機動戦士ガンダム 逆襲のシャア―ベルトーチカ・チルドレン (角川文庫―スニーカー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044101091

作品紹介・あらすじ

宇宙世紀0093。行方不明になっていたシャア・アズナブルは、ネオ・ジオン軍を再興。宇宙植民者の声に耳を傾けず、地上で惰眠をむさぼり続ける地球連邦政府に対し、戦いを挑んできた。隕石を地球に落し、気象条件を変え、人工的な氷河期を作ろうというのだ。人間が地球に住めなくなるだけでなく、多くの罪のない人々が、シャアの手で粛正される。かつてのライバル、アムロ・レイは、敢然とシャアの野望にたちふさがる!アニメ史上最高のスペクタクル大作「機動戦士ガンダム・逆襲のシャア」のオリジナル版原作、堂々の登場!

感想・レビュー・書評

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  • 約1年前に「逆襲のシャア」の感想として、以下のように書いた。
     @
    ところで、角川カセットブック「逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」を聞いてみた。59分。
    大局はあまり変わりない。
    ・ナナイ・ミゲル → メスタ・メスア
    ・ギュネイ・ガス → グラーブ・ガス
    ・サザビー → ナイチンゲール
    ・ヤクト・ドーガ → サイコ・ドーガ
    と、ネーミングが異なる程度。
    が、まず導入部として、なんとアムロとベルトーチカのセックス事後・後戯「ベルトーチカの顎は尖ってるんだから(胸板に刺さる)」という、!!!!!!!!
    しかも、クェスを倒したのは、チェーンではなくハサウェイの誤射。これが、後に「閃光のハサウェイ」へとつながる。まるで「シャイニング」「ドクター・スリープ」の関係のようだ(スティーヴン・キング。スタンリー・キューブリック。マイク・フラナガン)。
    さらにラスト、妊娠3カ月未満のベルトーチカが出撃し、アムロがアクシズを押すのを後押ししてくれたのは、なんと後に生まれるはずの子供の意志だ、という……そりゃ映像化しづらいよ! でもベルトーチカ好きとしては、音声だけで妄想が捗ります。
    先日手に入れた原作小説の序盤でもベルがエロそうだったし、そもそも小説ではアムロが性的にいろいろあるとか聞いたことがあるし、小説家富野にも手を伸ばしたいところ。
     @
    で、読んでみた。
    ほぼ上に書いた通りなのだが、富野御大の文章の生硬さが愉しめた。
    映像の補助がなければ読むのは結構辛かっただろうな。
    美樹本晴彦によるイラストのクェス、可愛い。
    にしても、アムロの言う、
    「万全の段取りを組んだし、赤ちゃんのためにも勝つ……違うな。シャアには、ベルトーチカのような女性との出会いはなかったし、子供も手に入れられなかった。しかし、ぼくは、ベルトーチカとお腹のなかの赤ちゃんがいる。この違いは、絶対的な力だ」
    って、そうとう手厳しいなw

  • 劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」とは同じ舞台をテーマにした、別の作品。

    作者である富野由悠季氏は、「あとがき」の冒頭で「映画を本編とすれば、本書は、モチーフ小説と位置づけられるもので、本来、発表されるべき性質のものではないでしょう。」と言い切っている。

    最初に「あとがき」から読んだので、作者の意図することや彼の伝えたかったこと、試したかったこと、映画ではできないことをしたいこと、が何だったのかわかった上で読むことができた。

    劇場版を観た上でお読みになる方には、是非「あとがき」から読んでいただきたい。

    この作品でアムロとシャアの織りなす、宇宙世紀の物語は終わる。
    そのことを改めて実感したいがために読んだ。
    富野由悠季という人が、その終わりに伝えたかったことは何だったのか、をすべて知ることはできないけど、その一面を垣間見ることはできたのかなぁと。

    余談:どこかのこの作品のレビューで「アムロが父親になることは許されなかった。主人公が父親になることを許されるようになったのは、ドラゴンボールの孫悟空以降」と読んだ。確かにそうなのかもしれない。

