若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 (角川ソフィア文庫)

  • 角川学芸出版
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本棚登録 : 307
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044086121

作品紹介・あらすじ

『共産党宣言』『ヘーゲル法哲学批判序説』をはじめとする、初期の代表作5作を徹底的に噛み砕いて紹介。その精神、思想と情熱に迫る。初心者にも分かりやすく読める、専門用語を使わないマルクス入門!

感想・レビュー・書評

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  • 石川先生のところは引用が多くて難しいけど、時系列に沿ってマルクスの思想の変遷を辿っていくため手厚くガイドしてくれていて助かります。

    一方、内田さんはマルクスのここがいい、ここが聞かせどころというのをすごく楽しそうに語られていて、読んでるだけでマルクスが好きになってきます。

  • マルクスくらい読んどかないとと思ってとりあえず手に取ったやつ。
    人々の平等を切に願い、人生をかけて追求したマルクスの遺産が、後世で悪の元凶のように語られてるのは悲しい。てかもっと勉強せねば。

  • 20代のマルクスが残した書物を、内田樹と石川康宏が往復書簡の形で読み解く本。
    石川氏による専門家ならではのしっかりとした解説と、内田氏による極限まで噛み砕いた説明のバランスが良く、知識がなくても読んでいて楽しめた。
    「AがBであるのではなく、BがAなのだ」(内田氏書簡、p.218)という修辞に代表されるように、既存の枠組みそのものを問い直すマルクスの姿勢はとても魅力的だと思ったし、読んでみたくなった。古典的なテキストを読むことの醍醐味を感じることができる本。

  • 対談形式ではなく往復書簡。すらすら読めるような本ではありません。
    とはいえ、「マルクスを読むと、頭がよくなる」という感覚は読んでいくと少し分かります。
    共産主義は失敗したものだから読んでも仕方ない、なんていう考えは本当に勿体ない。難しいことは分からなくても、元気が湧く本でした。

    まえがきと『共産党宣言』くらいまで読んでマルクスの情熱と知性に引き込まれたら、実際のテキストをパラパラ見ながら石川先生のパートを読んでみるのがいいかもしれません。内田先生のパートはいつも通りなので、さきに全部ざっと読んでしまうのも手。

  • 内田樹さんが、マルクスについて語っている、というのが、衝動買い時の理由です。
    内田樹さんが、石川康宏さんという、どうやら同僚でありご友人であるところの学者さんと、ふたりで交換書簡の体裁で、マルクスの青年期の著作について、語り合うという。
    基本は、冒頭で述べられるように「マルクスは面白い!マルクスすごい!」という情熱を若い人に伝えられたら、という狙い。
    僕個人としては、学生の時分に、「マルクスの< ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日>を読む」というゼミを履修したことがあって、片鱗だけ触れた、というところ。
    もう全然若者じゃないけれど、マルクスの考えを知りたいなあ、というもやもやはどこかずっとあるので、衝動買い。

    ええと、正直に言うと、コレ、「高校生でもわかるように」というのが出発点らしいのですが、それはチョット無理かなあ、と(笑)。わかりません。
    で、その理由の第一は、やっぱりマルクスさんは19世紀のヨーロッパの人で、19世紀のヨーロッパの現実から出発して書いてるんですよね。
    だから、19世紀のヨーロッパ社会のコトが分からないと、正直ほとんどワカンナイ。
    そうなんだけど、だから読むに値しないかというとそうでもなくて、ソコから始まってとっても普遍的というか、現代的というか、という示唆や警句や、多分なにより、現実を分析して思考するコトに、その本質があるんでしょう。

    で、其の辺の、とっつきにくさをとっぱらってとりあえず刺激的で情熱的な、物書きマルクスという魅力に迫れたかというと、
    やっぱり内田さんの部分は、それが感じて面白い。
    でもそれは石川さんがある程度押さえた上に乗っかってできることで、そう言う意味ではこれが交換書簡である価値はあるんだろうな、と。
    「共産党宣言」「ユダヤ人問題によせて」「経済学哲学草稿」「ドイツイデオロギー」といった本についてなんですが、僕は「共産党宣言」以外は書名も知りませんでした。
    正直、「ドイツイデオロギー」あたりの石川さんの文章は、ホトンドよくわからず結果としては流し読みに近かったです。

    でも、いいんです。
    それでも読まないより読んだ方が、何より、オモシロイのです。

    マルクスが何を観て何を考えて何を言ったのか、その真意は、というのようなことを、
    時間に追われる疲弊した労働者の僕が通勤の電車の中でつり革につかまりながら文庫本を開いて、揺るぎなく理解できるワケはないんですから。
    でも、「あーマルクスさんの考え、の真ん中ってこんなことなのかなあ」というのは少し温度を感じました。

    具体的には、
    「目の前の19世紀欧州の、映画<オリバー!>的な可哀想な労働者を観て、可哀相だ、と思う。思うだけじゃなくてなんとかしてあげねば、と背負う。そこの情熱から始まってる」
    「結局、どういう評価かとかどういう評判かとか、どう言われているのか、ということよりも、何をしたのかするのか言うのか、ということが全てなんだよね」
    「人が何者であるかというのは、その人が何を生産してるのか、何を仕事しているのか、というのが形作ってしまう」
    「当たり前だけど、出発点が出発点だから、具体的な解決方法としてそのまんま使えるようなコトが書いてあるわけではない」
    「疎外される労働者、つまり、自分が作っているものが自分のものにならない、コマでしかない、というのが、不幸であって人を破壊していく(まあ言い方が重いけど、そりゃそうだ)」
    「そこから脱却するほとんどSF的な理想人間として類的存在とかっていう言葉があったのね」
    「国家や法律っていう約束事は究極的にはそりゃ支配階級の都合のいいようにできている」
    とか。

