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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784044094300
作品紹介・あらすじ
日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士が、自らの前半生をふり返る。「イワン(言わん)ちゃん」とあだ名された無口な少年は、読書を通じて空想の翼を羽ばたかせた。数学に熱中するも「小川君はアインシュタインのようになるだろう」という友人の一言がきっかけとなり、理論物理学への道が開けていく――。京都ならではの風景とともに家族の姿や学生生活がいきいきと描かれ、偉大な先人を身近に感じる名著。
みんなの感想まとめ
独自の視点で描かれる回想録は、著者の幼少期から27歳までの人生を通じて、彼がどのように理論物理学の道を歩んだかを示しています。京都の美しい街並みや、当時の学校生活、そして数学から物理学への転身を鮮やか...
感想・レビュー・書評
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物理学者、湯川秀樹の回想録。
中間子の理論がどのように着想された彫琢されていったかを知りたく手に取った。が、本書は、湯川ができたばかりの大阪大学の専任講師と赴任し、新理論の着想を得たあたりで終わる。
もう1つ読んでよかったのは、当時の京都の様子がよくわかるところ。寺町通にはむかし、電車が走っていたと聞いて驚いた。あと動物園から蹴上にかけてのあたりにも。
いまの京大総合人間学部のところに湯川の通った三高があったそうだ。今はすっかりきれいになったが、少し前にはたしかに、大学っぽくない感じがあった。納得。
ずいぶんと自由な校風だったらしく、本書を読むかぎりめちゃくちゃ楽しそう。三高の湯川の後輩には、湯川についでノーベル賞を受賞した物理学者の朝永振一郎もいた。ヤバいこの学校(笑)
湯川は数学に秀でていて、京大に入学してからもいろいろ数学の講義を聴講したというが、なんと彼は、数学者、岡潔にも教わっている。興奮した。
入学早々に出された演習問題がおそろしく難しかったという。
また、哲学者の西田幾多郎とも交流があり、講義を聞いていたのみならず、一時期自宅にも出入りしていたようだ。
この西田幾多郎の息子が物理学徒であり、量子力学を学んでおり、湯川の先輩だった。
しかし一方で、アインシュタインが京都に来た時は講義をききそびれるというお茶目なところもある。
彼が中学のときは、たいへんな文学少年だったことにも驚いた。その時期だけみたら、のちに物理学者になるだなんてまったく想像がつかない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2019年カドフェスの一冊。
湯川秀樹に触れるのは初めてではないのだけど、以前は対談集を読んだので、言葉が標準語になるだけで随分イメージが変わる。
幼少期から展開される京都の街並みが、生きている。丸善やら、新京極やらまるで『檸檬』のその後を歩んでいるようだな、と思わされる。
口数が少なく、父との心理的距離感をずっと抱いていたらしい秀樹少年だが、彼のまなざしや、出会った先生の言葉の数々は、細かく、鮮やかで驚く。
そして、数学ではなく物理学を選んでゆく、長い道のりも、面白い。
時勢があり、出会いがあり、そして選択がある。
彼から数学を疎遠にさせた、「自分の教えた証明の方法しか許さない先生」のエピソードを読むと、自分もどこかで誰かを疎遠にさせているのかもしれないと、胸が痛む。
「私は昔も今も、親しい友だちが少ない。性格的なものもあるだろうが、私が幼年期、少年期を過したた、京都という町の環境にもよるのかもしれない。
京都の人家は、大抵、外部からひどく隔絶させるように出来ている。
入り組んだ町の商店でも、店だけは通りに面して開いている。が、店の奥に下げられた古いのれんを一枚くぐれば、そこには外界から遮断された、暗い静けさがよどんでいる。」
「私はもうずっと以前に、「名なしの権兵衛」ではなくなってしまっている。だれも、私をほうって置いてはくれない。利用価値があると思われること自体は、私に取って嬉しくないことはない。しかし、それが私にとって重荷であることもまた否定出来ない。」 -
なにかの記事で登美彦氏がおすすめ本として紹介していたり、小川洋子さんが『みんなの図書室』でレビューを書かれていたので、読んでみたかった作品。
ノーベル物理学者の湯川秀樹博士による自伝です。
幼少から27歳までの湯川博士の様子が描かれています。
自身のことにも関わらず、一歩退いたところから自分を見つめて書いているところが科学者の目線だと感じます。
そして、文章のうまいこと!
