論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 115
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044090012

作品紹介・あらすじ

2019年11月宇多田ヒカルさん椎名林檎さん新曲で注目!
道徳と経営は合一すべきである。日本実業界の父、渋沢栄一が、後進の企業家を育成するために、経営哲学を語った談話録。論語の精神に基づいた道義に則った商売をし、儲けた利益は、みなの幸せのために使う。維新以来、日本に世界と比肩できる近代の実業界を育てあげた渋沢の成功の秘訣は、論語にあった。企業モラルが問われる今、経営と社会貢献の均衡を問い直す不滅のバイブルというべき必読の名著。

感想・レビュー・書評

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  • ビジネスは道徳があって真に価値のあるものとなると、武士、官僚、実業家を経た渋沢栄一の長年・多様な経験の実例とともに学べる良本
    言葉、言い回しは古いものの内容は納得できることが多く、もっと深みを理解するためには少し勉強不足感はあり、論語を学んでから改めて読み返したい

  • 第一次世界大戦後の日本経済の立役者。最近富に有名になった方なのでひねくれものの私は読むのを躊躇していたが読んで良かった。

    通読すると矛盾する内容も多々含んでいるが、元々が講演集・論文集のようなものなのでその辺は致し方ないか。

    大雑把に言うと「論語と」と書いてあるが日本人が通常持つであろう普遍的な道徳に従って企業経営も行うことが望ましいという話。
    競争に勝つことだけにこだわらない。自分に利することだけで判断しない。
    普通の神経の人なら当たり前のことを書いている気もするが経済界の大物が”こうあるべき”と言うと説得力がある。

    だが、真摯に読むと形式だけの道徳に拘る企業(経営者)さんには耳の痛い話も多かろう。
    流行りで終わらないことを望む。

  • 「論語と算盤」渋沢栄一著、角川ソフィア文庫、2008.10.25
    319p ¥836 C0112 (2021.05.31読了)(2021.02.20購入)(2020.10.30/43版)

    【目次】
    日本企業の先駆者の汲めど尽きせぬ知恵  加地伸行
    凡例
    格言五則
    処世と信条
    立志と学問
    常識と習慣
    仁義と富貴
    理想と迷信
    人格と修養
    算盤と権利
    実業と士道
    教育と情誼
    成敗と運命
    格言五則
    解題  加地伸行

    ☆関連図書(既読)
    「青天を衝け(一)」大森美香作・豊田美加著、NHK出版、2021.01.30
    「雄気堂々(上)」城山三郎著、新潮文庫、1976.05.30
    「雄気堂々(下)」城山三郎著、新潮文庫、1976.05.30
    「論語とソロバン」童門冬二著、祥伝社、2000.02.20
    「渋沢栄一『論語と算盤』」守屋淳著、NHK出版、2021.04.01
    「明治天皇の生涯(上)」童門冬二著、三笠書房、1991.11.30
    (「BOOK」データベースより)amazon
    道徳と経営は合一すべきである。日本実業界の父、渋沢栄一が、後進の企業家を育成するために、経営哲学を語った談話録。論語の精神に基づいた道義に則った商売をし、儲けた利益は、みなの幸せのために使う。維新以来、日本に世界と比肩できる近代の実業界を育てあげた渋沢の成功の秘訣は、論語にあった。企業モラルが問われる今、経営と社会貢献の均衡を問い直す不滅のバイブルというべき必読の名著。

  • 道徳と稼ぎを一致させよ。論語をもとに教え諭した渋沢栄一の本。徳育の必要性や人格形成の大切さなど渋沢の教育論、人生論が詰め込まれた内容である。元祖・自己啓発本と言い換えることもできる。
    昔に書かれた本が売れ続けている。多くの経営者や財界人、スポーツ界の愛読書だ。本書の読書会や企業セミナーも開催されている。ロングセラーの理由は、もしかしたら道徳と実業がいまだ一致できぬ醜い現実の裏返しなのかもしれない。食品偽装、数値偽装、隠蔽、教育現場での体罰などニュースを目にするたびにそう思う。
    本書はこの先も多くの人に読み継がれるだろうか。人間不要のAI資本主義が近い将来実現したとき、テクノロジーを握る少数の人たちは「論語と算盤」を必要とするだろうか。働かない大勢の人たちはこの本を読むか。
    例え醜悪な資本主義の現実があっても渋沢の本が売れ続けている事実にまだ希望がある。しかし、ロングセラーが絶版になる日が訪れないとも言い切れない。そうならないよう願うしかない。