    構造主義についての内田さんの本を読んだ時も思ったんですが、「なんだか難しいことを書いているけど、くだけば、<そりゃそうじゃん>ということも多い。のだけど、そこにその言葉がポンと置ける発想ってものすごい。その言葉に乗って、あるいはその言葉を隠すため、否定するため、発展させるために、もう僕らの21世紀的な知的作業というのが当たり前に行われているんだなあ」というすごさですね。

    これは薄い文庫本であっという間に読めちゃうんですけど、なかなか作るのは大変な本だろうなと思います。
    でも、やっぱりPART2作って欲しいですねえ。
    こういうノリで、資本論も読んでみたいです。

    学生時分、折角チャンスがあったのに、もっと学問しておけばよかったなあ、と。
    まあ陳腐な思いですが。
    今でも、週1くらい、ゼミ的な学問の場があるといいのにねえ。
    ま、自分の努力次第だから、甘えたことを言ってはいかんのですけどね。

  • まえがきには『マルクスの「マの字」も知らない若者たちに』とあったが、いきなり説明も無い専門用語のオンパレードでついて行けず、序盤で挫折したでござる。
    他の入門書を読んでから再挑戦します。。

  • 石川康宏先生の書簡部分は、正直内容が難しかったのですが、難しいなりに読み飛ばしながら(すみません)読み切りました。
    でも、難しいと諦めずに最後まで読めてよかったです。

    内田樹先生の部分は、読みやすかったです。

    マルクスってすごいなーと漠然と感じ、
    マルクスの言葉の力にカリスマ性を感じました。
    マルクスかっこいい。

    という、カジュアルな気持ちでマルクスに触れることができてよかったです。

  • フランス革命、産業革命を経た初期の資本主義社会。マルクスはどのように社会を見て、何を見出そうとしていたのか。本書の特徴は、資本論に至る前の若かれしマルクスの著作を取り上げ、その思考過程を2人の大学教授が議論している点である。後の歴史に囚われず、純粋にマルクスの思考と戯れ、今と照らし合わせて考えてみるのは楽しい。本書で取り上げている著作は全てマルクスが20代で書いたもの。ヘーゲル法哲学批判序説、ユダヤ人問題によせて、経済学・哲学草稿、ドイツ・イデオロギー、共産党宣言。

  • マルクス入門編として読んでみた。
    感想としては、(かなり噛み砕いて書いて頂いていることは伝わったけれどもそれでも)難しいということ。
    ただ、この本の目的はマルクスに興味を持つことにあるので、目的は達成された。
    私が感じたマルクスの凄さは、論理的に正しいことだけを言わずに、倫理観も兼ね備えていたこと。裕福な家柄に育つも、貧困層の労働環境を想像し、フェアではないことに対して怒りの声を上げる情熱的な人物であることが非常に伝わった。
    また、様々なものの考え方を伝えてくれることで人の心を軽くしてくれる要素もある。例えば、人は中身の人間性ではなく、「なにを生産し、いかに生産するか」が大事であることなど(心の中でどう思っていても、善行することが何より大切)

    まんまとマルクスをしっかり学んでみたくなったけれど、難しそうなのでもう少し入門編を読んでみようかなという感じ。。。
    読解力が欲しいですね。。

  • 自然にあるものはすべての人にとって平等に出現する。でも、「額縁の内側のもの」はそうではない。それは平等には与えられない。額縁の中で示された物語をどう受肉するかという仕事は個人の責任で果たさなければならない。額縁というのは、「そこの中にあるものについては、一人一人が違う意味を汲み出しなさい」というメッセージの解釈についての指示のこと。額縁をどこにつけるのか、何を額縁で囲むのか、ということは、思いがけなく大切な仕事。
    人間が何者であるかは、その人が「何であるか」という本質的な条件によってではなく、「なにを生産し、いかに生産するか」によって決定される。
    自分のことを善良で有徳な人間であると思いこんでいる人の方がむしろ卑劣な行為や利己的な行為をすることをためらわない。
    マルクスのイデオロギー批判というのは、「人間たちが語ること、想像すること、表象すること」の適切性は、「現実に活動する人間たち」に即して、「彼らの現実的な生活過程の側から」検証されなければならないという考え方のこと。
    脳がどれほどすばらしいことを考えても、身体の方は脳についえいけない。「生身が許すうちで最良のこと」を選び出して、「やれるところから、ぼちぼちと」と。
    「共産主義社会では、各人はそれだけに固定されたどんな活動範囲ももたず、どこでもすきな部門で、自分の腕をみがくことができるのであって、社会が生産全般を統制しているのである。だからこそ、私はしたいと思うままに、今日はこれ、明日はあれをし、朝に狩猟を、昼に魚取りを、昨夜に家畜の世話をし、夕食後に批判をすることが可能になり、しかも、決して漁師、漁夫、牧夫、批判家にならなくてよいのである。」分業によって人間が、「ある特定の範囲だけにとどまること」を強いられ、特定の職業に縛り付けられるおき、その労働は「かれにとって疎遠な、対抗的な力」となる。マルクスはそのような言葉づかいで分業を批判した。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。思想家、エッセイスト。2007年『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、10年『日本辺境論』で新書大賞2010を受賞。11年伊丹十三賞受賞。著書に『寝ながら学べる構造主義』など。

「2021年 『武道論 これからの心身の構え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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