偉大な科学者が書いた文章であることを忘れてしまうくらい、わかりやすく読みやすいのです。
湯川博士の前に現れた数々の人生の分岐点。
博士がどんな風に歩み、理論物理学の道に足を踏み入れ、大きな業績を残したのか。
日々手探りで進むべき道を模索する私たちに、「私はこうだったよ」と静かに語りかけてくれます。
高校生や大学生世代におすすめしたい1冊です。 -
朝永振一郎の自伝を読んだので、湯川秀樹の自伝も読んでみた。文章は湯川先生の方が上手。
学者の一家に育ち、5歳の頃には祖父から漢籍の素読の手ほどきを受けたそうで、昔のインテリ層は格が違うなと思った。
研究や戦争についての回想はほぼなく、幼少から、青年時代、結婚してからの家庭生活などが内省的に淡々と語られる。孤独を好み、内面世界が豊かなタイプということがよく分かる。また、京大(三高)の自由な気風が彼の気質と才能を養ったらしく、その校風をずっと残していってほしいと部外者ながら思った。
これが書かれたのが1960年なので無理もないのかもしれないが、パグウォッシュ会議に対する思いなどが書かれているわけでもなく、特に感銘を受けるような本ではなかった。
湯川先生は太宰治あたりと同時代の人である。作家の小説や自伝以外でこの時代のことを書いたものを初めて読んだので、社会風俗の雰囲気が分かり、それなりに興味深く読んだ。 -
おそらく本人が気づいていないだけであって、周りには小さい時からすごい人だと思われていたんだろう。京都がより身近に感じられるようになった。
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幼少期の思い出から研究での悩みまでが綴られており、内容が戦前から数十年前の事柄なのに理解しがたい点が無いくらい明解な文で読むのに快適な本だった
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お父さんやお母さん、二人のお姉さんと1人のお兄さんと1人の弟さん。家庭環境や関わってくれた先生や友人など、大切に覚えていらっしゃって、がいこへ行かれたときも、ちゃあんと、会いたい方には会いに行かれて、(存命である限り)ちゃんと生きるってこういうことかなぁと素敵な人柄が存分に味わえました。ありがたい随筆でした。
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伝記物をほとんど読んだことがないと思い、関心のあった湯川秀樹氏の著書を読んでみました。物理学者にして文章が普通におもしろく、最後までとても楽しんで読めました。アインシュタインや朝永氏について、近い距離感から書かれているあたりは、少年マンガの激アツ展開のようで、熱くなりました。他の著者が書くと強いエピソードだけで盛った話になりそうですが、自伝だと等身大の視点で好感が持てます。同じ人の話を、自伝と他伝(?)で読み比べてみるのもおもしろそうです。
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タイトルそのままの内容でした。物理学者誕生までのおはなしで、興味深かったです。
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佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB05036811 -
未知の荒野を歩く開拓者
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時代感の違いと、学問への取り組み姿勢の違いなど、興味深く読み、何も成し遂げていない悲哀から寂しくもなった。
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物理学は避けてきた学問で、湯川秀樹教授が日本人初のノーベル賞受賞者であることと、この本の紹介文を読んでそういえばそうだったな、と思い出した。
たまたまこの本を薦めているブログを読んで、夏休みで時間があることもあり手に取ってみた。
学生時代に湯川教授が出会った「あの先生はな、自分の講義中にやった証明の通りにやらないと零点なんだ」という先生、私の学生時代にもいたなと思った。
湯川教授はこのエピソードを受けて数学の道には進まなくなったとのことで、こういうささいなことで、人生は変わるんだなよあと感じた。
自分も、今まで出会った人に少なからず影響を受けて生きている。全ては糧になる、と思って日々過ごしたい。 -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18349
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN09312223 -
日本人で初めて物理学でノーベル賞を受賞した、湯川秀樹氏自身による回顧録。40代の頃書いたようだ。
少年の頃のことから、ネクラで引っ込み思案な中学時代、そして物理学と出会った高校時代、海外の物理学者の研究に刺激されて物理学にのめり込んでいく京都大学時代。
湯川氏は大学を卒業するまで一貫して京都に居住していた。兄弟も多く、彼は7人きょうだいの5番目に生まれた。父親も兄たちも分野は違うがそれぞれ学者で、当然のように学問の道を志したようだ。そして物理学に出会ってから、いい教授たちに導かれ、次第に研究分野で第一人者になっていく。
物理学以外のことに関してはとても謙虚で、今でいうオタク的な青年だったようだ。でも文章からにじみ出る人柄や教養に好感が持てた。先日レビューを書いた岡潔教授にも京都大学で数学を習ったそうだ。岡教授の方が変わった人という印象だ。湯川氏は天才だが、ごく常識的な人という感じも十分にある。彼の研究を一般人になるべく平易に説明しようという努力もうかがえる(それでも難しくて理解できないが)。
昭和一けた年時代の自然豊かな京都の風景に、京都に行きたくなった。とても興味深い本で、読んでよかった。 -
日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹さんの中間子の発見までの前半生を綴った回想録。
幼少期からの学生生活と時代の空気感の記述がほとんどで、理路整然で淡々と読み進められました -
ノーベル賞の発表シーズンに日本人初の受賞者である湯川先生の前半生を振り返った回想記があることを知り、手に取りました。
湯川先生の生い立ちや学生時代について詳しく振り返っていて、人格の形成を理解することができます。
特に印象的だったのが、下記二点でした。
・数学を得意としていた著者が、高校時代の教師によって進む方向を変えたこと
・量子力学の黎明期において、新しい発見に至るまでの不眠をはじめとする苦悩
これから量子力学を学ぼうとする理系の大学生に特におすすめで勇気をくれる一冊になると思います。
著者プロフィール
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