若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 (角川ソフィア文庫)

  • 199人登録
  • 3.37評価
    • (4)
    • (16)
    • (14)
    • (5)
    • (2)
  • 24レビュー
  • 角川学芸出版 (2013年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044086121

作品紹介

『共産党宣言』『ヘーゲル法哲学批判序説』をはじめとする、初期の代表作5作を徹底的に噛み砕いて紹介。その精神、思想と情熱に迫る。初心者にも分かりやすく読める、専門用語を使わないマルクス入門!

若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 (角川ソフィア文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 20代のマルクスが残した書物を、内田樹と石川康宏が往復書簡の形で読み解く本。
    石川氏による専門家ならではのしっかりとした解説と、内田氏による極限まで噛み砕いた説明のバランスが良く、知識がなくても読んでいて楽しめた。
    「AがBであるのではなく、BがAなのだ」(内田氏書簡、p.218)という修辞に代表されるように、既存の枠組みそのものを問い直すマルクスの姿勢はとても魅力的だと思ったし、読んでみたくなった。古典的なテキストを読むことの醍醐味を感じることができる本。

  • 対談形式ではなく往復書簡。すらすら読めるような本ではありません。
    とはいえ、「マルクスを読むと、頭がよくなる」という感覚は読んでいくと少し分かります。
    共産主義は失敗したものだから読んでも仕方ない、なんていう考えは本当に勿体ない。難しいことは分からなくても、元気が湧く本でした。

    まえがきと『共産党宣言』くらいまで読んでマルクスの情熱と知性に引き込まれたら、実際のテキストをパラパラ見ながら石川先生のパートを読んでみるのがいいかもしれません。内田先生のパートはいつも通りなので、さきに全部ざっと読んでしまうのも手。

  • 内田樹さんが、マルクスについて語っている、というのが、衝動買い時の理由です。
    内田樹さんが、石川康宏さんという、どうやら同僚でありご友人であるところの学者さんと、ふたりで交換書簡の体裁で、マルクスの青年期の著作について、語り合うという。
    基本は、冒頭で述べられるように「マルクスは面白い!マルクスすごい!」という情熱を若い人に伝えられたら、という狙い。
    僕個人としては、学生の時分に、「マルクスの< ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日>を読む」というゼミを履修したことがあって、片鱗だけ触れた、というところ。
    もう全然若者じゃないけれど、マルクスの考えを知りたいなあ、というもやもやはどこかずっとあるので、衝動買い。

    ええと、正直に言うと、コレ、「高校生でもわかるように」というのが出発点らしいのですが、それはチョット無理かなあ、と(笑)。わかりません。
    で、その理由の第一は、やっぱりマルクスさんは19世紀のヨーロッパの人で、19世紀のヨーロッパの現実から出発して書いてるんですよね。
    だから、19世紀のヨーロッパ社会のコトが分からないと、正直ほとんどワカンナイ。
    そうなんだけど、だから読むに値しないかというとそうでもなくて、ソコから始まってとっても普遍的というか、現代的というか、という示唆や警句や、多分なにより、現実を分析して思考するコトに、その本質があるんでしょう。

    で、其の辺の、とっつきにくさをとっぱらってとりあえず刺激的で情熱的な、物書きマルクスという魅力に迫れたかというと、
    やっぱり内田さんの部分は、それが感じて面白い。
    でもそれは石川さんがある程度押さえた上に乗っかってできることで、そう言う意味ではこれが交換書簡である価値はあるんだろうな、と。
    「共産党宣言」「ユダヤ人問題によせて」「経済学哲学草稿」「ドイツイデオロギー」といった本についてなんですが、僕は「共産党宣言」以外は書名も知りませんでした。
    正直、「ドイツイデオロギー」あたりの石川さんの文章は、ホトンドよくわからず結果としては流し読みに近かったです。

    でも、いいんです。
    それでも読まないより読んだ方が、何より、オモシロイのです。

    マルクスが何を観て何を考えて何を言ったのか、その真意は、というのようなことを、
    時間に追われる疲弊した労働者の僕が通勤の電車の中でつり革につかまりながら文庫本を開いて、揺るぎなく理解できるワケはないんですから。
    でも、「あーマルクスさんの考え、の真ん中ってこんなことなのかなあ」というのは少し温度を感じました。

