、次はどうなるの、誰と恋をするのと恋愛小説みたいに楽しめます。ところどころに入る和歌などは、それだけを見たら意味はわからないけれど、物語の中では意味もわかるし、なによりそんなにスラスラと和歌を読める登場人物たちに感動です。

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著者プロフィール

1878年大阪府堺市生まれ。大恋愛の末、与謝野鉄幹と結婚。処女歌集『みだれ髪』で一躍、情熱的な歌人として著名に。その後、小説、随筆、評論、童話、戯曲など多岐に渡り活躍。『源氏物語』は、幼少時代からの愛読書で、現代語訳も3度手掛けている。1942年没。

「2023年 『与謝野晶子訳 紫式部日記・和泉式部日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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