  • 多くの経営者に影響を与えてるけど、蟹穴主義については賛否分かれそう。

  • 『処世と信条』
     正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。
     無理な真似をしたり不自然な行動をすれば、必ず悪い結果を身の上に受けねばならぬ。
     人が世の中に処して行くのには、形勢を観望して気長に時期の到来を待つというのとも、決して忘れてはならぬ心掛けである。

    『立志と学問』
     青年時代に正義のため失敗を恐れておるようでは、到底見込みのない者で、自分が正義と信ずる限りは、あくまで進取的に剛健なる行為を取って貰いたい。正義の観念をもって進み、岩をも徹す鉄石心を傾倒すれば、ならざることなし。
     学問と社会との関係を考察すべき例を挙げると、あたかも地図を見る時と実地を歩行する時とのごときものである。
     猛進する力が正義の観念をもって鼓舞されると、非常に勢いを助長するものであるが、その正義を断行する勇気は如何にして養うかと言えば、平生より注意して、まず肉体上の鍛錬をせねばならぬ。

    『常識と習慣』
     意思の鞏固なるが上に聡明なる知恵を加味し、これを調節するに情愛をもってし、この三者を適度に調合したものを大きく発達せしめて行ったのが、初めて完全なる常識となる。
     人が完全に役に立ち、公にも私にも、必要にしていわゆる真才真智というのは、多くは常識の発達にあるといっても誤りない。
     すべての人に、不断の勉強を望むと同時に、事物に対する平生の注意を怠らぬように心掛くること。

    『仁義と富貴』
     真正の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものでない。
     富の度を増せば増すほど、社会の助力を受けている訳だから、この恩恵に酬ゆるに、救済事業をもってするがごときは、むしろ当然の義務で、できる限り社会のために助力しなければならぬ。
     富を造るという一面には、常に社会的恩誼あるを思い、徳義上の義務として社会に尽くすことを忘れてはならぬ。

    『理想と迷信』
     何事でも自己の掌ることに深い趣味をもって尽くしさえすれば、自分の思う通りにすべてが行かぬまでも、心から生ずる理想、もしくは欲望のある一部に適合し得らるる。

    『人格と修養』
     真に人を評論せんとならば、その富貴功名に属する、いわゆる成敗を第二に置き、よくその人の世に尽くしたる精神と効果とによって、すべきもの。
     高尚なる人格をもって正義正道を行い、しかる後に得た所の富、地位でなければ、完全な成功とはいわれない。

    『算盤と権利』
     資本家は王道をもって労働者に対し、労働者もまた王道をもって資本家に対し、その関係しつつある事業の利害得失は、すなわち両者に共通なる所以を悟り、相互に同情をもって始終するの心掛けありてこそ、初めて真の調和を得らるる。
     一個人にも利益ある仕事よりも、多数社会を益して行くのでなければならぬと思い、多数社会に利益を与えるには、その事業が堅固に発達して繁昌して行かなくてはならぬ。

    『実業と士道』
     今や武士道は移してもって、実業道とするがよい。日本人は飽くまで、大和魂の権化たる武士道をもって立たねばならぬ。

    『教育と情誼』
     親は自分の思い方一つで、子を孝行の子にしてもしまえるが、また不孝の子にもしてしまうもの。
     孝の大本は何事にも強いて無理をせず、自然のままに任せたる所にある。

    『成敗と運命』
     世人の多くは、わが智能や勤勉を外にして逆境が来たかのごとく、いうの弊がある。そは愚もまた甚だしいもので、余は相当なる智能に加うるに勉強をもってすれば、世人のいわゆる逆境などは、決して来らぬものである。
     成敗に関する是非善悪を論ずるよりも、まず誠実日本人努力すれば、公平無私なる天は、必ずその人に福し、運命を開拓するように仕向けてくれる。


    中田敦彦のYouTube大学で紹介されたNo.1書籍。
    論語の精神に基づき経営哲学、さらに人としての生き方そのもが書かれている。
    まさに人生のバイブル。