  • 映画はオープンエンターテインメント。大勢の人たちが観て楽しめるものなければならない。そのために編集が加えられたものであり、この本こそが原作となる、らしい。
    映画版のアムロの恋人チェーンは登場せず、Zガンダムのころのベルトーチカがそのまま恋人であり続けて、そしてアムロの子供を身籠る。
    主人公が父親になるというのは確かに子供受けはあまりしないものだろう。共感が出来ないから。
    物語の話をするとシャアの総帥でありながら、事故の欲求を押さえられないところ、幼さがよかった。(物語中は純粋という言葉となっているが)
    自分の中でアムロという存在があまりも大きすぎ、ニュータイプというレベルでも負けていると思っていながら、対等の立場で戦いたいと自軍の技術を連邦に提供した。それにより完成したニューガンダムと戦い、そして破れる。
    対等の立場で戦いたかったのは、ララァを奪われたことによる復讐を完璧にしたかったことと、絶対優位な立場で勝ったとしてもアムロを超えられなかったがこれから先もつきまとうことに耐えられないと思ったんだろう。
    実質、アムロはシャアより先をみていた。ベルトーチカが身籠ったこと、親に捨てられた自分が親になれたことに喜びを感じ。戦闘から生還することを違う。
    また、映画中はサイコフレームが未知の力を発揮していたが、この原作では人の力を見せていたようにみえる。戦闘中にアムロが撃墜されそうになったのは、アムロの子供のような描写がある。
    映画でハサウェイはチェーンを殺してしまったが(なんでそんな編集にしたんだろう)、原作は自分の想い人クェスを自分の手で殺してしまう。その苦しみは次の閃光のハサウェイへと続くのか?
    クライマックスは映画と同じ。光に包まれてアクシズの片割れは地球へは落下しなかったが、アムロとシャアの生存は不明。シャアはその最後にロケットの写真、アルテイシアをみた。そこもまた人間臭く描かれていた。

    アムロとシャアのライバル関係好きだな。大尉と総帥と身分が違っていても、かつては命を取り合い、または協力し合い、そしてまた敵対し合う。
    互いが互いを認め合い、尊重し合うからこそ、シャアを技術をアムロに提供し、アムロもそのシャアの意思は受け取り最高のモビルスーツを完成させた。美しいと思う。

    最初のガンダムではジオンが独立国家を名乗って、地球の資源を奪おうとした略奪戦争。逆襲のシャアでは、地球が汚染が進んでいることに気付けない地球人を粛正するために、地球に隕石を落として人が住めない環境にして、地球を休ませようとする。全面的に環境問題とは言えないが、少なくとも初代のころと目的は違う。

  • シャアの弱さと強さ。男はやはり戦わなければならない。

  • あとがきをこんなに興奮しながら読んだことはありませんでした。映画とは異なる設定、ストーリーが少々あるものの映像で記憶してる部分は読みやすくラストシーンでは一気に読み終わってしまうほど。映画観たことあってガンダムが好きな人なら超オススメです!

  • 富野由悠季作品は久しぶりに読みます。バイストンウェルの話しは一通り読んでますが、ガンダム系は初めてかも。
    映画版とはストーリーが違いますが、こちらも面白いです。ただ、映像作品じゃないですが、ちょっと「尺」が足りないかも。クェスとシャア、ハサウェイとクェスの関係とか、もうちょっと色々お話しがないと、なんであんなに入れ込んでしまうのか、少し伝わりづらい。
    この本ではアムロの子供ができる設定になっていますが、映画化のときにはそのストーリーは否定されたと後書きに書いてあります。富野さん本人も、それがいい、との判断で映画版では子供はできてませんが、それで正解だった気がします。後の世代は、この後ブライトの子供のハサウェイの話が続きますが、あまり、誰々の子供と誰々の子供の話し、みたいに続くより、新しい人が出てくる方が良いですね。作る人もどんどん新しい人に代わっていって欲しいと思います。

  • 余韻の残るラストが良い。

  • ガッカリだよ、シャア・アズナブル。やり方を間違えたんだよ、お前ほどの男が。

  • 「閃光のハサウェイ」を読む前にこちらを。
    中途半端なガンダム知識で臨んだら、カタカナの用語に苦戦した。文章が読みづらく、場面をイメージしにくいのも厳しい。小説…ではないかな。大まかなところは掴めたと思うので、「ハサウェイ」も読む。

  • ファーストガンダムの完結編とも言える映画版「逆襲のシャア」のノベライズ版だけど、登場人物やマシン、設定などいろいろ違っている。これは映画版シナリオの初期案でボツになった内容が元になっているからだそう。ただ基本の流れは映画版に沿うので、映画版でちょっと難解な部分も読むと、あぁ、なるほど、そういうことかと理解しやすくなる。そういった意味でも読んで損はないと思う。

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著者プロフィール

とみの・よしゆき 「機動戦士ガンダム」シリーズの総監督にして原作者。多くのヒットアニメシリーズを手がけているほか、ノベライズ、オリジナル作品も含めて50冊以上の著作がある。

「2010年 『リーンの翼 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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