陰翳礼讃 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044094713

感想・レビュー・書評

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  • 日本の伝統的な漆器や金箔を使ったものや能や歌舞伎の衣装は蝋燭の明かりで見てこそ本来の美しさを発揮できると言うような部分はとてもそう思いました。揺らめく灯りに浮かぶそれらはどれだけ美しいのでしょうか。
    西洋と比べるあたりは「そこまで言わなくても…」と思うところもありましたが日本古来の闇が持つ美しさを再発見させられる表題作でした。
    『ねこ』は今も昔のこの仕草に人類はやられてしまうのだなぁ、と思ってしまいました。猫好きの人ならきっと頷いて読みそうです。

  • インテリア系の本を読んでいるとかなりの頻度でお目にかかるので教養として。
    文章が古いもののはずなのにものすごく読みやすくて驚いた。
    そして日本語の乱れについての話とか今に通じ過ぎてて笑ってしまう。
    すでに現代語訳みたいな書き方というかエッセイというか、旅に関してとか、料理についてとか。

  • 日本建築のバイブル

  • 日本家屋特有の暗さと西洋建築の明るさの対比、公共施設でのマナー、猫のしっぽ、トイレについて…「陰翳」なんて堅いタイトルだが中身はただの不満おじさんエッセイで非常に面白かった。奇人のイメージのある谷崎だが、妙に親しみを感じる内容であった。

  • 「おじいちゃんが言っていた小言」を思い出してしまい…私には合わなかった。

  • ( ..)φメモメモ
    1930年代の日本における西洋近代家具設備の野暮ったさについて

  • 古来の日本人のあかりに対する美意識を解説する名著

  • 松浦弥太郎さんのセンス入門を読んだ時から気になっていた1冊。
    陰翳礼讃を含めた短篇集であったが、全てを通じて言えることは、今一度我々の国、日本と言うものの文化の優美さや趣深さを再認識することが出来るということである。

    今回はとくに陰翳礼讃について書こうと思う。

    近現代となるまさに転換期、様々な西洋の文化が輸入される時代背景の中でこのような文章を書けること自体がまず私にとって衝撃であった。
    モダニズムの流行による光の捉え方の変化、それに対して、"影"こそに日本古来の本当の良さを見出す感性に感服である。
    これは私事であるが、今まで西向きの角部屋で生活しており、日当たりの悪さやに嫌気がさしていたが、本著を読むことでその中で自分がどう良くしていくかを考えることが出来たと思う。
    また、これから建築について学習をしようと考える私にとってこの本は、物事の見解や受け取り方に対する新しい姿勢を示してくれているように感じた。
    谷崎潤一郎氏の優しい文体、確固たる彼の考え方、気付けば魅了されて、直ぐに読み切ってしまった。
    陰翳礼讃を含め全ての短篇に彼の人相を感じることができた。非常に良い作品である。

  • 文章が美しく、正に声に出して読みたい日本語という感じ。陰翳礼讃は、闇や暗がり、影と言った、通常好まれないものに対する別の見方を与えてくれる。特に、漆器や黄金の闇との調和から見た美しさ、日本人の肌の色から生じた微妙な影から来る独特の美しさなどの記述は、それ自身が美しい。
    懶惰の説、旅のいろいろ、ねこ、なども谷崎のノスタルジックな見方を伝えてくれる。内容もさることながら、文章そのものの美しさが心地よく、何度も読んでしまう。

  • 過去の読書会課題本。表題作を含む代表的な短編エッセーを集めたもの。表題作は「日本建築の枢要が的確に描かれていて建築家必読」と言われているらしい。そうとも言える部分があるのはわかるが、西洋文化や白人への偏見・敵視・憎悪が文章の端々に感じられて不快だった。

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著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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