論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • 角川学芸出版
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レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044090012

作品紹介・あらすじ

道徳と経営は合一すべきである。日本実業界の父、渋沢栄一が、後進の企業家を育成するために、経営哲学を語った談話録。論語の精神に基づいた道義に則った商売をし、儲けた利益は、みなの幸せのために使う。維新以来、日本に世界と比肩できる近代の実業界を育てあげた渋沢の成功の秘訣は、論語にあった。企業モラルが問われる今、経営と社会貢献の均衡を問い直す不滅のバイブルというべき必読の名著。

感想・レビュー・書評

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  • 「今の青年は自分の師匠をあたかも落語師や講談師のように講義が下手とか生徒としてあるまじきことを口にしている」と。
    「知育に偏ると国が乱れる」と仰っています。
    明治大正時代も今も変わらないのかもしれません。

    明治大正の書籍を読むと自分の生きるべき方向が見えるような気がします。

  • いかに論語を人生に生かしたか、渋沢栄一氏のアツい想いが伝わってきます。
    「道徳×実業」の考え方は、精神の修養を重視しながらも利益の重要性も説くという極めて実践的なもの。
    氏の筋の通った生き方に、感銘を受けずにはいられません。

    己の鍛錬と修養!!
    当たり前でありながら、つい私たちがないがしろにしがちなポイント満載。
    今日からすぐに実行できる身近なことが多いです。

    重要なポイントとして、既に道徳と実業をつなぐ要素に「国家(社会)への貢献」を強く主張していた点を加えます。
    一人ひとりが「如何に人と社会のために役に立つか」が益々価値を増している今、この点は見逃せません。

    ★本書がお好きな方は、森信三氏の『修身教授録』もおすすめです!

  • 商業活動は、自らの利でなく、社会の利、そして、徳を考えて勤めることがよく伝わってきた。そして、目先の利、勝利でなく、長期的な視点に立った利を考えることの重要さをよく理解できた。楠木正成と足利尊氏、菅原道真と藤原時平の例がよくわかる。

  • 書名の「論語と算盤」が主題を端的に表していてシンプルなわかりやすさ。文章も全編わかりやすい。でもこんな主張をしなければならないほど明治期の経営者は道徳はずれだったんだろうか。
     
    それより渋沢栄一の人柄がおもしろい。西郷隆盛やルーズベルト大統領にずけずけ物申した昔話は痛快。そのへんは勝海舟の氷川清話に似てる。
     
    わからない言葉を調べながら読むのも楽しい。「苟も」「執鞭の士」「烏滸」「銖錙の利」「費府」「昭代」「有無相通」「後昆」「社稷」・・・。

  • Yotsuya

  • ◆きっかけ
    安岡定子『絵でみる論語』p39に出てきて。2017/2/24

  • 論語によって天の道を知れば宗教に帰依する必要はない。自分の両親に恥じずに日々の活動を行えばよい

    『(悲憤慷慨するはよいが)事を急がず、形勢動かしがたい時期があることを知るべき』
    『自らが招いた逆境の対処法は自己反省しかない』
    『正に就き邪に遠ざかる道である(平素から冷静になる鍛錬を)』

  • 西にマックス・ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」あれば、東には渋沢栄一「論語と算盤」あり?今までの資本主義の限界が語られ、ソーシャルグッドとビジネスの両立を目指すCSVという言葉が広まり始めている今、読む89年前の本。実業という言葉さえ新語だった時代のビジネスマンの語りが、普遍として沁みるのは、産業革命をキャッチアップし近代資本主義に参画していく明治と、蒸気、電気に続くインターネット、特にIoTによる第三の産業革命が進行している21世紀の共通性にあるのかな?やさしい内容をあたたかい語り口で伝えている割には読むのに難儀しましたが、共感性は高いです。「意志の鞏固なるが上に聡明なる智恵を加味し、これを調節するに情愛をもってし、この三者を適度に調合したものを大きく発達せしめて行ったのが、初めて完全なる常識となるのである。」P96

  • 明治・大正時代に500社前後の企業の創立・発展に貢献した日本実業界の父と呼ばれる著者が、
    「士魂商才」
    つまり、商売と武士道(又は、その構成要素の一つである儒教の考え)は相反するものではなく、共存出来るものであり、日本人は仁・義・忠・孝などの考えをベースに商業を実践すべきと説いた本です。
    日本において、江戸以前の商業は武士道の思想とは完全に分離されており、明治以降の商業は西洋の思想をベースに行われている為、商業(算盤)と武士道(論語)が交わることはありませんでした。本書はこの2つを合わせ、西洋から輸入された資本主義の枠組みの中で、日本人としてどの様に振る舞うべきかを歴史上の人物のエピソードや著者自身の経験を例に用いながら提示しています。
    商業思想で言うとユダヤや華僑のものが有名ですが、グローバル化する現代では、世界各地で育まれた様々な商業思想が織り交ざって世界を動かしています。その中でどの様な思想を基にビジネスを行っていくのか明確にすることが、企業にも個人にもますます大切になってくると思います。そういった意味で、現代に生きる私たちにも一つの指針を示してくれている名著だと感じました。

  • 100年前の渋沢さんの言葉だけど、今の世に通じるところが多くてびっくりする。世の経営者やお役人、管理職の方には是非読んで欲しい。渋沢さんの玄孫さんに聞いたお話では、日本はこのところ30年周期で明と暗が訪れており、今(15年)はバブル崩壊から訪れた暗の時期の終期とのこと。渋沢さんが活躍された明治半ばが同じように暗から明に代わる時期となっており、その意味でも時代背景が近いかもしれない。明治後半から大正にかけて、日本が大きく飛躍した時代のように、これからまた日本を明の時代にするには、この論語と算盤に書かれた多くのことを各人が考えて進めていかなければと強く感じた。
    ただ、私が読んだのは、渋沢さんの書かれた(話された)言葉のままで、ちょっと古い日本語なので、少し読むのに疲れる。現代語に直されたものの方が読み易いと思います。

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プロフィール

1840年、現在の深谷市生まれ。明治政府を辞した後、民間にあって第一国立銀行をはじめ指導的立場で500社前後の企業の創立・発展に貢献。また経済団体を組織し、商業学校を創設するなど実業界の社会的向上に尽力。さらに、社会公共事業の育成発達に努め国際親善に力を入れた。

「2008年 『論語と算盤』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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