  • 人生はアップデート

  • 年代が古いので、文章読むのに一苦労
    内容はシンプルかつ深い

  • 仕事をする上で、大切にしなければいけないことは何だろう。
    売り上げ?利益?もちろんそれは大切だ。仕事なのだから。
    でも、もっと他に大切なことがあるはずだ。


    題名にある「論語」は「道徳」を表し、「算盤」は「仕事」を表している。仕事には道徳が必要、というメッセージだ。
    道徳というと古臭いイメージを持つ人もいるだろう。しかし、「論語と算盤」は、大リーグで活躍する大谷翔平選手も読んでいたそうだ。野球の世界も上手いだけではダメなのだろう。どんな分野の人でも本書から学ぶべきものがあるということだ。

    「論語と算盤」の初版は大正5年(1916年)なので100年ほど前の言葉で書かれているが、本書は昭和2年(1927年)刊の版を現代仮名遣い、当用漢字に改めたものなので、私たちでも問題なく読み通せる。

    著者は渋沢栄一氏。江戸時代に生まれて、明治、大正の実業界を牽引し昭和に逝去した巨人である。設立に携わった企業は500以上といわれ、王子製紙やキリンビールなど有名な会社も含まれる。

    そんな凄い実績を残した渋沢翁は、何を大切にして仕事をしていたのか。

    現代に生きる私たちのような普通の人でも、参考になる部分があるはずだ。

    私は著者の「論語講義」も読んでおり、著者の論語に対する深い理解に触れているので、それが実業にどのように応用されているのか、以前からとても興味があった。

    なので、この本が街の本屋で面陳されているのを見たとき、思わず「あっ!」と声を上げてしまったことを覚えている。そして迷うことなく手にとってレジに直行してしまった。もう10年以上も前のことだが。


    【目次】
    ・処世と信条
    ・立志と学問
    ・常識と週間
    ・仁義と富貴
    ・理想と迷信
    ・人格と修養
    ・算盤と権利
    ・実業と士業
    ・教育と情誼
    ・成敗と運命


    私たちエンジニアは、よく営業から「エンジニアは視野が狭くてビジネスがわかっていないからダメだ」という言われ方をする。私も以前は、その言葉に違和感を感じながらも、そんなものかなと思っていたが、本書を読んで、この違和感の理由がわかった。

    それは、営業担当の言葉に「道徳」を感じないからだ。会社から与えられたノルマの達成だけを気にしているのがわかるからだ。

    私たちエンジニアの仕事は、何か問題を抱えて困っている人がいたら、自分が持っている技術力を使って、それを解決してあげることだ。その結果として売り上げや利益を得られるものだと思う。

    しかし、その流れをすっ飛ばして売り上げや利益を前面に出されると違和感を感じる。というか嫌悪感を感じる。著者が言う「士魂商才」に反すると直感するのだろう。

    仕事である以上、売り上げと利益が必要なことは当然わかっている。しかしその奥に「道徳的な何か」が欲しいのだ。

    とは言っても、何も難しく考えることはない。
    著者は言う。

    ”論語は決してむずかしい学理ではない。むずかしいものを読む学者でなければ解らぬというものではない。論語の教えは広く世間に効能があるので、元来解りやすいものであるのを、学者がむずかしくしてしまい、農工商などの与り知るべきものではないというようにしてしまった。これは大なる間違いである”

    論語は宗教ではない。誰もが日常生活の中で使えるハンドブックなのだ。

    そしてそれを仕事の現場に応用することで、人の道から外れることなく、成果を生み出しながら、より良い方向に向かって進んでいけるのであろう。渋沢翁がそれを実践し証明しているではないか。

    現代は先行きが見えない不安な時代だ。

    だからこそ、論語という千年以上も前から日本人に読み継がれてきた指標を頼りにして、これからの時代を力強く歩んでいきたい。

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著者プロフィール

1840(天保11)年〜1931(昭和6)年。実業家。農家に生まれるも「尊王攘夷」思想の影響を受け、京都に出て徳川慶喜に仕える。その後、明治政府に招かれ大蔵省で新しい国づくりに関わる。退官後は、民間経済人として活動し、第一国立銀行や東京証券取引所など、約500もの企業の設立・発展に貢献。また二松学舎や商法講習所(現・一橋大学)など、多くの教育機関・社会公共事業の設立・支援に尽力。『論語と算盤』を著すなど、経営哲学の「道徳経済合一説」を広く説き続けた。

「2021年 『はじめて世に出る青年へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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