- 角川学芸出版 (2009年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784044085032
作品紹介・あらすじ
弘法大師はなぜ修行の場として四国を選んだのか。大師が修行した霊場は現在の札所と同じなのか。修行者が超人的な霊力を祈願した霊場を起源とする札所。札所からは美しい海を眺望する必要があった。めぐるだけではわからない本来の意味や歴史を明らかにし、古代日本人の宗教の原点に迫る。上巻は44番札所大宝寺から86番札所志度寺まで、主に瀬戸内海側の札所をめぐる。従来のガイドブックとは一線を画した知的冒険の遍路案内。
みんなの感想まとめ
本書は、四国八十八ヶ所の遍路を通じて、弘法大師の修行の道やその歴史的背景を深く掘り下げています。講義録形式で、四国の札所がどのように海洋信仰と結びついているのかを解説し、各札所の特性やその意味を明らか...
感想・レビュー・書評
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講義録の形式で四国八十八ヶ所の縁起や四国遍路を解説しているのだが、話の流れが変わっている。総論のあと室戸岬、石鎚山、足摺岬と来て、44番からお寺を紹介する(上巻は86番まで)。これは「弘法大師が確実に土佐を回っているから」で、足摺岬にある金剛福寺から石鎚山を目指す経路上に44番大宝寺、45番岩屋寺がある。実際に歩き遍路を経験した身からは、おやと思うが、お大師様は色んな道をあちこちへと歩いたわけだ。それにしても「集印するのが目的であるかのごとく八十八か所を回るのは、いかがなものか」という一文があるは耳が痛い(116ページ)。
元々の四国遍路は海洋宗教で、札所はどこも海と関係しているという。例え山中の札所でも、山号(岩屋寺の海岸山)や干満水といった海との繋がりを持つというのが面白い。「辺路信仰の本質は、海のかなたの常世にとどまっている祖先の霊に、聖なる火を捧げること」(49ページ)らしい。本書には五来重自身の説と言えそうな記述が散りばめられている。曰く、弘法大師は通訳者として唐へ渡った、龍燈は龍に向かって炊かれた火である、など。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宮田珠己著「だいたい四国八十八ヶ所」に引用されていた本で、四国遍路に関するガイドブックとして興味深く読み進めた。宮田氏がこんな真面目な本を参考に、あんな緩いエッセイを上梓したギャップが改めて面白い。閑話休題。著者は、四国遍路は海洋信仰から端を発したもので、奥の院に参ってこそ、その真価が理解できると書いている。確かにその説は首肯できて、岩場・鎖場を歩くのも楽しそうだ。その反面、スタンプラリー的に楽しむ遍路もアリなのだという思いも捨てられない。自分だったら、車遍路で御朱印も頂かなかったりしてしまうかも……
著者プロフィール
五来重の作品
