新編 日本の面影 (2) (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA/角川学芸出版
4.09
  • (3)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 80
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044094867

作品紹介・あらすじ

代表作『知られぬ日本の面影』を新編集する待望の第2弾。「鎌倉・江ノ島詣で」「八重垣神社」「美保関にて」「二つの珍しい祭日」ほか、日本に対するハーンの想いと細緻な眼差しを感じる新訳十編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • (上巻と同じ内容です)
    2012.8記。

    突然ですがやっぱり地元の夏祭り・盆踊りというのはよいものです。なぜか振付を熟知しているおばちゃん、よくわからない役割を与えられてねじり鉢巻きで周囲ににらみを利かせているおっさん・・・

    私が小学生(30年前、1980年前後)のころから変わらない風景だが、思えばこのおっさんおばちゃんも30年前はせいぜい30代。つまり1980年代にはそこそこ「盆踊りだせー」とか言っていた世代ではないのだろうか?2030年ごろには僕も地元の公園辺りで「自治会」のテントの下で東京音頭の音量を調節したりしているのだろうか?日頃は都心に電車で働きに出てしまう僕だが、そうやって将来どこであれ地域の行事の継承役の一角を担えるならそれは嬉しいことだ・・・こういう廃れそうで廃れない日本の季節の風物詩を大事にしたいと思う今日この頃。

    さて、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が描写した(おそらくは19世紀末の)出雲における盆踊りの様子は、日本人が読んでもめまいがするほどに美しい。
    以下、少し長いが引用です。

    「かつてのお寺であった本堂の陰から、踊り子たちが列をなして月の光を浴びながら出てきて、ぴたりと立ち止まった。(中略)・・・すると、太鼓がもうひとつ、ドンと鳴ったのを合図に、さあ、いよいよ盆踊りの始まりである。それは、筆舌に尽くしがたい、想像を絶した、何か夢幻の世界にいるような踊りであった・・・(中略)こうして、いつも無数の白い手が、何か呪文でも紡ぎだしているかのように、掌を上へ下へと向けながら、輪の外側と内側に交互にしなやかに波打っているのである。それに合わせて、妖精の羽根のような袖が、同時にほのかに空中に浮き上がり、本物の翼のような影を落としている。(中略)・・・空を巡る月の下、踊りの輪の真ん中に立っている私は、魔法の輪の中にいるような錯覚を覚えていた。まさにこれは、魔法としかいいようがない。私は、魔法にかけられているのである。幽霊のような手の振り、リズミカルな足の動き、なかでも、美しい袖の軽やかなはためきに、私はすっかり魅了されてしまっていた。幻影のように、音も立たない、なめらかな袖の揺れは、あたかも熱帯地方の大きなコウモリが飛んでいるかのようである。いや、夢だとしても、こんな夢はこれまで見たことがない。」(ラフカディオ・ハーン「日本の面影」(池田雅之訳))

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1850年、ギリシアのイオニア諸島にあるレフカダ島で、アイルランド人の父とギリシア人の母との間に生まれる。幼くして父母と別れ、19歳でアメリカに渡る。以後、世界各地を転々とし、90年に通信記者として来日。同年、小泉節子と結婚。96年に帰化し、小泉八雲と改名。英語、英文学を講じる一方、日本人の内面や日本文化の本質を明らかにする作品を描き続けた。1904年没。

「2019年 『小泉八雲東大講義録 日本文学の未来のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ラフカディオ・ハーンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
塩田 武士
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×