はじめたばかりの浄土真宗 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • 角川学芸出版
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本棚登録 : 106
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044089054

作品紹介・あらすじ

仏道に入門したての哲学者が、いきなり浄土真宗と出会った!?「"知っていて悪いことをする"のと"知らないで悪いことをする"のと、罪深いのはどちらか」「悪人となって往生する仏教とは」-。僧侶・釈徹宗の問いに対し、おじさん的常識感覚は通用するのか?巻末に対談「いま、日本の仏教を考える」を新たに収録。ユニークなポジションにある浄土真宗の意義と、これからの仏教のありかたを問いなおす、刺激的な仏教入門書。

感想・レビュー・書評

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  • あの世からこの世、彼岸と此岸、hereとthere、これら遠く離れたところを行き来して、物事を見つめようというのが宗教性なんですな、と理解。客観視の究極の形か。

    また、善業を積み重ねることで浄土にいけるという考え方は子供的な浄土観であり、人間中心主義に過ぎないというのが、なるほどー。念仏をたくさん唱えて善業ポイントを稼げば天国にいける権利を得られる、つまり自分の力でなんとかできるのだと考えることこそが甘い、そもそも人間の考える善悪の判断など移り変わるもので、あなたの善悪判断基準は、こことは違うあの世や彼岸で通じるという保証など何もない、だから「他力本願」なのだというのが親鸞なのかなと思った。

  • ほんと、分かりやすくて勉強になります。いいコンビですね。

  • 2015/09/24

  • 業界では有名なようだけど、①悪いことと知っててすることと、②知らないですることは、どちらが悪いのか、という話は面白かった。当然、①と思いきや、答えは②という話。なぜか。①は悪を改める可能性があるから、かえって②の方がたちが悪いとのこと。
    社会学的には、①は反社会的だけど、②は脱社会的で、②だと話が通じない。

  • [2013-01-15]
    1回目読了。
    学習することの目的は、自己の相対化。
    =仏教にいう「空」。
    =ニーチェにいう「ニヒリズム」。
    それは、知性の「節度」だし、
    あるところでは「倫理観」と言い換えられ、
    つまりは、「宗教的である」ということ。


    印象に残ったところ。
    「自己が生まれてくる前から自己という存在は決められている。自己の起源には人間はたどりつけない。」的な部分。
    =遅れてくる自己、ここから先には行けない。これを自己の「彼岸」という。
    →「語りえぬものは沈黙しなければならない」
    確かに。ここから先をどうこう語ることはできない。
    それが「知性の節度」。


    でも、ここから先に「行くことは」できると思う。
    「善悪の彼岸」。
    ニーチェはたどりついたでしょ?
    キリスト教が決めた善悪の価値基準、その先に。


    あ、浄土真宗については、
    ・その教えが資本主義に不可欠な勤勉な労働意識を育てたというところが印象的。
    →マックスウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」参照。

    ・そして、仏教の鬼子だということ。

  • 〜仏教入門から続いて。宗教とは何か、的な論考は楽しく読めたが、浄土真宗自体にはあまり興味がわかず。往復書簡もいいけど、巻末対談のやり取りも楽しい。

  • なかなか一回では内容が汲み取れないですが、最後の対談にあったように、仏教ってクール、喜びにも悲しみにも支配されるな、そこにこそ安住がある、植物のように生きろと言っている気がするという釈さんの言葉をひとまず心にとめておきます。悲しみより、喜びに支配されない態度をととることは難しそうですね。

  • 実に刺激的で面白い。身を乗り出したくなるような話題が次々登場するので、一気に読んでしまった。

    ・「尊師は空を飛ぶんです」と言うオウム信者の若者に対してどう応ずるのがいいのか。

    ・「創世記」の「イサク奉献」は何を意味するのか。

    ・この世の成り立ちについて「何も知らない。わからない」という自覚がニヒリズムに結びつかないためには何が必要か。

    ・「オカルト」と科学の境界線とは何か。

    もちろん、これらについて述べられていることがぜーんぶわかった!というわけではない。最後の対談でお二人がおっしゃっているように十年くらいかけて繰り返し読んでいきたい。

  • 便利になりすぎて効率ばかり求める世の中、宗教的な長い時間軸というか、大局的にものを考える捉えることの方が大事ではないかと。
    一見効率化しているようにみえても、実は無駄で無価値で生産性ゼロの仕事ばかりしてしまうケースが多いのではないかと。
    特に後半、そんなことをあらためて感じた一冊。「自分が内蔵している時間意識」なんて言葉が出てくるけど、時と場合に応じてそれを長くしたり極端に短くしてみたり、使い分けする必要があるなあと思った。

  •  これ実は単行本で別の名前ででていて、あとがきに内田さんが注意しているのに、また、文庫本で買ってしまった。

     なんか、宗教の本に惹かれるところに自分の弱さや疲れが感じされるが、あまり自分を責めないでおこう。

     内田さんが浄土真宗のお坊さんである釈さんんにいろいろ厳しい質問をして、釈さんが答えるという手紙文のやりとり形式。

     内田さんの最後の「釈先生の話をきいていると、本当に日本の仏教っていいなあって気がしてきます。宗教がもたらす美徳があるとしたら、その最大のものは寛容だと思うんですよ。」(p163)

     これにつきるな。自分の宗教の中での寛容さだけでなく、その外、他の宗教や無宗教的な人への寛容さが感じられるのが一番いいと思う。

     まあ、勝手な僕の理解の仕方ですが。

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