    具体的には、
    「目の前の19世紀欧州の、映画<オリバー!>的な可哀想な労働者を観て、可哀相だ、と思う。思うだけじゃなくてなんとかしてあげねば、と背負う。そこの情熱から始まってる」
    「結局、どういう評価かとかどういう評判かとか、どう言われているのか、ということよりも、何をしたのかするのか言うのか、ということが全てなんだよね」
    「人が何者であるかというのは、その人が何を生産してるのか、何を仕事しているのか、というのが形作ってしまう」
    「当たり前だけど、出発点が出発点だから、具体的な解決方法としてそのまんま使えるようなコトが書いてあるわけではない」
    「疎外される労働者、つまり、自分が作っているものが自分のものにならない、コマでしかない、というのが、不幸であって人を破壊していく(まあ言い方が重いけど、そりゃそうだ)」
    「そこから脱却するほとんどSF的な理想人間として類的存在とかっていう言葉があったのね」
    「国家や法律っていう約束事は究極的にはそりゃ支配階級の都合のいいようにできている」
    とか。

    構造主義についての内田さんの本を読んだ時も思ったんですが、「なんだか難しいことを書いているけど、くだけば、<そりゃそうじゃん>ということも多い。のだけど、そこにその言葉がポンと置ける発想ってものすごい。その言葉に乗って、あるいはその言葉を隠すため、否定するため、発展させるために、もう僕らの21世紀的な知的作業というのが当たり前に行われているんだなあ」というすごさですね。

    これは薄い文庫本であっという間に読めちゃうんですけど、なかなか作るのは大変な本だろうなと思います。
    でも、やっぱりPART2作って欲しいですねえ。
    こういうノリで、資本論も読んでみたいです。

    学生時分、折角チャンスがあったのに、もっと学問しておけばよかったなあ、と。
    まあ陳腐な思いですが。
    今でも、週1くらい、ゼミ的な学問の場があるといいのにねえ。
    ま、自分の努力次第だから、甘えたことを言ってはいかんのですけどね。

  • 内田樹19冊目

  • 思っていたのと少し違うかな?

  • 誰の思想でも年月の経過による変遷があるのは当然で、それはわかってはいる。しかし、門外漢がマルクスの思想を理解しようとすると、どうしても様々な時代に展開された考え方をひっくるめて「これがマルクスの思想です」と言えるようなものを求めてしまい、結局よくわからなくなってしまう。その点、この本はマルクスの著作を年代順にとっつきやすく紹介していてくれるので、ありがたい。石川の強烈なマルクス愛にややひきそうになるが、そこに挟まれる内田の文章がよい箸休めとなって、最後までおもしろく読める。ちなみに、高校生が読めるような本にした、とのことだが、普通の高校生には無理な気がする。

  • 小説ではない本が久しぶり。
    マルクスは読んだことない。
    今年65の親父の時代はケインズが主流で、マルクスはやらなかったって。
    そんなマルクス。
    全然基礎知識なし。
    共産主義の源流ってくらい。
    でも、この本はそうじゃない現状の問題点に向き合い、自分の頭で考えた人の話。
    流されて日々を送っている自分は背筋が伸びる思いがした。

  • 共産主義が敗北したかにみえる現代に、マルクスを読む意義とは何か?それは彼が残した主張やその結果にあるのではなく。マルクスという天才が世界をどのように観てどのように発想したのか、というプロセスを知ることにあるという。世界中を熱狂させ、歴史の中で大きな影響力を持った彼の思想がどのような思考回路から生まれたのかを知ることこそが、答えのない現代を生きるための武器となることを、この二人の著者は心から信じている。10代、20代で読むべだった。答えが出てしまう前に…(それは危険な毒だったかもしれないが)。

  • フランス文学研究者で思想家の内田樹と、マルクスの思想に造詣の深い石川康宏の2人が、それぞれの思うマルクスのおもしろさについて語り合った往復書簡形式の本です。取り上げられているのは、『共産党宣言』『ユダヤ人問題によせて』『ヘーゲル法哲学批判序説』『経済学・哲学草稿』『ドイツ・イデオロギー』で、『資本論』などは続巻で扱われるとのこと。

    まずは石川が、それぞれの著作の内容にある程度即した形で解説をおこない、次に内田が大胆におもしろいところを語るという構成になっています。ただ、マルクスの思想そのものよりも、現実の問題に向き合った思想家マルクスその人のおもしろさが前面に押し出されているような印象があり、マルクスの思想の入門書としては、あまり親切とは言えないように思います。

  •  内田樹先生が冒頭で「哲学することで客観的な利益を得ることは思想の副産物でしかなく、哲学の醍醐味は彼らの思考を知ることそのものの楽しさ」というような内容を言ってくれる。本書を購入したのは、その一言に感化されたからと言っても過言ではない。
     私はもうマルクスの著作からその原文まで読んでいるが、それでも内田先生や石川先生の解釈や談話には知的好奇心を刺激された。勉強のやる気がでないときにまた読もうと思う。

全24件中 1 - 10件を表示

若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 (角川ソフィア文庫)のその他の作品

内田樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印

若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 (角川ソフィア文庫)はこんな本です

若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 (角川ソフィア文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする