論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

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感想・レビュー・書評

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  • 道徳と稼ぎを一致させよ。論語をもとに教え諭した渋沢栄一の本。徳育の必要性や人格形成の大切さなど渋沢の教育論、人生論が詰め込まれた内容である。元祖・自己啓発本と言い換えることもできる。
    昔に書かれた本が売れ続けている。多くの経営者や財界人、スポーツ界の愛読書だ。本書の読書会や企業セミナーも開催されている。ロングセラーの理由は、もしかしたら道徳と実業がいまだ一致できぬ醜い現実の裏返しなのかもしれない。食品偽装、数値偽装、隠蔽、教育現場での体罰などニュースを目にするたびにそう思う。
    本書はこの先も多くの人に読み継がれるだろうか。人間不要のAI資本主義が近い将来実現したとき、テクノロジーを握る少数の人たちは「論語と算盤」を必要とするだろうか。働かない大勢の人たちはこの本を読むか。
    例え醜悪な資本主義の現実があっても渋沢の本が売れ続けている事実にまだ希望がある。しかし、ロングセラーが絶版になる日が訪れないとも言い切れない。そうならないよう願うしかない。

  • 「今の青年は自分の師匠をあたかも落語師や講談師のように講義が下手とか生徒としてあるまじきことを口にしている」と。
    「知育に偏ると国が乱れる」と仰っています。
    明治大正時代も今も変わらないのかもしれません。

    明治大正の書籍を読むと自分の生きるべき方向が見えるような気がします。

  • そういえば学生時代に読んだ本はこの記録に残してなかったなと。
    ふと論語について考える時間があったので本書も記録。

  • 人生を通じての勉強と実践(著者のように70を超えても)を体現する渋沢栄一の言葉。
    道徳は進化するというが、歴史の長さほどは人類全体の倫理・道徳観は進歩していないような気がする。(過去の人類全体を知っているわけではもちろん無いが…)

  • メモ
    「名を成すは常に窮苦の日にあり。事を敗るは多く得意のときに因す」

    「与えられた仕事にそのときの全生命をかけて真面目にやり得ぬ者は、いわゆる弘名利達の運を開くことは出来ない」

    「文明の老人たるには、身体は縦い衰弱するとしても、精神が衰弱せぬようにしたい。精神を衰弱せぬようにするには、学問による外はない。」

  • 偉くなるとかならないとか、成功すとかしないとか、そんな話ではなく、人としての生き方が語られる。視座を高く持ち、今後の働き方を、論語に沿って考えていきたい。論語と働き、か!

  • 時代が移っても色褪せないどころか、むしろ重要性を増している考え方で、読むたびに背筋がピンとなる。
    個人的には、小学校とか、公教育のできるだけ早い段階で子どもたちに教えていった方が良いと思う。
    渋沢栄一の自伝(雨夜譚)と併読するとなお面白い。

  • 二冊渋沢さんの本は読みましたが、私はこちらは読みにくいと感じました。

  • 渋沢栄一の考え方が丁寧に書かれている。
    この人物の残したレガシーを考えると全てを真に受けてしまいそうであるが、歴史的背景を想像することが大事だろう。
    個人的には道徳と商業の両立、知情意の分立など(渋沢栄一がオリジナルではないものの)、今こそ改めて意識したいと思う。

  • 口語訳?されているものの、読み始めから読了まで1ヶ月かかってしまいました。
    現代のhow-to本の走りとも言えるかも知れないですが、押し付けがましくなくて良いです。渋沢栄一のパッションを感じることができました。

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著者プロフィール

渋沢栄一:1840(天保11)年2月13日、現在の埼玉県深谷市血洗島の豪農に生まれる。幕末はのちの将軍・徳川慶喜に仕え、家政の改善などに実力を発揮し、次第に認められる。 27歳のとき、慶喜の実弟・昭武に随行し、パリの万国博覧会を見学するほか、欧州諸国の実情を見聞し、先進諸国の社会の内情に広く通ずることとなった。帰国後は「商法会所」を静岡に設立。その後、明治政府に招かれ、のちの大蔵省の一員として国づくりに深くかかわる。1873(明治6)年に大蔵省を辞した後は一民間経済人として活動。第一国立銀行の総監役(後に頭取)として、同行を拠点に、株式会社組織による企業の創設・育成に力を入れた。また、「論語と算盤」として知られる「道徳経済合一説」を説き続け、生涯に約500もの企業にかかわった。さらに、約600の教育機関・社会公共事業の支援や民間外交に尽力。実業家のなかでは最高位となる子爵を授爵する。1931(昭和6)年11月11日、多くの人々に惜しまれながら、91歳の生涯を閉じた。

「2024年 『渋沢栄一 運命を切り拓く言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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