神秘日本 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA (2015年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784044094874

作品紹介・あらすじ

「日本人としての存在を徹底してつかまないかぎり、世界を正しく見わたすことはできない。」人々が経済成長と五輪に沸くころ、太郎の眼差しは日本の奥地へと向けられていた。下北、津軽、出羽三山、広島、熊野、高野山を経て京都の密教寺院へ。聖地で目のあたりにした祭りや人々の姿は、日本人を深い底で動かす「見えない暗号」としての“神秘”の力を印象づけるものだった。カメラを手に踏破した日本最深部への旅。解説・中沢新一

みんなの感想まとめ

日本人としての存在を深く探求する旅を通じて、著者は日本の神秘的な側面を浮き彫りにします。岡本太郎が描く芸術のイメージとは一線を画し、理知的で分析的な視点が際立つ一冊です。旅の中で出会う祭りや人々の姿は...

感想・レビュー・書評

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  • 岡本太郎のイメージが変わる一冊。芸術作品は”べらぼう”で爆発的な印象だが、著書は、極めて理知的で分析的。写真もよい。

  • 人間は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に
    爆発しつづけるべきだ。
    それがいのちの本当の在り方だ。

    という岡本太郎さんの言葉に衝撃を受けた。
    ので著書を色々読んでいこうかなと。

  • 岡本太郎のイメージが変わった。
    あのダイナミックな絵画を描く印象とは異なる、繊細な描写と文学的な表現。段々と吸い込まれる様な世界観に魅了される作品。

  • 岡本太郎はこういう本も書いていたのか。意外にと言っては失礼だが文章もなかなか読ませる。最初の4篇は中央公論連載の旅行記、後ろ2篇は芸術新潮連載でもうすこし形式張った芸術論らしきものでやや読みづらい。しかし、こうトーンをはっきり書き分けるあたりもけっこう器用よね。

    岡本の幼時の記憶にある魔よけ「ほうこ」。さるぼぼの近縁のようだ(p.6)

    <blockquote>呪術には矛盾がある。
    効果、力があらわれるという前提がなければ成り立たない。少なくともそれが示現する、した、と人々に思われることがなければならぬ。しかし同時にそれが必ずあらわれるのでは、やはりいけないのである。カクすれば、必ずカクなる、というんだったら、それは実用的約束であって、呪術でも何でもないからだ。(p.18)</blockquote>芸術の場合も同じだと

    岡本の幼時、川崎大師への初詣で見たおびただしいライ病患者の乞食たち。浄と汚れの同居をイタコの存在になぞらえる(p.28)

    南部と津軽の格差。南部は米が取れず飢饉が多い、その一方で津軽からは米をどんどん上方へ積み出す。廃藩置県後の役人と公職も津軽が独占した(p.39)
    「晴子情歌」を思い出した。こういう背景があったのか!

    川倉の地蔵堂に大興奮(p.45)

    日本の神々は仏や儒教とくっついたり離れたり融通無碍なだけに、官僚とも易易むすびついて国家神道などという柄にもない大風呂敷を広げた(p.85)

    密教的修験道に見るノーマルな共同体のルールに従わない異質な存在(p.92)網野っぽい
    また修験道にある輸入された仏教的な要素と、もともとの日本的な非思想性

    羽黒山「松例祭」の「綱さばき」での若者たちの討論会(p.104)

    <blockquote>夜の火は虚飾の奢りである。華やかに燃えて、目に鮮やかだ。だが昼の炎、そのエネルギーは不可視だ。思わずふれて、傷つく。人間はそういう経験をつみ重ねている。その危険感は不吉な力だ。だからいっそう神聖なのである。(p.167)</blockquote>那智の火祭りにて

    熊野は古座の祭りでの「ショウロさん」。この子供たちは神のよりましであるとして、三日間物忌をする。外に出ないし土を踏まない、便所に行くのもおんぶ(p.183)理由付けは異なれど鯨船的

    「ショウロ様」が御神体のほうを向かずに海の方を向いて座らせられるのに、別の海の祭りとの融合を推測する

  • 久々に楽しい本に出会った。
    岡本太郎さんは感性だけの人ではない。
    羽黒の松例祭を訪れた事が書かれたので読み始めたが
    イタコのこと、オシラサマの事、熊野や田植え田楽など
    当時の様子がとても詳細に書かれていて
    貴重な記録でもある。
    作品もさることながら、多くの芸能に目を向けたその記録も多い評価すべきだと思う。

  • 文字であれ絵画であれ形なる前の何かを掴みたいという岡本太郎の衝動はよくわかります。宇宙なのか無なのか有象無象の何かを。

  • 「沖縄文化論」と同じく独特の文体、独自の視点。日本人を深い底で動かす神秘の力を見る岡本太郎の眼。文章とカメラで熱をもって表現されます。

  • 恐山、熊野、高野山など岡本太郎が訪ねる密教の聖地。自らの創作意欲を掻き立てるための研究はバイタリティに溢れている。

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著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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